ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう!



僕が「マシンガンズ」として芸人の仕事をしながらゴミの回収を始めたのは11年前、その頃はめちゃくちゃ貧乏でした。1円単位でも無くなったら生活が成り立たないほどの窮状で、6、7枚持っていたクレジットカードのポイントを必死にかき集めて、子供のオムツを買っていました。

そんな困窮した状況だったのである日、本当に藁をもすがるつもりで「金持ちの出すゴミを真似してみよう」と思い立ちました。そうすれば自分もお金持ちに近づけるかも、そう考えたからです。

ゴミの回収をしていて、なんとなく「金持ちの家から出るゴミの量は少ないな」と感じていたので、まずはゴミの量を減らしてみることから始めました。ウチは4人家族で、それまでは1週間に4~6袋ぐらいのゴミを出していました。

そこから意識してゴミの分別を徹底的にやったり、先輩からもらっていた洋服も結局捨ててしまうことが多かったので、それも断ってレンタル洋服に変えました。生ゴミもコンポストにしたり、自分にできそうなことはすべてやりました。

そうするとゴミがどんどん減って、1週間で出るゴミは45リットルのゴミ袋1袋ぐらいになりました。数年後に子どものオムツが取れれば、もっと減るでしょう。

それまでは自分のことだけで精いっぱいでしたが、ゴミを回収する側として「やられて嫌なことはやらないようにしよう」と思うようになり、生ゴミは汁がでないようにギューッと絞ってから捨てようと思うようになりました。ゴミを減らした結果、自分の考え方まで大きく変わりました。もっというと、人が変わったかもしません。自分のことだけでなく、周りのことを考えて生活できるようになったのです。

ゴミを減らせば金持ちになれる、というと言い過ぎかもしれませんが、僕は自分の出すゴミを意識することで人が変わり、結果的になんとか家族を養って生活できるようになりました。

古紙の日に洗剤の箱は出しちゃイヤよ! 臭いがついているから再生できないので! 古紙の日に洗剤の箱は出しちゃイヤよ! 臭いがついているから再生できないので!

お金持ちの出すゴミには、量が少ないということ以外にも特徴があります。

お金持ちが多く住む地域で、一時期よくシャワーヘッドが捨てられていることがありました。つまり新しいシャワーヘッドに買い替えたんでしょう、よくテレビでもCMをやっているアレです。あとはえごま油の空ビンとか、高級なアンチエイジングの化粧品のビンとかも頻繁に捨てられていました。

これらのゴミの特徴は何かというと、「健康や美容など、自己投資にお金を使っている」ということなんだと思いました。例えばえごま油なんかは、お金持ちでなくても買えるものですよね? 自分の健康を気遣うものを、日々当たり前のように買っているんだなと感心しました。

一方、お金がたまらない人の出すゴミからはパチンコ雑誌の束やたばこの空き箱、カップ麺などがよく出ます。もちろん、それが悪いわけではありませんが、日々の消費でお金が消えているように思えたのです。

このように、ゴミから得られる情報はたくさんあります。数週間前、サッカーワールドカップの日本戦があった翌日には、宅配ピザの空き箱がいたるところで出されていました。おそらく、ピザを食べながら試合を観戦した人が多かったんでしょう。

ゴミには、捨てた人の人間性や生活そのものが色濃く反映されます。捨てられたゴミからその人を想像することは容易にできるし、逆を言えば、あこがれの人のゴミを真似ることで、その人に少しでも近づくことができるのかもしれません。

この連載では、僕が日々考えているゴミにまつわるさまざまな考察を書いていこうと思っています。

来週も、「お金持ちの家のゴミ」についてお話します!

滝沢秀一(たきざわ・しゅういち)
1976年9月14日生まれ、東京都出身。
お笑いコンビ「マシンガンズ」として活動するかたわら、ゴミ清掃員としての仕事もこなす。
著作はゴミ清掃員の体験を書いたエッセイ『このゴミは収集できません』ほか多数

※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。

マシンガンズ・滝沢秀一の『金持ちのゴミはなぜ少ないのか?』は毎週木曜日更新中!