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マセラティ グレカーレ エッセンツァ 価格:990万円 噂の注目モデルを公道でチェック。イタリアのプレミアムブランドが磨き上げてきた走りは、エントリーモデルにも受け継がれているのか
イタリアの名門プレミアムブランドが、昨年8月に日本市場へ投入した専用エントリーモデルが話題を集めている。いったい何がどうスゴいのか。その実力はいかほどのものか。公道に連れ出し、その正体を確かめてみた。
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クルマ好きであれば、一度はマセラティの「トライデント(三叉槍)」のエンブレムに心を奪われた経験があるはず。官能的なエンジンサウンド、流麗なイタリアンデザイン、そして成功者の証しのようなブランドイメージ。しかし同時に、そのセレブすぎる価格を思い浮かべ、泣く泣く諦めた人も多いはず。
マセラティは長らくそんな雲の上の存在だったが、常識を崩しにかかったのが、昨年8月に投入されたSUV・グレカーレ エッセンツァである。日本限定のエントリーモデルとして登場し、価格は990万円。マセラティとしては極めて〝戦略的〟な価格設定が話題を呼んだ。
販売店関係者はこう語る。
「内外装色のバリエーションを厳選することで価格を抑えたエントリーグレードですが、走りや質感といった、マセラティが最も大切にしてきた部分は一切妥協していません。実際、60回ローンでご購入されるお客さまも少なくありませんね」
つまり、このクルマは従来のマセラティオーナーだけでなく、これまで「いつかは」と思い続けてきた層にも、現実的な選択肢として刺さり始めているのだ。
全長4845mm×全幅1950mm×全高1670mm。マセラティが誇るミドルサイズSUVは、堂々としたたたずまいに品の良さが漂う
自動車専門誌のベテランスタッフは、マセラティというブランドをこう説明する。
「1914年、イタリア・ボローニャで創業したマセラティは、110年以上の歴史を誇る名門です。レーシングカー造りから始まり、現在は洗練されたデザインと圧倒的な走行性能を併せ持つラグジュアリーブランドとして世界中にその名を知られています」
実車を前にすると、まずそのたたずまいに目を奪われる。SUVでありながら美しく、品格が漂う。ドアを開けると、重厚かつ締まりのある音が耳に残った。
上質な室内に映える、8.8インチ&12.3インチのデュアルタッチスクリーン式センターコンソール。エアコンなどの操作はここに集約
運転席に身を沈めれば、フルプレミアムレザー、シートヒーター、アンビエントライトがすべて標準装備。触れた瞬間にわかる質感の高さと、ワイドディスプレーのタッチスクリーン、ボタン式シフトが醸し出す先進性が、早くも男心をくすぐる。
ステアリングに配された青いスタートボタンを押すと、2リットル直列4気筒ターボ+48Vマイルドハイブリッドが目を覚ます。最高出力は300馬力。
アクセルを踏み込めば、硬質で乾いた排気音とともに、想像以上に鋭い加速が背中を押す。クルマ好きなら思わず頬が緩む瞬間で、まさに快感である。スペックではなく、感覚で〝別格〟と理解させるあたりが、マセラティというブランドの真骨頂である。
300馬力を誇る2.0リットル直4ターボにマイルドハイブリッドを組み合わせ、力強い走りと環境性能を高次元で両立している
これは週プレ自動車班の率直な感想だが、ハンドルを握り、走り出したその瞬間、不思議な高揚感に包まれた。男としての格が、ほんの少し上がった気がしたのだ。いい年をして何を、と思いつつも、そう感じさせてしまう。それこそが、マセラティというブランドが持つあらがい難い魔力ではないか。
走りの完成度も高い。市街地では扱いやすく、エンジンは終始滑らか。サスペンションはしなやかで、ステアリング操作に対する反応は正確かつ自然だ。
コーナーに入ると、車体は軽快に向きを変え、長いカーブでも不安感は皆無。SUVであることを忘れさせるほど、流れるように駆け抜けていく。
家族を乗せる日常使いにも応えながら、ひとりの時間にはマセラティらしいドライビングプレジャーを存分に味わえる。その二面性こそが、グレカーレ エッセンツァ最大の魅力である。
しかしながら、世の中というのは庶民に甘くない。物価高、住宅ローン金利の上昇、国際情勢の不安定化による燃料やオイル価格の高止まりなど、クルマを取り巻く環境に追い風はない。
それでもこのクルマを前にすると、5年ローンを組んででも手に入れたいと思ってしまう気持ちがよくわかった。もちろん、誰にでも買えるわけではない。ある程度の覚悟と稼ぎは必要だ。
だが理性を飛び越え、その先に手を伸ばさせるだけの説得力が、グレカーレ エッセンツァには確かにあった。
欲望を静かに、しかし確実に刺激してくる。その危険な誘惑こそが、このクルマが持つ、何よりヤバい魅力なのである。




