
渡辺雅史
わたなべ・まさし
渡辺雅史の記事一覧
フリーライターとして雑誌や書籍への執筆をするほか、ラジオ番組やテレビの番組の構成作家としても活躍。趣味は鉄道に乗ること。国内の全鉄道路線に乗車したほか、世界20の国・地域の鉄道に乗車。
意外と注文が多い高齢者のウーバーイーツ利用実態を紹介します
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第172回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
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最近、高齢者が生活するグループホームへの配達が増えています。
最初に配達したのは2025年の年末。湾岸エリアのマンションへ向かったところ、その建物がグループホームとして使われていました。私は高齢者がお住まいになる住宅事情に疎く、「高齢者向け『施設』なのだから、大きな病院のような感じの建物ではないか」と勝手にイメージしていたので、想像とのギャップに驚きを感じました。
その後、「駅やコンビニ、スーパーマーケットなどから少々離れたマンションを1棟まるごとホームにしているところがけっこうあるな」などと分析できるぐらい配達する機会があり、今では「このエリアのこの時間帯なら、あのホームから依頼が来るかも」と思う程度に注文数が増えています。
この現象、グループホームに転用しやすいマンションがたくさん立ち並ぶ東京の湾岸エリア特有の事情かと思ったのですが、都内西部エリアを中心に配達する知り合いの配達員に話を聞いてみると、一軒家タイプやアパートタイプのグループホームからの依頼もあり、この1年で注文が増えているとのこと。
また、グループホームだけでなく、高齢者全体からの配達依頼も増えているとのこと。そこで今回は、グループホームや高齢者のウーバーイーツ利用実態を紹介したいと思います。
初めてのグループホーム配達からしばらくの間は、コンビニのおにぎりやカップ麺、ホットスナック、菓子などを運ぶケースが多かったのですが、最近は買い物代行サービス「ピック・パック・ペイ」を使い、スーパーマーケットのカップ麺、缶詰、冷凍食品などの注文が増えています。
ちなみに注文が増えるのは21時以降、ピークは23時前後です。なぜこの時間なのか調べてみると、多くのところでは20時から22時以降の外出ができないルールとなっていました。ホームの夕食の時間を調べると、18時から19時頃。つまり、夕食後の小腹が空く時間と門限が重なり、需要があるようです。
感染症拡大防止の観点から、グループホームごとに配達のルールは異なりますが、入り口に用意された配達用ボックスに置いたり、受付のスタッフに渡したり、お住まいの部屋の前のドアに置き配するケースばかりで、注文された方に直接商品を受け渡したことはありません。
注文は小腹が空いたとき食べたくなるものが中心ですが、中には乾電池やボディソープなどの日用品もありました。
私が配達するエリアにあるグループホームはコンビニやスーパーマーケットまで少々歩かなければならないところが多く、それがウーバーイーツを活用する契機となっているようです。
ホームにお住まいではない高齢者からの注文時間のピークは15時前後。ピック・パック・ペイを使ったスーパーマーケットの商品が圧倒的に多いです。届けるものはその日の夕食の材料や冷凍食品も多いのですが、飛び抜けて多いのがドリンク類。2ℓのミネラルウォーターやお茶、1ℓパックの牛乳、野菜ジュースなど、自分で運ぶのには少々大変なものをたくさん注文されます。同じ理由から、1ℓ入りの醤油、750ml入りの鍋のつゆなど、重たいものを注文する傾向があり、運ぶ商品の重量がトータルで10kgを超えることも多々あります。
このような重量級の商品の配達先は、エレベーターのない5階建てほどのマンションの上層階がほとんど。私の配達するエリアでは経験がありませんが、知り合いの配達員は、坂の上にある住宅地の駐車スペースはあるが車のない一軒家に運ぶこともけっこうあるそうです。おそらく自動車の運転免許証を返納したため、買い物代行のサービスを活用しているのでしょう。
こちらのケースは、グループホームと違い、商品を直接受け渡しすることがほとんど。生鮮食品の注文が多く、配達完了通知に気づかず長時間放置してしまう可能性があることから、置き配にしない方が多いのでしょう。
高齢者への配達で共通しているのは、お子さんがウーバーイーツのアプリを通じて注文しているケースをよく見かけること。
ウーバーイーツは届け先や注文する店を指定することが可能です。配達依頼の「注文者からのメモ」欄を見ると「両親宅への配達となります。注文者の名前は〇〇となっていますが、届ける相手の名前は△△となります」と書かれています。
高齢の両親からのLINEや電話を受けて注文をするのは少々手間ですし、ウーバーイーツを使うと普通に買い物をするよりお金はかかりますが、両親と頻繁に注文のやり取りをすることで無事を確認できるので、離れた場所に住んでいる場合はいい活用法だと思います。
ウーバーイーツが47都道府県すべての都市部で配達のサービスを行なうようになったのが、5年前の21年。最近は県内5番目、6番目の街へエリアを拡大しています。「さすがに自分の実家のあるところにウーバーイーツは」と思うようなところでも、サービスエリア内なこともあります。地方ではピック・パック・ペイのサービスがないところもありますが、ローソンの商品の配達はどこでも対応しているので、水やお茶など重いものの注文は可能です。
私の両親もともに83歳。エレベーターなしのマンションの5階に住んでいるので、今後は配達だけでなく、注文する側としてもウーバーイーツを上手に利用したいと思います。