
青木タカオ
あおき・たかお
青木タカオの記事一覧
モーターサイクルジャーナリスト。著書に『図解入門 よくわかる最新バイクの基本と仕組み[第4版]』(秀和システム)など。『ウィズハーレー』(内外出版社)編集長。YouTubeチャンネル『バイクライター青木タカオ【~取材現場から】』を運営。
CBR400R FOUR E-Clutchを公道で徹底チェック! 青木氏が感じた、その実力とは!?
ホンダの初代CBR400R登場から40年。最新の直4エンジンと最新技術をぶっ込んだCBR400R FOUR E-Clutchが、先月ついに爆誕! その走りの実力を、モーターサイクルジャーナリストの青木タカオ氏が公道で徹底チェックしてきた!!
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――今回のCBR400R FOUR E-Clutch(イークラッチ:発進や変速、停車のときにクラッチを自動で操作してくれるので、クラッチレバーを握らずに走れるシステム)の実車を見て、いかがでしたか?
青木 今回の新型は、単純に昔のCBR400Rを復活させたわけではありません。ホンダは8月に兄弟車のCB400 SUPER FOUR E-Clutch(通称スーフォア)も登場させています。CBはネイキッド、CBRはスポーツ。同じエンジンと基本骨格を共有しながら、2台のキャラクターを明確に分けた。そこが面白い!
――そもそもCBR400Rは、どんな歴史を持つモデル?
青木 初代CBR400Rが登場したのは1986年です。NC23型で、水冷399ccのDOHC直列4気筒を搭載。当時のホンダが「近未来フォルム」のスーパースポーツとして送り出したモデルで、車体の大部分をフェアリングで包み込んだスタイルも含め、かなり先進的な400ccだったんです。
――当時は直4の400ccスポーツが盛り上がっていた時代だったそうですね?
青木 ヤマハのFZR400、スズキのGSX-R400、カワサキのGPZ400Rなどがそろった、まさに群雄割拠の時代ですね。CBR400Rはアルミ製ツインチューブ・ダイヤモンド式フレーム、フルカウル、セパレートハンドルという、本格的なスポーツバイクの装備を採用したモデルでした。
――そのスポーツ性は、さらに先鋭化していったとか?
青木 はい。1987年にはCBR400RRが発表され、さらにスポーツ性を高めていきました。レーシングマシンを思わせるスタイリングに進化し、フレームからスイングアーム、ホイールまでアルミ製とするなど、徹底してスポーツ性能を追求していった。
――ところが、こうした400cc直4モデルたちは次第に姿を消していきました。
青木 排出ガス規制などの影響が大きく、400ccクラスを取り巻く市場環境は変わりました。4気筒は2気筒に比べて構造も複雑ですし、燃費や排ガス対策を含めて造り続けるのは簡単ではない。そうした事情もあって、少しずつラインナップから姿を消していったのです。
――そして2013年、ホンダは再びCBR400Rを登場させますが、4気筒ではなく2気筒でしたね?
青木 ここが今回のモデルにつながる重要なポイントです。狙いも4気筒時代とは違い、低・中回転域での扱いやすさと燃費、さらに日常での使いやすさを重視しました。その結果、街中からワインディング、ツーリングまで楽しめる400ccスポーツとして、長く支持されてきました。
――つまり、同じCBR400Rというバイクでも、時代によって役割が違った?
青木 そうですね。1986年のCBR400Rは、400ccの4気筒でスポーツ性能を追求したモデル。その後のCBR400RRでは、さらにスポーツ性を突き詰めた。
一方、2013年のCBR400Rは、もっと日常的に楽しめるスポーツバイクになりました。だからこそ、今回のCBR400R FOURを見るときは、この歴史を知っておくと面白いと思いますね。
ホンダ CBR400R FOUR E-Clutch 価格:119万9000円 フルカウルをまとったロードスポーツ。金属を削り出したようなシャープな面構成で、近未来感ギンギン!
市街地からワインディングまで走行シーンに合わせて出力特性を選べるライディングモードを搭載。年間販売計画は2500台
――そんな歴史を持つCBR400Rが再び4気筒に!
青木 繰り返しになりますが、初代を単純に復刻したわけではありません。4気筒を回して走る快感と、2気筒時代の扱いやすい400ccスポーツとしての魅力をホンダの最新技術により融合させ、磨き上げたモデルです。
昔のCBRが持っていたスポーツ性を取り戻しながら、今の時代に合った扱いやすさも備えている。そこが今回のCBR400Rのポイントです。
――実際に乗ると?
青木 走りはすごく自然です。4気筒というと高回転型のイメージが強いですが、低い回転域でもちゃんと力がある。アクセルを開ければ素直に前へ出て、そこから回転を上げていくと、4気筒らしい滑らかさがどんどん出てくる。
もちろん高回転まで回すこと自体が楽しいエンジンですが、低・中回転域でもしっかり力があるので、街中からワインディングまで扱いやすく、とにかく楽しい!
――兄弟車であるスーフォアとの違いはどこですか?
青木 CBR400Rのほうが明確にスポーツ寄りですね。フルカウルですし、セパレートハンドルを採用しており上体も前傾します。
ただ、スーパースポーツのような極端なポジションではありません。前輪に軽く加重しやすく、バイクとの一体感を堪能できる。スポーツ走行を楽しみながら、普段も無理なく乗れるポジションです。
――車重は187kgです。
青木 4気筒というと重量面が気になる人もいると思いますが、新しい直4エンジンは軽量化を徹底していますし、フレームも含めて車体全体が軽快に仕上げられています。実は2気筒のCBR400Rは195kgなので、それより8kgも軽いんです。
――スゴっ! では最後に、今回の取材の総括を!
青木 大きすぎない車体で扱いやすく、普段はE-Clutchで気軽に乗れる。でもワインディングに行けば、回転を上げて直4ならではのフィーリングを楽しめる。
昔の400cc直4を知っている人には「直4エンジンが帰ってきた!」という懐かしさがあるし、逆に若いライダーにとっては「400ccで直4を楽しめる」という新鮮さがある。
――端的に言うと?
青木 世代を問わず、「直4って楽しい」と感じられるバイクに仕上がっています!




