頼むから寝てくれ高市総理! まさかの「寝不足アピール」で国民も永田町もマジ困惑! 歴代屈指の"人に頼れないリーダー"が招く国難

写真/共同通信社 PIXTA

3月の衆院予算委員会で顔に手をやる高市早苗首相3月の衆院予算委員会で顔に手をやる高市早苗首相
「俺、昨日1時間しか寝てねーんだよな~。あーツレー、ダリぃ~。寝てねーからな~」。誰であれ"寝てないアピール"をするヤツはちょっとウザい。高市早苗首相がXにポストした「睡眠時間0~3時間が常態化」発言が叩かれたのも、そんな空気を国民が感じたからだろう。ただ、これ、ちょいウザでは済まされないリスクをはらんでいるようで......。

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【「サッチャーのパクリ」】

「総理就任以来、0時間~3時間睡眠が常態化」

7月20日夜、高市早苗首相がXにポストした"寝てないアピール"は、インプレッションが3700万回を超えるほど大いにバズった(7月29日現在)。

そのポストの一部を紹介しよう。まずは明け方まで「国会答弁に備えた資料読み込みやペン入れ、数千通もたまったメール処理に追われる」など、不眠不休で働き、「平日は公邸に戻ってから風呂掃除、入浴、夕食、夕食後の洗い物、洗濯、簡単な掃除まででプライベートな時間は精いっぱい」、久々の祝日となる海の日は「手つかずだった大量の洗濯後のハンカチやインナーのアイロンかけとお裁縫を一気に処理」としている。

「政務と家事に一生懸命な女性首相」というイメージを素直に受け取れば、このポストへの反応は応援が多くを占めるはずだ。しかし、現実はそうではなかった。

ネット上では「寝てないアピールなんて、大学生までで卒業しとけよ」「こんな長い投稿する時間があるなら、さっさと寝ればいいのに」「会社で寝てないと言えば、仕事ができないやつとバカにされる」など、首相の投稿に否定的な書き込みが相次いだ。

これには首相を支える役目の内閣府関係者も頭を抱える。

「海の日の連休直前に、内閣支持率急落の世論調査結果が立て続けに公表された。その直後にこのポスト。誰もが『支持率回復を狙った』と思うはずです」

自民党の小林鷹之政調会長は首相に面会した際、「寝てください」と直言したと明かした自民党の小林鷹之政調会長は首相に面会した際、「寝てください」と直言したと明かした
事前に止めることはできなかったのか?

「高市首相はすべてを抱え込み、ひとりで決めてしまう。このポストの内容も誰にも相談しなかったと聞いている。いくら首相を支えたくても、これではどうにもできません」

元経済産業省官僚の古賀茂明氏もこうあきれる。

「国民の共感、同情を呼ぼうという作戦だったのでしょう。投稿の後半にあるアイロンがけの記述にもそんな計算を感じます」

どういうことか?

「高市首相はイギリスのサッチャー元首相を尊敬しているとよく口にしますが、そのサッチャー首相がやはり政務の合間を縫って、夫のためにアイロンがけをして睡眠時間4時間になっていたことを明かし、『鉄の女がアイロンがけ』と国民から喝采を浴びたことがあったんです。

高市首相はそんなサッチャー元首相と自分を重ねようとしたのかもしれません。ただ、その思惑は外れたというべきでしょうね」

ちなみに英インディペンデント紙は、この高市首相のポストを「サッチャーのパクリ」とばっさり切って捨てている。

【みんな、眠れなかった】

だが、「首相は眠れない」というのは高市首相に限った話ではない。歴代の宰相を見ると、その激務と重圧から十分な睡眠時間を取れずに苦しんできた。前出の内閣府関係者がささやく。

「歴代の首相も睡眠時間はかなり短い。ただし、高市首相のように答弁に備えて夜なべするというケースはまれで、そのほとんどが職務の重圧で眠れない日々を送るというものです。

外交案件もある。内閣や党の人事もある。閣議で処理すべきことも多い。ひとつ間違えると政局に発展し、倒閣されるかもしれない。その重圧から睡眠導入剤を常備している首相もいました」

睡眠の質は仕事の質に直結する。国のトップならばその重要性はなおさらだろう(写真はイメージ)睡眠の質は仕事の質に直結する。国のトップならばその重要性はなおさらだろう(写真はイメージ)
例えば、石破茂前首相も国会でうつらうつらとし、周囲を慌てさせるシーンがあった。少数与党で思うように国政運営できなかった石破前首相の心労は並大抵ではなかったはずだ。

高市首相の投稿に対しては、そんなに多忙で睡眠不足になるのなら、ハウスキーパーを雇って家事全般を任せればよいという批判も少なくない。首相の年収は4000万円を超える。家事などをするスタッフを雇い、官邸に待機させることも金銭的には可能だろう。

だが、実際にはそれも難しい。首相の住む公邸は機密情報だらけ。出入りする人間には厳重な身元調査だけでなく、そこで知り得た機密情報を墓場まで持ってゆく覚悟も求められる。"そこらへんの民間業者"を公邸に出入りさせることはそれほど簡単なことではないのだ。前出の内閣府関係者が続ける。

「首相経験者の中でも、麻生太郎氏や安倍晋三氏(故人)といった父、祖父の代から代々仕えてきたスタッフのいる政治家なら、その人を公邸に出入りさせ、身の回りの世話を頼むことは可能でしょう。

でも、高市首相のように普通の家庭で育って首相になったような政治家にはこの方法はハードルが高い。麻生家や安倍家のように長年仕えて忠誠心の高いスタッフがいるわけではないですから」

ただ、全国紙政治部デスクはこう言う。

「首相が世襲議員だとしても、公邸に内向きの世話をするスタッフを配置できないケースもあります。岸田文雄元首相は父、祖父が衆院議員の家柄でしたが、公邸にそのようなスタッフはいなかった。秘書が買ってきたコンビニ弁当で遅い夕食を済ますということもあったと聞きました」

実際、高市首相は先の衆院選での応援演説で、昨年の大晦日に食材を手配できずに困っていたところを、武田良太元総務大臣が差し入れてくれた中華おせちのおかげで「私たち夫婦(夫は元衆院議員の山本拓氏)は正月明けまで生存できた」と明かしている。有権者受けを狙った演説ネタと受け取った向きもいたようだが、あながち冗談でもなかったようだ。

公邸での首相の暮らしぶりはこのように孤独で苦しい。そう考えると、高市首相のポストに目くじらを立てることもないのかもしれない。

【寝不足の首相は安全保障上のリスク?】

とはいえ、国のリーダーが睡眠不足をアピールするのはやはりダメだと前出の古賀氏が言う。

「高市首相の"寝てないアピール"はマネジメント能力の欠如と受け取られかねません。寝ないで仕事しないと追いつかないほど能力がない、物事の優先順位づけができない政治家と思われてしまう。

普通の政治家なら、ロクに眠っていないなんて絶対に口にしません。重圧にさらされても涼しい顔で仕事をするはず。弱みを見せれば、つけ込まれる。それが政治の世界ですから」

前衆院議員の福島伸享(のぶゆき)氏も懸念を隠さない。

「リーダーの役割は決断すること。寝不足になってまでも大量の資料を読み込んで政策を勉強することではない。各省庁から官邸に派遣されたエース級ぞろいの秘書官に聞けば、政策なんて整理されてずらずら出てきます。

高市首相はそのことがわかっていない。厳しいことを言えば、あのポストは高市首相がリーダーとしていかに能力と自覚が欠けているか、自ら語ってしまったようなものです」

ある意味、高市首相とは真逆の「人任せ」なリーダーだった小泉純一郎元首相。高市首相も見習うところがあるかもある意味、高市首相とは真逆の「人任せ」なリーダーだった小泉純一郎元首相。高市首相も見習うところがあるかも
高市首相のポストを読んで、福島氏が思い出すシーンがあるという。

「経産省勤務時代に内閣官房に出向となり、政策説明のために小泉純一郎首相(当時)の執務室に入ったことがあるんです。そのとき、小泉氏は私たち事務方が準備した資料を1ページもめくりませんでした。ソファに寝転んで、か細い声でただ『いいよ、やって』というだけ。

リーダーの役割は休養を十分に取って決断することと、小泉さんはよくわかっていたんでしょう。ただ、その分、首相秘書官らの事前チェックは厳しかった。政治家や官僚らが変な政策を首相に吹き込まないかと用心していましたね。小泉さんは郵政民営化など、自分のこだわりの政策以外はどんどん人に任せてしまいましたから(笑)」

小泉元首相の執務スタイルは高市首相とはまるっきり逆だ。しかし、自分の進言した政策を任せてくれる分、政治家も官僚も一生懸命に仕事をし、高い忠誠心で政権を支えようとする。その結果、小泉政権は5年5ヵ月もの長期政権となったとも言えるだろう。

そして福島氏は別の観点からも"寝不足首相"のリスクを見る。

沖ノ鳥島周辺を航行した中国艦隊。軍事的な脅威はいつどんな挑発を仕掛けてくるかわからない。寝不足とか言っている場合か沖ノ鳥島周辺を航行した中国艦隊。軍事的な脅威はいつどんな挑発を仕掛けてくるかわからない。寝不足とか言っている場合か
「怖いのは安全保障上の問題です。寝不足のリーダーなら判断力が鈍ることもあるだろうと、外国が挑発してくるリスクがあるんです。

このポストの直前、中国とロシアの軍艦艇が沖ノ鳥島周辺を航行し、中国海軍艦艇が実弾を射撃していますが、それに対してもし寝不足な高市首相が判断を誤り、突発的に軍事的対応を取ろうものなら、『ほら、高市日本はこんなに好戦的だ』と世界に宣伝しつつ、挑発行為をエスカレートさせる可能性があった。首相の"寝てないアピール"はそんな危険なシナリオをも招きかねないのです」

【誰が高市首相を眠らせないのか】

ただ、高市首相が対応に追われた特別国会は7月25日に閉会した。となれば、答弁のために首相が夜更けまで資料を精査する必要もなくなる。少なくとも秋の臨時国会までは首相も枕を高くして眠ることができるのでは?

ところが、国会を閉じても首相を睡眠不足に追い込む難題がふたつ待ち受けている。

ひとつはマーケットだ。「責任ある積極財政」をうたう高市政権は史上最大の予算を組むなど、多額の財政出動を予定している。先に閣議決定した「骨太の方針」では今後14年間で民間と合わせて370兆円もの巨額投資プランをぶち上げた。

そのため、放漫財政を警戒するマーケットでは円安、金利上昇(国債安)の圧力が続いている。その行き着く先はインフレの危機だ。自民党関係者がこうつぶやく。

7月25日に特別国会は閉会。高市首相にとっては、やっと寝る時間が取れそう、と思いきや......7月25日に特別国会は閉会。高市首相にとっては、やっと寝る時間が取れそう、と思いきや......

「最初のハードルは食品消費税減税。8月上旬に高市首相が最終結論を出すことになっていて、やらなければ公約違反として世論から批判される。また実行したとしても、現状では減税のために必要な財源約10兆円をどうひねり出すか、はっきりしていません。

83兆円にも達した税収の上振れ分で賄うのか、赤字国債で充当するのか。首相の説明に納得せずにマーケットがバラマキと判断すれば、円安・金利高に進みかねない。それでインフレが高じれば、やはり国民から『物価高対策がなっていない』と批判される。高市首相にすれば、どちらに転んでも針のムシロ。この8月は眠れそうにありません」

首相の安眠を妨げるふたつ目の障害は、キングメーカーとして自民党に君臨する麻生太郎副総裁の存在だ。夏から秋にかけて党人事、内閣改造が見込まれるが、ここで高市首相と麻生氏がつばぜり合いになりそうな雲行きなのだ。

「高市首相にとって麻生副総裁は目の上のたんこぶ。なんとかして、その影響力をそぎたい。だから今年2月の衆院選直前には麻生副総裁に衆院議長就任を打診したほどです」

衆院議長は完全な上がりポストだ。高市首相による露骨な"麻生封じ"と言ってよい。

「それだけに高市首相は、党人事では麻生副総裁の義弟である鈴木俊一幹事長を交代させたい。鈴木幹事長は麻生副総裁のロボットのような存在ですから。それができなくても副幹事長あたりには親高市派の議員を押し込みたい。ただ、その動きを麻生副総裁が快く思うはずがないでしょう。待ったをかける可能性があります」

「高市首相を寝かせてくれない人」になりそうな、麻生太郎自民党副総裁(手前)と鈴木俊一幹事長(中)「高市首相を寝かせてくれない人」になりそうな、麻生太郎自民党副総裁(手前)と鈴木俊一幹事長(中)
内閣人事ではどんな対立があるのか?

「もともと一匹おおかみで党内でも孤立気味の高市首相にとって、唯一の味方となっているのが連立パートナーの日本維新の会です。首相はその維新の有力者、藤田文武共同代表あたりを国土交通相や総務相などの主要ポストに就けたいはず。閣内での貴重な援軍になります。

ただ、麻生副総裁は維新が大嫌いで、維新を連立から外し、関係の良い国民民主党を連立相手に迎えたい。内閣改造で維新を優遇したいという首相の意向をすんなりと認めるかどうか、かなり疑問です」

睡眠時間0~3時間が常態化すれば、人は酩酊(めいてい)状態になるとの医学データもある。このまま高市首相の睡眠不足が続けば、いつ判断ミスが起きてもおかしくないし、先述したように中国などはそのスキを見逃さないだろう。

取りあえず、寝ろ! 高市首相!!(ちなみに、睡眠時間を大げさに過少申告しているのではないか、とみる向きもあるが、日本の首相がそんなバカバカしい小細工をするはずがないので、その手の疑惑は当然無視しています)

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