森保ジャパン"W杯フィーバー"で爆上がり! 史上最強メンバーが続々とステップアップへ!

取材・文/オグマナオト 写真/時事通信社 共同通信社

移籍金約92億円と報じられる佐野。プレミア・ニューカッスルが熱視線を送っているという移籍金約92億円と報じられる佐野。プレミア・ニューカッスルが熱視線を送っているという
オランダと引き分け、ブラジルと善戦するなどW杯で躍動し、世界を驚かせた日本代表。"史上最強"の呼び声も高い森保ジャパン戦士たちの市場価値も燃え上がるように急上昇中だ!

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【名門移籍の噂も流れるアタッカー】

W杯は、いわば選手の見本市。この大会で評価を高めた若手選手がビッグクラブへ一気にステップアップすることもあれば、中堅やベテラン選手であっても再評価につながる可能性は十分にある。

実際、W杯メンバーの肩書を引っ提げ、すでに移籍を実現させたのが、日本代表の後藤啓介だ。昨季、期限付き移籍先のベルギー・シントトロイデンでチーム最多11ゴールを決めたストライカーは、W杯開幕戦の前日、日本時間6月11日にドイツ・フライブルクへの移籍が決まった。

「フライブルクは昨夏も日本代表の鈴木唯人を獲得し、今年5月にはパリ五輪代表の山本理仁(りひと)を獲得。堂安律(現フランクフルト)もフライブルクで活躍した実績がありますし、日本人選手は安心銘柄として見られているようです」

W杯開幕直前にドイツ・フライブルク移籍が決定した後藤。昨季ベルギーで11得点と飛躍W杯開幕直前にドイツ・フライブルク移籍が決定した後藤。昨季ベルギーで11得点と飛躍
こう答えてくれたのは欧州移籍市場に詳しいスポーツニッポンの垣内一之記者。今年3月に書籍『あまりにも詳しすぎる! Jクラブ補強通信簿2025-2026』(徳間書店)を上梓(じょうし)し、世界的サッカージャーナリストのファブリツィオ・ロマーノになぞらえた"カキーノ"の愛称で知られる識者に、後藤の評価についてさらに詳しく解説いただこう。

「もちろん、日本人銘柄というだけで移籍金1100万ユーロ(約20億円)の評価にはつながりません。身長191㎝とサイズがあり、21歳という若さゆえのポテンシャルや伸びしろも期待しているはず。ビッグマウスな一面もあるので、より大きな舞台で活躍してほしいです」

後藤と同じ21歳のフォワード、塩貝健人はどうか?

「所属するヴォルフスブルクはドイツ2部への降格が決まっています。となると、クラブが期限付き移籍を容認し、レンタル先で評価を上げて高く売る戦略を取る可能性はあります」

オランダ戦で鮮烈なゴールを決めた中村。イタリアの名門ローマ移籍の噂も浮上しているオランダ戦で鮮烈なゴールを決めた中村。イタリアの名門ローマ移籍の噂も浮上している
攻撃陣ではオランダ戦でのゴールが鮮烈だった中村敬斗(フランス2部スタッド・ランス)も移籍市場で注目のひとりだ。

「中村は以前からステップアップを目指したいと公言していましたが、2部からの昇格を目指していたクラブにとっては絶対的戦力。スポンサーの意向もあって昨季は移籍がかないませんでした。しかし、この夏は適切なオファーが来れば移籍できるはずです」

その移籍候補として噂されるのは、イタリアの名門ローマだ。

「ローマのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督は日本代表と同じ3バック志向で、WB(ウィンドバック)が鍵を握ります。中村は日本代表でWBもシャドーもこなしており、候補リストには当然挙がってくる。

ガスペリーニ監督は全権監督と言っていいほどクラブに対して影響力があり、その監督が『欲しい』となれば一気に話が進むかもしれません。クラブとしても、日本のマーケットを狙う意味で興味があるようです」

19歳でバレンシア移籍が報じられるFC東京の佐藤龍之介。「久保2世」との呼び声も高い19歳でバレンシア移籍が報じられるFC東京の佐藤龍之介。「久保2世」との呼び声も高い
今回のW杯メンバーの座を逃したものの、FC東京で躍動する19歳の佐藤龍之介にも注目だ。スペイン・バレンシアへの移籍が報じられている。

「Jリーグの若手選手の中で、欧州スカウトからの評価が特に高いのが佐藤で、オランダ・フェイエノールトも獲得を目指していたようです。一部報道では『U-23契約になるのでは?』という声もありましたが、私はトップチームに加入するとみています。

また、バレンシアのオーナーであるシンガポール人実業家のピーター・リム氏の影響もあり、アジア戦略を重視したい狙いもあるようです。久保建英(たけふさ/レアル・ソシエダ)本人が『昔の自分を見ているような気分』と語るプレースタイルなので、スペインでどんな結果を残すのか楽しみです」

その久保も毎年のように移籍の噂があがる。

「久保自身に移籍の意向はあるものの、契約がまだ2年ある。できるだけ高く売りたいソシエダ側は、この夏はまだ売り時ではない、という考えのようです。W杯で大活躍して価値が跳ね上がればまだ可能性もありましたが......。ケガでそのアピールの機会が減ってしまって残念です」

【日本人ボランチの評価急騰!】

今や日本の武器と言える豊富なボランチ陣はどんな評価なのか。目玉はなんといっても佐野海舟(ドイツ・マインツ)だ。

「W杯開幕前の時点で、移籍金相場は5000万ユーロ(約92億円)と報じられており、W杯でのパフォーマンス次第ではさらに跳ね上がりそうです。この額を出せるのはプレミアリーグ以外ありません」

いくつか候補が挙がる中で、カキーノ氏はニューカッスルに注目する。

「主力選手のイタリア代表サンドロ・トナーリに対し、トッテナムが熱烈ラブコールを送っていて、そのほかのビッグクラブも狙っているようです。

もし動けば中盤の補強は必須で、佐野に白羽の矢が立つ可能性は大いにあります。佐野は性格が内向的と聞くので、大都市のクラブよりも中規模都市のニューカッスルが合いそうです」

W杯直前にイタリアの名門ミランへの移籍説が浮上していた鎌田大地(クリスタル・パレス)はどうなるのか。

「移籍説の発端は、昨季までクリスタル・パレスを指揮していたオリヴァー・グラスナー監督がミランの新監督になりそうだと報じられたから。ただ、結局この話はなくなりました。

パレス側としても、鎌田加入以降2季連続でタイトルを獲得したこともあり、鎌田に対する評価は高い。このまま残留しそうです」

ちなみに、ミランの新監督にはポルトガル・スポルティングやマンチェスター・ユナイテッド(マンU)で指揮を執ったルベン・アモリムが就任することに。スポルティングでは守田英正と師弟関係だったことを考えると、逆に守田のミラン移籍の可能性も?

「イタリアメディアは『アモリムが連れてきたい選手リスト』を報じていますが、その中に守田の名前は入っていません。それよりも、フラムやコベントリーといったプレミア勢が興味を示しているという情報を耳にします」

レアル移籍説も浮上する守田。名将モウリーニョが以前から高く評価しているというレアル移籍説も浮上する守田。名将モウリーニョが以前から高く評価しているという
守田といえば、気になるのはレアル・マドリード移籍説。レアルの新監督に決まった名将ジョゼ・モウリーニョが以前から守田に興味を示していた点が移籍説の発端だが、実際のところはどうなのか。

「モウリーニョが気に入っているのは確かですが、位置づけとしては5番手くらい。トップチームで試合に出るとなると厳しい序列です。それでも、レアルの一員になれるチャンスなんて超レアケース。守田としても選択肢から消したくないはず。その前に来るであろうプレミアからのオファーを選ぶか、待つのか。タイミングが重要です」

ボランチでは田中碧(あお/リーズ)も移籍の噂がたびたび報じられているひとり。リーズでは一時期出番のない日々を過ごしながら、シーズン終盤にレギュラーの座を奪還。プレミア残留の立役者となっただけに、クラブ側も田中本人もどんな思いでいるのか。

「本人が出たがっているとの情報もあれば、クラブを気に入っているという声もあるなど、取材先によって出てくる話が変わります。一部報道では、リーズが守田獲得に興味、という情報もありましたが、私が確認する限り、日本人をかぶせることはないはずです」

大会直前に代表を離脱し、代表引退まで宣言した遠藤航(わたる/リバプール)には、サウジアラビアの複数クラブが熱視線、という報道がある。

「リバプールとはまだ契約が1年残っていますが、『W杯まではビッグクラブで高みを目指す』というのがひとつのモチベーションだったはず。

サウジアラビアは8年後の2034年W杯開催が決まっていて、そのアンバサダー的に各国のスター選手を集めているので、ない話ではありません」

22歳でドイツ・ボルシアMGへの完全移籍が決定した宇野。4年後のW杯メンバー入りを目指す22歳でドイツ・ボルシアMGへの完全移籍が決定した宇野。4年後のW杯メンバー入りを目指す
欧州で評価を高める日本人ボランチが次々に出てくるからか、Jリーグ所属の若手ボランチへの注目度も高まっている。ドイツ・ボルシアMGへの完全移籍が発表された宇野禅斗(ぜんと/清水エスパルス)もそのひとりだ。

「5月末に足首を負傷して心配されましたが、移籍には影響がなかったようです。Jリーグの若手ボランチでは、京都サンガの尹星俊(ユンソンジュン)を『佐野海舟の後釜』としてマインツが狙っている情報もあります。

彼は韓国U-18に選ばれた経歴がありますが、本人は日本国籍を取得して日本代表入りを目指しているそうです。次々とボランチで新たな才能が出てくるのは頼もしい限りです」

宇野や尹だけでなく、ドイツクラブのJリーグ勢や日本人選手への注目度はますます高まっている。

「かつて香川真司(現セレッソ大阪)がドルトムントで活躍したことで、ドイツでの日本人選手の評価が高まった時期があります。そして今、佐野らの活躍によって、また日本人への評価が高まっている。中盤だけでなく、小川航基(オランダ・NEC)もドイツでプレーしたい意向があるようで、需要と供給がどうマッチするのか、ますます注目です」

【W杯で堅守が光った守備陣の評価はどうか?】

アヤックスとの契約が6月末で切れる冨安。W杯での堅守で再び評価を高めているアヤックスとの契約が6月末で切れる冨安。W杯での堅守で再び評価を高めている

冨安健洋はオランダ・アヤックスとの契約が6月末で切れるため、この先どんな選択をするのか。W杯で強度の高いプレーを継続してこなせることを証明できれば、引く手あまたのはず。本人としてはイタリア復帰も視野に入れているようです」

今大会で3バックの中央を務めた谷口彰悟(シントトロイデン)は34歳。年齢的にJリーグ復帰か?と思いきや選択肢は複数あるという。

「古巣の川崎フロンターレとV・ファーレン長崎がオファーを出しているようですが、本人はまだまだ海外志向。守備の整備が急務なのにいい選手を獲得できなかったクラブからのオファーや、同じベルギーリーグの上位クラブが声をかける可能性もあります」

日本代表では3バック中央を担う34歳の谷口彰悟。Jリーグ復帰よりも海外挑戦継続か日本代表では3バック中央を担う34歳の谷口彰悟。Jリーグ復帰よりも海外挑戦継続か2年前にドイツ・バイエルンへ加入した伊藤。サウジアラビアの有力クラブが狙う2年前にドイツ・バイエルンへ加入した伊藤。サウジアラビアの有力クラブが狙う
伊藤洋輝(ひろき/ドイツ・バイエルン)も移籍の噂が絶えない。

「シュツットガルトからバイエルンに移籍する際、2350万ユーロ(約44億円)の移籍金がかかっています。普通に考えれば、クラブとしてはその買った値段よりも高く売りたい。遠藤を狙うクラブがあるように、サウジアラビアの有力クラブは伊藤を狙っているようです」

そして、この夏の移籍市場でも特に注目を集めそうだとカキーノ氏が注目するのが鈴木彩艶(ざいおん/イタリア・パルマ)だ。

「リーズとアストン・ヴィラ、マンUのプレミア勢が興味を示しているようです。マンUは彩艶が浦和レッズ所属だった頃からポテンシャルに期待して評価していましたし、リーズも日本人への評価は高い。ただ、個人的に注目しているのはアストン・ヴィラです」

欧州強豪も獲得に興味を示すとされる鈴木彩艶。プレミアのアストン・ヴィラ移籍が有力か欧州強豪も獲得に興味を示すとされる鈴木彩艶。プレミアのアストン・ヴィラ移籍が有力か
アストン・ヴィラは昨季、クラブ史上初のヨーロッパリーグ制覇を達成。プレミアリーグも4位と好成績を収めた。

「彩艶が重視するのは正GKとして見てくれるかどうか。アストン・ヴィラは正GKだったアルゼンチン代表エミリアーノ・マルティネスがユベントスに移籍するんじゃないかといわれており、その移籍が決まればより動きは活発化するはず。

また、監督も強化担当もスペイン人で、彩艶の代理人がスペイン語に堪能という点も注目。ただ、彩艶としてはイタリア国内移籍も選択肢に入れているようです」

移籍交渉は大物選手の動向次第で、玉突き的に一気に動き出すことも珍しくない。また、ここからのW杯での各選手のアピール次第で、情勢が急変する可能性も。

各選手の「人生をかけた就職活動」という意味でも、北中米W杯からますます目が離せない!

  • オグマナオト

    オグマナオト

    おぐま・なおと

    1977年生まれ。福島県出身。雑誌『週刊プレイボーイ』『野球太郎』『昭和40年男』などにスポーツネタ、野球コラム、人物インタビューを寄稿。テレビ・ラジオのスポーツ番組で構成作家を務める。2022年5月『日本野球はいつも水島新司マンガが予言していた!』(ごま書房新社)を発売。

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