
坂本慎太郎
さかもと・しんたろう
坂本慎太郎の記事一覧
こころトレード研究所所長。ハンドルネームは「Bコミ」。日系の証券会社でディーラー、大手生命保険会社で株式、債券のファンドマネジャー、株式のストラテジストを7年間経験。ラジオNIKKEIや日経CNBCなどの投資番組へのレギュラー出演多数。著書に『プロ投資家が教える副収入1000万円の最短コース』(BEST TIMES books)など
公式X【@bucomi】
社名はJapan Property Management Centerの頭文字をとったもので、旧社名は日本管理センター。配当利回りは4.90%と高水準
『週刊プレイボーイ』で連載中の「坂本慎太郎の街歩き投資ラボ」。株式評論家の坂本慎太郎とともに街を歩き、投資先選びのヒントを探してみよう。金のなる木はあなたのすぐ近くに生えている!
日銀が利上げに向けて積極的な姿勢を見せている。われわれの生活に最も直結するのは、住宅ローンだ。住宅系の上場企業のうち、泣く企業、笑う企業は?
助手 最近、Xで「住宅ローンの通知を確認したら、また金利が上がってた」みたいな投稿をよく見るんです。何が起きてるんですか?
坂本 長年にわたり低かった住宅ローン金利が上昇し始めたんです。先のXのローンは変動型金利だろうけど、日銀がマイナス金利を解除して政策金利を引き上げる方向へ動いたことで、銀行も変動金利を見直し始めました。固定金利のローンも、日銀の国債買い入れ減額や追加利上げへの警戒を背景に10年国債の利回りが上がって、新規貸し付けの金利に影響が出ています。つまり変動で借りている人も、固定でこれから借りる人も、金利上昇を意識せざるをえなくなっている。今後は家を買うハードルがかなり上がると思うよ。
助手 じゃあ住宅関連の会社は今後苦しくなりそうですね。
坂本 確かに販売会社や借り入れの大きい不動産会社には逆風になりやすい。ただ、JPMCなんかは金利上昇が追い風になるんじゃないかな。
助手 どんな会社なんですか?
坂本 サブリースと賃貸管理が事業の柱です。サブリースってのは、JPMCが物件オーナーに決まった賃料を払い、その物件を入居者に貸し直す仕組みで、いわば賃貸住宅のまた貸しです。入居者にいくらで貸すかは、物件の状態や周辺相場を見てJPMCが決めます。つまりオーナーに払う家賃より入居者からもらう家賃を高く設定できれば、その差額がJPMCの儲けになるわけ。
助手 オーナーには得がないような。
坂本 いや。オーナーにとっての借り主はJPMCだから、たとえ入居者が決まらなくてもJPMCから家賃をもらえるんです。安定収入が欲しいオーナーにはメリットでしょ。
助手 なるほど。でも、なんで金利上昇がJPMCに追い風なんです?
坂本 金利が上がると、持ち家のハードルが上がって賃貸需要が底堅くなります。借りたい人が多ければ空室は埋まりやすくなるし、家賃も上げやすい。つまりサブリースの採算が良くなりそうなんです。
助手 でも、家賃の値上げって入居者と交渉する必要がありますよね?
坂本 なかなか鋭いね。今住んでいる人の家賃をすぐに大きく上げるのは簡単ではありません。ただ、退去後には高い家賃で募集できる。古い部屋だって少し直せば入居者が入りやすくなります。JPMCはリフォーム事業も手がけているんだけど、リフォームとサブリースとを組み合わせて「既存物件をもう一度稼げる部屋にしましょう!」なんて提案もしやすくなるはずです。
助手 いろいろやってるんですね。
坂本 ええ。同社はサブリース一本足打法ではなく、物件オーナーの悩みをまとめて解決することで稼いでいるんです。サブリースは空室不安に応える商品。もうひとつの収益の柱・賃貸管理でも、家賃滞納に備える滞納保証を提供していたり、入居者向けにはグループ会社が少額短期保険を用意しています。幅広い商品をそろえることでオーナーの利便性を高めて賃貸管理やサブリースの戸数を積み上げ、1戸当たりの利益も厚くしているんです。
助手 運用戸数が業績のカギですね。
坂本 そう。今期第1四半期の運用戸数は前期末から約0.4%増え、営業利益は前年同期比16.3%増でした。派手ではないけど、積み上げ型の会社としてはまずまずの出足かな。PERは約11倍で配当利回りも5%近いから、少し投資してみるのも面白いと思います。
今週の実験結果
PERは割安で配当利回りも5%弱と投資しやすい銘柄です