いざ、球場観戦へ! その時に注目したいポイントは?【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第214回

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作

球場観戦の注目ポイントについて語った山本キャスター球場観戦の注目ポイントについて語った山本キャスター

プロ野球が開幕して1ヶ月半が経ちました。春の陽気も気持ちよく、観戦に適した気候になってきましたね。スタジアムで飲むビールの、なんと美味しいことでしょう。

セ・リーグではヤクルトがスタートダッシュに成功したことが話題になりましたが、カードが一周して、ある程度各チームの戦力が見えてきたでしょうか。

調子が上がるまでもう少し時間がかかる選手もいるでしょうが、投手は登板数や球数が、野手は打席数が増えて、今年はどう戦っていくのかが見えてきたと思います。ある意味で、本格的にシーズンがスタートした、と言ってもいいかもしれません。

スタメンを固めているチームもありますが、まだまだ"試す"ことができる時期でもあります。若手選手がチャンスをもらえることもあり、ヤクルトですと高卒2年目の田中陽翔選手がしっかりと起用に応えて活躍しています。

そんな時期だからこそ、球場に行くことをお勧めします。誰を応援したらいいのかわからないという方も、それでもいいんです。決めずに観戦して、運命の出会いに期待する。球場でときめく瞬間がきっとあるでしょう。

打席に立った時のシルエット、準備運動のリラックスした様子、キャッチボールのしなやかさ、真剣にアップに取り組む姿など。グラウンドでの"たたずまい"にも選手の個性があります。映像ではなかなか映らないところまで見ていくと、目が離せなくなる選手にきっと出会えるはずです。

ここで、普段はあまり球場には行かないという方に注目していただきたいポイントを、いくつかご提案できたらと思います。

1.ネクストバッターズサークル

次に打席に立つ選手が準備をする円形のエリアです。右打者があえて左打ちでスイングをしたり、じっと相手投手を観察したりする選手もいます。選手によってルーティンが決まっているので、それを観察するだけでも面白いです。

2.キャッチボール

早めに球場に行って、練習を見るのもオススメです。グラウンドに出てくる時間などにも選手の個性が出ます。

また、誰と誰が組んでキャッチボールをしているかで、選手同士の関係性もわかってきます。ヤクルトでいえば、オスナ選手とサンタナ選手は入団当初から気心が知れた仲なんだとわかりますし、よくペアを組んでいる内山壮真選手と伊藤琉偉選手は同級生だったりします。

また、攻守交代時などに、ベンチ寄りの外野手は控えの選手とキャッチボールをするのですが、その相手にも注目です。選手の関係性が見えると、試合中のちょっとしたやりとりの内容を推測するのも楽しくなります。

今年も日米さまざまな球場に足を運びたいです。こちらは3月のマイアミ!今年も日米さまざまな球場に足を運びたいです。こちらは3月のマイアミ!

3.選手との距離の近さ

神宮球場を例にとると、ブルペンが外にあるので、リリーフ陣がみんなで試合を見ているシーンが間近で見られます。まるで、一緒に試合を観戦しているのかと錯覚してしまうほど。時には選手の話し声までも聞こえてくるので、ブルペンの上の席が人気なのもわかります。

どの球場も外野席は選手との距離が近いので、声援に対する反応を見ることもできます。メジャーでは、ジャッジ選手やタティスJr.選手がファンに話しかけられてリアクションしたり、そういう交流がよく見られます。

4.テレビ中継が追わないシーン

ネクストバッターズサークルもそうですが、試合中にテレビ中継ではなかなか映らないシーンに注目です。山野太一投手が出塁した時に、肩が冷えないように丸山和郁選手がジャンパーをベンチに要求したシーンは印象的でした。そういう気配りができる選手ですから、これから活躍の場も増えるはずです。

野手の動きにも注目です。守備位置を変更したり、選手同士で指示を出し合ったりと、1球ごとに細かな動きがあります。

あとは、カバーリング。打者がセカンドゴロを打った際、キャッチャーはセカンドがファーストに送球する間に、悪送球に備えてバックアップに走ります。また、サードゴロなどの際は、ライトがバックアップに動く(もちろん状況によりけりです)など、自分のところに打球が飛んでこない場面でも、野手にはさまざまな役割があることがわかります。

あえて、ひとりの選手に注目するのもいいかもしれません。内野手だったら、インパクトの瞬間などに小さくステップを踏んで打球に備えているのがわかります。ランナーの場合は、盗塁を仕掛ける駆け引きも見どころです。

野球はテレビ中継や動画配信コンテンツで見られるのに、なぜ球場に足を運ぶのかと、疑問に思う方もいるかもしれません。しかし球場には、さまざまな情報が転がっているのです。

右を見ても左を見ても、グラウンドの外でも、野球に関する情報が溢れていて、それを吸収するだけでお腹がいっぱい。スタジアムのことをボールパークとも呼びますが、まさに野球好きにはたまらない空間なのです。

どこの球団もファンが楽しめるような工夫をしていますので、球場に足を運んで、プライスレスな体験をしてみてはいかがでしょうか。

それでは、また来週。

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★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週金曜日朝更新!

  • 山本萩子

    山本萩子

    やまもと・しゅうこ

    1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン。

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