高橋ヨシキ
たかはし・よしき
高橋ヨシキの記事一覧
デザイナー、映画ライター、サタニスト。長編初監督作品『激怒 RAGEAHOLIC』のBlu-ray&DVDが発売中。
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© Universal Studios. All Rights Reserved.映画には何ができて、そして何ができないのか、本作を観ると良く分かる。
この映画は基本的にはヒッチコック風のサスペンスに満ちた追跡劇で、まさに「映画ならでは」の緊迫感やハラハラする感覚は存分に堪能することができる。
ありとあらゆる映画的技巧を操るスピルバーグ監督の手つきは鮮やかで、そこには映画的興奮が詰まっている。
一方、キャラクターはどれも書き割り同然だし、軍事的緊張が世界的に高まる中、「高度な存在」たる宇宙人が人類を導いて状況を打破してくれる(はずだ)、という物語にも新味はない。
同一のテーマを描いたSF映画の古典『地球の静止する日』(1951年)の切実さや奥行きを考えたとき、本作の薄っぺらさは一目瞭然だ。
それにニューエイジ的な枠組みにおける「神」の代替物として宇宙人に希望を託すというのは、スピルバーグ自身が49年前、『未知との遭遇』で既にやっていたことでもある。
要はスピルバーグほどの技量をもってしても、つまらないアイディアを面白い映画にすることはできないということだが、本作は原案を手掛けたのもスピルバーグ自身ということで、今回は彼の美点でもある幼稚さが良くない形で露呈したと言うこともできよう。
STORY:サイバーセキュリティの専門家であるダニエルは、謎の組織から機密情報を盗み出す。一方、気象予報士を務めるマーガレットは、自身の身に突如起こった異変に戸惑っていた。ふたりはやがて世界を揺るがす衝撃的な真実を知る
監督:スティーヴン・スピルバーグ
出演:エミリー・ブラントほか
上映時間:145分
全国公開中