NBAで存在感アップ!! 河村勇輝、八村 塁のレギュラーシーズンを総括

取材・文/杉浦大介 写真/アフロ

ブルズの河村は、開幕前の離脱から復帰後にGリーグで結果を残し、NBAでもより大事な場面での起用が増えたブルズの河村は、開幕前の離脱から復帰後にGリーグで結果を残し、NBAでもより大事な場面での起用が増えた

八村 塁、河村勇輝という日本が誇るふたりのNBAプレーヤーは、すでに2025-26レギュラーシーズンを終えている。八村が所属するロサンゼルス・レイカーズは、ウエスタン・カンファレンスの4位に入り、ヒューストン・ロケッツと対戦するプレーオフ第1ラウンドの真っ最中。

一方、河村が2ウェイ契約(NBAとマイナーリーグを期間限定で行き来できる契約)を結んだシカゴ・ブルズは、イースタン・カンファレンスの12位となり、今季を終了した。

河村にとってアメリカでの2シーズン目は、大きな収穫を手にした時間になっただろう。開幕前には、右足のふくらはぎと足首に血栓ができ、一時は契約解除を告げられ、そのキャリアに暗雲が立ち込めたかと思われた。

しかし1月中旬に復帰すると、Gリーグでは11試合で平均18.7得点、11.0アシストという好成績をマーク。NBAでも18試合で平均3.4得点、2.6アシストと、1年目に比べてほぼすべてのカテゴリーで数字をアップさせた。

「去年、メンフィス(・グリズリーズ)にいたとき以上に、『コートに出たらやれるんだ』という気持ちは強くなっています。自分自身のプレーに対する評価のハードルも高くなっていますね。

昨季は『3ポイントシュート(3P)を1本決めたら合格点かな』と思えたのが、今では『まだまだやらないといけない』という気持ちです。高い目標を掲げ、自分にもより厳しくできていることが、成長につながると思っています」

グリズリーズの2ウェイ契約選手としてシーズンを過ごした昨季の河村は、ゲーム終盤、〝ガーベッジタイム(大差がついて勝敗が決した試合の残り時間)〟での出場が多かった。それが今季は、より大事な時間帯にプレーする機会が増えた。

ベンチからコートに入って全力プレーし、チームにエナジーを与える〝ゲームチェンジャー〟の役割が確立されたことが最大の収穫だろう。

稀有なスピードとパスワークを武器に、ハイライトシーンを生み出す河村の司令塔としての魅力は健在。それに加え、ウエイトトレーニングのかいもあって体が強くなり、ディフェンスが強化されたのも大きかった。

「2シーズン目ということで、NBAの強度に慣れつつあります。相手のオフェンスとの駆け引きなども良くなっていますし、それらがディフェンス向上につながっているのでしょう」

もちろん身長173cmと小柄であるがゆえに、ディフェンスは継続的に努力が必要ではある。それでも、最大のマイナス要素を徐々にでも軽減できているのであれば、今後にも期待は膨らむ。「3年計画」を掲げていた河村だが、2年目もまた一歩前に進んだ。

「バスケットボールはチームスポーツなので、とにかくチームの勝利に貢献できるプレーヤーであることを証明したい。目に見えるスタッツだけではなくて、チームに流れを呼び寄せるプレーをやっていきたいです」

目を輝かせながらそう意気込みを語った24歳は、今夏は日本代表の一員として、W杯アジア予選に参加することにも意欲を示している。また、次にどこのチームと契約しても、7月のNBAサマーリーグにも出場することになるだろう。勝負の3年目に向け、2年目の今季に得たものは大きな意味を持ってくるに違いない。

主力にケガ人が多いレイカーズを攻守で支えた八村。プレーオフ後にFAになるため、来季の去就も注目される主力にケガ人が多いレイカーズを攻守で支えた八村。プレーオフ後にFAになるため、来季の去就も注目される

一方で八村は、今まさに大勝負のときを迎えている。

現地時間4月18日にロサンゼルスで行なわれた、ヒューストン・ロケッツとのウエスタン・カンファレンスのプレーオフ第1ラウンド初戦では、14得点を挙げて勝利に貢献した。ディフェンスも精力的にこなし、ロケッツの選手たちを自由にさせなかった。4戦先勝制のシリーズのため先は長いが、取りあえず幸先のいいスタートを切ったことは間違いない。

レイカーズと結んだ3年5100万ドル(約80億円)契約の最終年となった今季、八村は68試合に出場し、平均11.5得点(FG成功率51.4%)、3.3リバウンド、0.8アシストと、まずまずの成績を残した。

特に3Pの精度が高く、成功率44.3%は今季のNBAで5位にランクイン。レイカーズの歴史においても、2008-09シーズンにウラジミール・ラドマノビッチが記録した44.1%を上回る史上1位という快挙だ。

ルカ・ドンチッチ、オースティン・リーブスという主力が故障離脱したシーズン終盤はチーム内での序列も上がり、シーズン最後の5試合では平均16.6得点、5.2リバウンド、3P成功率も61.1%と大活躍だった。

「(終盤戦は)特にルカ(・ドンチッチ)とリーブスがいなかったことで、少し違うプレーになりました。でも、自分の役割を理解していたし、やるべきことも理解できていたと思います。最終的な目標もわかっているし、このまま続けていくだけです」

八村は謙虚にそう述べたが、NBA7年目にして確かな実力をアピールした充実の1年だった、と言っていいだろう。このまま今夏のFAマーケットに出れば、複数のチームから3~5年の複数年契約のオファーを受けることも有力。プレーオフで印象的な活躍をすれば、総額1億ドル近い金額を手にする可能性もある。

だからこそ、チーム内にケガ人が多い状態で迎えたポストシーズンは大事なステージなのである。

「プレーオフでも自分の役割は変わらないでしょう。アグレッシブにプレーして、オフェンスではシュートを打つこともそうですが、オフェンスリバウンドも頑張る。ディフェンスでも体を張る、ということを続けるだけです」

レイカーズの一員としては最後になるかもしれないプレーオフへの決意を語った八村の行く手に、どのような運命が待ち受けているのか。〝日本バスケ界の至宝〟と呼ばれ続けてきた28歳は、自身のキャリアの分岐点となる数ヵ月間を迎えようとしている。

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