ナフザ不足でポテチのパッケージを白黒に! 投資先として白黒つけてみたい【坂本慎太郎の街歩き投資ラボ】

構成/西田哲郎 撮影/榊 智朗

 1949年に広島県で創業。2011年、東証1部に上場。社名はカルシウムの「カル」とビタミンB1の「ビー」を組み合わせた造語1949年に広島県で創業。2011年、東証1部に上場。社名はカルシウムの「カル」とビタミンB1の「ビー」を組み合わせた造語

『週刊プレイボーイ』で連載中の「坂本慎太郎の街歩き投資ラボ」。株式評論家の坂本慎太郎とともに街を歩き、投資先選びのヒントを探してみよう。金のなる木はあなたのすぐ近くに生えている!

今週の研究対象 
ポテチのパッケージ白黒化(カルビー)

カルビーは、ポテトチップスをはじめとする主力商品のパッケージを白黒に変更。大胆すぎる決断が話題となった。これを機に、カルビーのビジネスモデルをおさらいしよう!

助手 カルビーのポテトチップスの袋が、ナフサ不足でモノトーンになるらしいですね。

坂本 最初は冗談かと思ったよ。こだわりが強い、あのカルビーがねぇ。

助手 ポテチって、袋の色で味を覚えてるじゃないですか。コンソメパンチはオレンジ、のりしおは緑とか。モノトーンになると売り上げに響きそうですよね。

坂本 そういう可能性もある。せっかくだから今回はカルビーを検討してみよう。さっきの話に戻ると、カルビーはこだわりが強い会社なんです。例えば、今では当たり前のようにポテチの袋に使われているアルミ蒸着フィルムも、1983年にカルビーが業界に先がけて導入しました。光や酸素、湿気に弱いポテチの品質を守りたいってことでね。そういう企業だからパッケージデザインにもこだわりがあるはず。それを変えるとは、よほどのことですよ。

助手 へぇー。こだわりがある会社ってなんか信用できますね。

坂本 まぁ、いい面ばかりじゃないけどね。こだわりは原料にもある。カルビーにとってジャガイモは、ただ安く買ってくる材料じゃない。特に北海道産には強いこだわりがあって、産地や品種、貯蔵方法まで指定して"いつもの味"にしているんです。これは消費者にとっては安心感につながるけど、われわれ投資家にとっては業績の下振れリスクが高まるってことです。

助手 なんでリスクなんですか?

坂本 いい原料にこだわるほど、足りないときに切り替えにくいからね。例えば、2016年は北海道で台風上陸が相次ぎ、畑の冠水などでジャガイモの収量や品質に影響が出ました。ポテチ用のジャガイモは秋に収穫して翌年春まで使うから被害は時間差で出るんだけど、実際、2017年には原料不足で一部商品が販売休止になった。生産量が減れば売り上げ機会を失うし、原料の品質が落ちれば工場で使えない部分が増えて1袋のコストも上がります。

一方で別の産地や輸入品で補えば、物流費や調達費が重くなって利益を圧迫する。つまりカルビーへの投資は、台風などの天候不順で業績が下振れるリスクと背中合わせってことなんです。まぁ、台風が多かった年は投資しないって手もあるかもしれないけど。

助手 なるほど。投資家としては、こだわりを捨ててもガツガツ利益を取りにいってくれたほうが......。

坂本 それは難しいんじゃないかな。品質へのこだわりが、カルビーをスナック菓子の国内最大手に押し上げたという面もあるだろうから。最近では契約農家との調整や貯蔵・調達の工夫で天候リスクを和らげる工夫もしているから、10年前ほど天候リスクは大きくないはずです。加えて地域限定商品や健康志向の商品といった高付加価値品も増やしているから、利益の取りやすさも以前より改善されていると思います。

助手 時代に合わせて進化してると。

坂本 そう。さらに次の成長の柱として海外事業の拡大に取り組んでいる。北米では健康志向の豆のスナックやアジアンスタイルチップスなどに力を入れています。まだ国内での稼ぎを海外に回している段階で、すぐに利益が跳ねるわけじゃないけど期待はできる。

助手 投資してもよさそうな気が。

坂本 直近も利益は横ばいだから、焦って買う必要はないよ。ただ、国内最大手の安心感はあるし、海外展開も面白い。一時的に売られる局面があれば投資してみるのもアリです。

今週の実験結果
台風の予報を見てカルビーの株価を先読みし、投資するというテクがあります

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  • 坂本慎太郎

    坂本慎太郎

    さかもと・しんたろう

    こころトレード研究所所長。ハンドルネームは「Bコミ」。日系の証券会社でディーラー、大手生命保険会社で株式、債券のファンドマネジャー、株式のストラテジストを7年間経験。ラジオNIKKEIや日経CNBCなどの投資番組へのレギュラー出演多数。著書に『プロ投資家が教える副収入1000万円の最短コース』(BEST TIMES books)など
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