ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが喜劇との出会いを語る! ケラリーノ・サンドロヴィッチさんが喜劇との出会いを語る!

『さんまのスーパーからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』など、数多くの人気番組を手がけてきたバラエティプロデューサー角田陽一郎氏が聞き手となり、著名人の映画体験をひもとく『週刊プレイボーイ』の連載『角田陽一郎のMoving Movies~その映画が人生を動かす~』。

ミュージシャンや劇作家など多岐にわたって活躍するケラリーノ・サンドロヴィッチさんが登場!

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――人生で初めて見た映画は?

KERA 3歳頃に映画館で見た『フランケンシュタインの怪獣 サンダ対ガイラ』(1966年)ですね。でも、冒頭3分くらいしか見てない。サンダとガイラが出てくる前に大ダコが船を沈めるシーンがあるんだけど、そのタコに驚いて舐めていたあめをのどに引っかけて外に出て病院に行ったんですよ(笑)。

ちゃんと覚えているのは『長靴をはいた猫』(1969年)。確か池袋の映画館に母親と行って。当時は知らなかったけど、この作品には小説家の小林信彦がギャグ監修として参加していて。だから、大人になってからも何度か見直しているんです。

――喜劇との出会いはいつですか?

KERA 小学校4年生のときにチャップリンの連続リバイバル上映があったんです。チャップリンって今や遠い昔の人というイメージだけど、当時はまだ存命だったし、上映された作品の中には50~60年代前半の映画もあった。

それほど昔の映画とは思わなかったんですよね。それで小学校4年生の12月に『モダン・タイムス』(1936年)を初めて見ることになって。

――すごい記憶力ですね(笑)。

KERA それがあんまりにも面白くて、早く次の『街の灯』(1931年)を見たいと思ったんだけど、「連続上映」って触れ込みなのになかなか上映しなくて。映画館に電話しても「配給会社に聞いてみて」と言われ、そこから週イチで電話して、「またあの子供から電話かかってきたよ」みたいになって、結局、上映されたのは翌年の夏でした(笑)。

――1年近く間が空いたと(笑)。

KERA 全然連続じゃない(笑)。でも、チャップリン特集が当たったことで、その後にバスター・キートン特集が始まったんです。幸いにもこちらは3ヵ月連続で上映されました。『海底王キートン』(1924年)に『キートンのセブン・チャンス』(1925年)、そして『キートンの船長』(1928年)というラインナップだったんですけど、見事に打ちのめされて、一気に喜劇の世界にのめり込みました。

あと、ジュネス企画というクラシック映画の輸入販売をしていた会社が渋谷の道玄坂にあって、三大喜劇王以外のコメディ作品を売っていたので、中学生の頃に週2くらいで通ってましたね。でも、何時間も居座るのにお金がなくて買えず、試写を見せてもらってたりしていて......今思うと迷惑な子供だったと思います。

――喜劇にハマった結果、俳優と監督のどちらに憧れました?

KERA 両方でしたね。チャップリンもキートンも自分で監督して演じていたから、そういうものだと思ってたんです。当時は映画を見るだけじゃ飽き足らずに、小林信彦さんが中原弓彦名義で書いた『世界の喜劇人』や『マルクス兄弟のおかしな世界』を読んだりもしていたし、小学校5年生くらいには8ミリ映画を撮り始めていましたね。

後で見返すと、ただ子供がふざけているだけのフィルムなんですけど、本人はチャップリンやキートンになったつもりでした。小学校の卒業文集にも将来の自分の姿は「喜劇映画の監督」って書いたくらいですからね。

★後編⇒角田陽一郎×ケラリーノ・サンドロヴィッチ(ミュージシャン・劇作家)「テクノやニューウェイブのムーブメントにずいぶんショックを受けた」

●ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERALINO SANDROVICH)
1963年生まれ、東京都出身。ミュージシャン、劇作家、俳優、映画監督など幅広く活動。レーベル「ナゴムレコード」、劇団「ナイロン100℃」を主宰する

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