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ゴールデンウイーク期間中、高速道路は各地で渋滞が予想される。せっかくのドライブだけに、故障やトラブルは避けたい
ゴールデンウイークの道路は、普段あまり運転しない〝休日ドライバー〟が一斉に押し寄せ、毎年カオスと化す。そこで、普段クルマに乗らない人が見落としがちな安全運転の心得から車道で横行する〝無法運転〟の実情まで徹底解説!!
備えあれば憂いなし!
ゴールデンウイークが目前に迫った。この大型連休にドライブに出かける人は多いはずだが、高速道路では40㎞を超える大渋滞が各地で発生し、車内に閉じ込められたまま数時間動けなくなるケースも珍しくない。
そこに故障や事故が重なれば、状況は一気に緊迫する。ひとつ判断を誤れば、命にかかわる重大事故につながり、他人の命を奪う危険すらある。
実際、クルマの故障やトラブルによって、せっかくの大型連休が台無しになったという声も少なくない。
休日ドライバーに対して自動車ジャーナリストの桃田健史(けんじ)氏はこう警鐘を鳴らす。
「ゴールデンウイークに限らず、長期休暇中は普段あまりクルマに乗らない人が運転する機会が増え、整備不良によるトラブルが起きやすくなります。真夏ほど気温が高くないため、冷却系統のトラブルやタイヤのバーストのリスクは比較的低いとはいえ、油断は禁物です」
桃田氏は、基本中の基本としてこう続ける。
「日頃からディーラーや整備工場で定期点検を受けることが安全運転の前提です。その上で出発前にはタイヤの空気圧、ワイパーの劣化、ウオッシャー液の残量などを自分で、あるいはガソリンスタンドで確認しておきましょう」
さらに、この時期は渋滞対策も欠かせない。
「保存の利く食料や飲み物を少し多めに用意すること。毛布や携帯トイレ、モバイルバッテリーもあると安心です。また、急な雨の中でサービスエリアに立ち寄る場面も想定し、傘ではなくレインウエアを用意しておくと便利です」
自らハンドルを握り、日本中を撮影で走り続けてきた関西出身の金髪ラリーカメラマン・山本佳吾氏は、高速道路での心構えをこう説く。
「とにかくスピードを出さないこと。車間距離をしっかり取って、余裕を持って走るのが一番や。左右だけやなく、前後2、3台の動きまで見て、自分がどう動くかを考える。渋滞で止まるときも車間を空ける。それだけで助かる可能性はだいぶ上がるで」
桃田氏もうなずく。
「走行中は周囲のクルマとの距離に常に余裕を持つこと。特に渋滞中は後続車の挙動にも注意が必要です。バックミラーでドライバーがスマートフォンを操作しているなど危険な様子が見えた場合、可能であれば車線変更を行ない、追突リスクを下げる行動も必要です」
すでに渋滞が発生している状況では早い決断が鍵となる。
「早めにサービスエリアやパーキングエリアに入り、休憩を取ること。また、事前の渋滞予測を参考に出発時間やルートを検討し、複数の移動パターンやプランを用意しておく。場合によっては目的地の変更も視野に入れるといい。旅の一部として計画そのものを楽しめれば、気持ちにも余裕が生まれます」
モーターサイクルジャーナリストの青木タカオ氏は別の角度からこう注意を促す。
「バイクは車体が小さいため、高速道路などでは実際より遠くに見え、四輪ドライバーは無意識に車間を詰めがちです。その結果、十分な制動距離が取れず、追突したり、あおり運転と誤解される危険な距離になってしまう。ドライバーは二輪を見たら車間距離を意識してほしい」
一方、山本氏は〝想定外〟の事態への備えを強調する。
「逆走車に遭遇したこともあるし、『えらい小さいバイクやな』と思ったら原付が走っとったこともあった。一番驚いたんは、パンをかじりながら漫画読んで運転しとる営業車やな。クルマの横っ腹に会社名、しっかり入っとったわ」
今回の取材で特に多く聞かれたのが、高速道路の分岐点や出入り口で遭遇した恐怖体験だ。ナビの案内ミスに気づいて急ハンドルを切るクルマや、出口を間違えてバックで戻ろうとする危険な行為は、決して珍しくないという。
高速道路で最も危険なのは、自分自身ではない。こちらの常識が通じないドライバーの存在だ。だからこそ高速道路では、常にイレギュラーが起こりうることを前提に走る必要がある。
今年のゴールデンウイークは、東日本・西日本共に最高気温25℃以上の〝夏日〟が多くなる見込みだ。晴天時には30℃近くまで上がる地域もあり、4月末・5月上旬としては異例の暑さになる可能性もある。
すでに気象の専門家や医師は早めの熱中症対策を呼びかけているが、この暑さには見落とされがちな〝盲点〟もある。
製品事故を分析するNITE(ナイト/製品評価技術基盤機構)の製品安全広報課の担当者はこう警鐘を鳴らす。
「モバイルバッテリーなどリチウムイオン電池を使用した製品は熱に弱い特性があります。高温や直射日光の当たる場所に放置すると〝熱暴走〟が起き、最悪の場合は発煙や発火につながる恐れがあります」
炎天下の車内に放置されたモバイルバッテリーが発火する様子を再現した試験。車内温度の上昇をきっかけに熱暴走が起こり、逃げ場のない密閉空間で一気に火勢が強まった。日常的に起こりうるリスクであることがわかる(写真提供/NITE)
実はこの話、真夏だけの問題ではないという。
「これからの季節、車内は非常に高温になります。直射日光が当たるダッシュボード上では70℃を超えることも珍しくありません。モバイルバッテリーに限らず、カメラやノートPCなど、リチウムイオン電池を搭載した機器全般に注意が必要です。
また、『少し充電したままでいいか』と車内に置きっぱなしにするのは非常に危険ですので、クルマを離れる際は、こうした機器を車内に残さず必ず持ち出してください」
条件が重なれば、車両火災に至る恐れも。クルマを離れる際に機器を車内に残さないこと。この一点を徹底するだけで、リスクは大きく低減できる。
クルマを巡るリスクは、車内の管理だけではない。このゴールデンウイークに地方から都心に向かうドライバーにとって、見慣れない〝交通環境そのもの〟が新たな危険となることもある。
都内で配送業に携わる40代の男性はこう嘆く。
「ふたり乗りやローリング、クルマをあおってくる電動キックボード&違法モペットに、複数台でしゃべりながら走る訪日外国人のゴーカート集団......車道はまさに無法状態です。事故になればクルマ側の過失が大きく問われるので、気が抜けません」
訪日外国人観光客の間で、キャラクターの着ぐるみを着て車道をカートで走行する「公道カート」が観光名物となっている。楽しげな光景とは裏腹に、一般車両との混在による危険性を指摘する声も少なくない
さらに4月1日からは、自転車の交通違反に対する青切符制度も導入されたが、ルールを理解しないまま車道に出てくるケースも目立つ。ヘルメット未着用や手信号なしで走る自転車も多く、四輪ドライバーにとっては、いつ事故に発展してもおかしくない状況だ。
青木氏はこう指摘する。
「都市部は地方に比べて人もバイク(スクーター含む)も圧倒的に多い。二輪車の存在を常に意識してください。電動キックボードや違法モペット、訪日外国人の中には交通ルールを十分に理解していないケースもあります。
挑発されたように感じても幅寄せやあおり運転は厳禁。転倒すれば、重大事故に直結します」
安全面の不安に加えて、ドライバーの頭を悩ませるのが出費の問題だ。物価高が続く中、アメリカ・イスラエルとイランの紛争を背景に原油市場は不安定な状況が続いており、そこに大型連休の需要増が重なることで、ガソリン価格の上昇は避けられない情勢だ。
少しでも出費を抑えたい。そこで、〝燃費の鬼〟の異名を持つ前出の山本氏に、高速道路での燃費向上術を聞いた。
「基本はアクセル開度を一定に保つことや。無駄な加減速をせんのが、結局一番効く。長距離やったら、法定速度をきちんと守っとる大手運送会社のトラックの後ろを、十分な車間を取ってACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)で追従するのもアリやで」
ACCとは、速度や車間距離を自動的に一定に保つ運転支援システムで、高速道路でのドライバーの疲労軽減にも効果があるとされている。
「ACCは燃費が悪くなる言う人もおるけど、自力で完璧なエコドライブができる人なんて、ほんのひと握りや」
楽しい連休を台無しにしないためにも、ドライブ前には万全の準備と心構えを整えてハンドルを握りたい。クルマは状況次第で、〝走る凶器〟にもなりうることを忘れてはならない。