私ももちろん外出自粛中! 友人とのコンタクトはオンラインで!

世界中で新型コロナウイルスの不安は留まるところを知らず、7日、ついに日本でも緊急事態宣言が発令された。

前回はスペイン在住のアナの様子を尋ねたが、現在は非常事態宣言が延長され、6週間に及ぶこととなったという。不安と恐怖が増幅する中、今回も世界に散らばる友人たちに話を聞いてみた。

(以下はそれぞれ一個人の話であり状況は急速に変化しているので、最新情報とは差異が生じる可能性があることをご承知ください)

スペインで一緒に過ごしたゴンジーは南米チリに帰国しているが、同国では3月初旬ついに初感染者が現れ、1ヵ月で2000人まで増加したそうだ。

「僕の町(アリカ)でも会社は営業停止やリモートワークになり、ビーチも閉鎖された。スーパーは買い占めで空っぽだ。各アイテムにつき、6個までしか買えないとか制限がついているよ。6つの砂糖、6つのトイレットペーパーとかね!

先日、日本の薬局で「ポケットティッシュお一人様一点限り」と書いてあるのに驚愕したが(しかも売り切れ)、6つも買えるとは太っ腹にさえ思える。

さて、状況がより深刻なのがアメリカだ。感染者は43万人を超え(9日現在)、世界最多となっている(毎日この数字をチェックしているが、初稿で8万人だったところからの急増に恐怖を感じる......)。

日本人も多く在住するロサンゼルスには、私が旅の途中にいつも会いに行く幼なじみ(日本とアメリカのハーフ)が3人の子供と旦那さんと5人家族で暮らしているが、現地の様子について話してくれた(3月下旬)。

「カリフォルニア州知事から3月19日の夕方『Safer at home』が出されたの。外出禁止令って言う人もいるけど、『必要不可欠なこと以外は外出しないように』って感じで、買い物、散歩、ハイキング、バイク乗り、出勤などはオッケー。

でも、外出自粛令が出された翌日に食材の買い出しに行ったら、走ってる車の数が多くてビックリ! みんなニュースを見たの?って感じ

発令当初、週末に人々がビーチやハイキングに集まったため、その後、ハイキングは禁止となり、今はビーチの駐車場も停められないようになったそうだ。

また仕事は基本的には在宅勤務を強いられているが、業種によっては出勤可能。「Safer at home」の公式サイトには、オープンしていいビジネス、やってもいいことなどが細かく書かれている。【https://corona-virus.la/faq】。

公共機関や医療機関のほか、食品店系、レストラン系(テイクアウト/デリバリーのみ)、銀行系、ガソリンスタンドや車の修理・パーツ屋さん、水道工事や葬儀屋など必要不可欠のサービス、コインランドリー、マスメディア関係など。

「政府ではSocial distancing(感染拡大を防ぐために物理的な距離をとる)』をすごく強調してる。Trader Joe's、Whole Foods、Costcoなどのスーパーは入場制限され、列には6フィート(約1.8m)空けて並ばないといけないの

店の入場制限で6フィート間隔で並ぶ人々(写真提供:友人)

「発令前の1週間は噂が先走って日本と同じ状況になってた。どこもトイレットペーパー、ハンドサニタイザー、水が完売。Costcoの店員は何事?って感じだったらしいよ」

彼女が住んでいるのは日本人の多いエリアなので、特に日本のニュースを見ている人が多く、アジア人が爆買いし始めたのを見て、アメリカ人が波に乗ったパターンだ。

「スーパーはどこも激混み、完売状態!......だったけど、ここ数日でやっと落ち着いてきたよ。でも需要が多いミルク、卵、ペーパー系、水は個数制限されてる。

マスクは昨年末から売り切れ状態(昨年インフルエンザと風邪が大流行したからね)。風邪薬、咳止めも完売。特にイブプロフェンの解熱作用が症状をひどくするから、アセトアミノフェンをとるようにってことでタイレノールが入手しづらくなってる」

マーケットの品物は完売状態(写真提供:友人)

「とにかく3月中旬頃からは、学校や政府からの情報が分刻みで変わっていき、怒涛の1週間だった。未だに人々は混乱してると思う

彼女のような子持ちの家庭はずっと家にいるのも辛く、散歩に出たりしている。アメリカの公園は広いところが多く、散歩やジョギングもできるしバイクも乗れる。ただし、現在は遊具は遊べないようテープでバリアを貼ってあるという。

海と天気に恵まれ、景色の良いカリフォルニアで家に閉じこもっていろというのも酷な話だ。

需要が多い商品は購入数の制限がある(写真提供:友人)

「今セレブとかがよく『Self quarantine!(自分を隔離しよう!)』とか医療関係者に感謝の言葉を送ってる。『Stay at home』が彼らに1番の感謝になる!と」

外出自粛の呼びかけが強まっていく中、仕事の不安も尽きない。ロスで日系飲食店の経理のパートをしている彼女は言う。

人件費削減でお休み中。レストランクローズ要請でウエイトレス、バーテンダーとかで仕事が無くなった人がたくさんいる。国が全国民の成人に1000ドル、未成年の子供に500ドルの補償を2週間以内にすると言ってくれてるから助かるわ。

私の場合は子供たちの休校が5月4日までになったから仕事辞めなくちゃいけないかも......。会社とも話し合わないといけないけど、先が読めないわ」

4月に入り、彼女は失業保険を申請したという。

「コロナの影響で失業または業務時間が減った人も申請できるの。驚いたのが、すでに働いている人だけでなく、これから働く予定だった人も申請できるんだって。良心的だよね。

でも失業者の増加もあってか、こっちでは銃の売り上げ率がすごく伸びてる。その中でもビックリしたのがアジア人の購入率。コロナがこっちに来た当初はやっぱり中国人への差別が多かった時期もあったの。

アメリカ人はアジア系(日本人、中国人、韓国人)の区別がつかないから、自分の身を守るためにアジア系の人たちが購入が増えたみたい。物騒な世の中になったよ......」

銃社会での治安悪化は日本とは次元が違う不安があるが、日本ももしこのまま状況が深刻化すれば安心はできない。

「ちなみに先週くらいから外出禁止令を守らないと法的に罰せられるようになった。罰金又は刑務所だって......。外出禁止を守ってない人を市にチクったら、報酬がもらえるらしい!

おお、"チクる"って言葉ちょっと懐かしい......! じゃなくて、徹底してるなぁ。(さらにLAの最新情報としては、明日10日からマスクなどで鼻や口を覆うことが「推奨」から「必須」になるそうだ)

アメリカの後を追っているような日本の状況について、彼女はこう言っていた。

日本の外出自粛の現状を見て、外出してる人の多さにビックリした! 他国との温度差を感じた......。ロックダウンしてる国はもちろん経済もやばいよ。学校も数ヵ月行けないし、仕事も無くなる。それでもみんな自粛を守ってる。だから日本もできるはず!!

カリフォルニア州が、ニューヨーク州に比べて死者数・感染者数をはるかに少なく抑えられているのは、外出自粛要請を早期に出したことがあるという(サンフランシスコ市では17日、州全域で19日、ニューヨーク州は22日)。

日本も初期の頃は軽視する者も多かったし、かくゆう私もそのひとりであったと思う。しかし、著名人の感染がたびたび報道され、緊急事態宣言も出された今、人々の危機感もだいぶ強まっている。

隠れコロナも多くいると想定され、もしかしたら自分も保菌者なのではないかと不安にもなるけれど、今は自分ができることをしっかりと心がけ、1日でも早い収束を願うばかりです。

世界のみんなでStay at home!!

★旅人マリーシャの世界一周紀行:第264回「コロナ禍で『収入はなくなった!』けど意外に楽観的なバリ島の友人」

●旅人マリーシャ(旅人まりーしゃ)
平川真梨子。旅のコラムニスト。バックパッカー歴12年、125ヵ国訪問。地球5周分くらいの旅。コラム連載は5年間半を超える。Twitter【marysha98】 instagram【marysha9898】
女子2人組ユニット「地球ワクワク探検隊」としても活動。Youtube配信や国内外各地のPR活動、旅先のお酒やお話を提供するイベント「旅するスナック」を月2回、東京・虎ノ門で開催。
【https://www.youtube.com/channel/UCJnaZGs8hyfttN9Q2HtVJdg】

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