【SHOW-WA青山隼の果てしない延長戦】イベント運営担当が思う仕事との向き合い方「人に評価されて初めて自分の価値が生まれる」〈後編〉

取材・文/釣本知子 撮影/上村透生


連載【果てしない延長戦】第8回

元Jリーガーで、現在は秋元康プロデュースの昭和歌謡グループ・SHOW-WAのメンバーとして活躍する青山隼の連載「果てしない延長戦」。現役時代の先輩や戦友をはじめ、各界で活躍する方をゲストに招き、「人生の転機」や「次への挑戦」をテーマに熱く語り合う。

引き続きゲストは、SHOW-WAやMATSURIのイベント運営を行なっている株式会社edgeの代表・本多祐輝さん。出会いや夢をあきらめないことを語った前編に続き、後編では人生の転機やファンの方々への想いを語ってくれた。

【怪我であきらめた夢がつながった】

――この連載では「人生の転機」についてお話していただいているのですが、本多さん自身の転機はどこにありましたか?

本多 1つ目の転機は、やっぱりサッカーを辞めたことです。子供の頃からプロになることを目指してずっとやってきて、國學院久我山高校のサッカー部では主将を務めていました。だけど、卒業後の進路に悩んでいた時期に右足の靱帯を切ってしまいまして......。選手として自分が活躍できる未来が見えなくなって、サッカーをあきらめる決断をしました。

青山 当時からチームの練習にも参加していたし、プロのサッカー選手になりかけていたんですよ。そのタイミングでの怪我は、想像できないほどの悔しさだったと思います。

本多 自分の周りの選手たちはみんなプロの世界に進んでいたので、表舞台で活躍する姿を見たときは本当に悔しかったです。「彼らに負けられない」って思いがあり、誰かのもとで働くのではなくて自分で仕事をしようと決めたんです。まずは飲食店で修行をしてから、25歳でダイニングバーを経営して。その後、知人の紹介でイベント業も始めて、何か違う展開を模索していたときに出会ったのがSHOW-WAとMATSURIでした。これが2つ目の転機ですね。同世代で必死に夢を追っている彼らを見て、まだ自分にもできることがあるんじゃないかと熱くなれたんです。青山さんとの縁もサッカーをやっていなかったら本来はなかったですからね。

――本多さんから見て、青山さんの現場での立ち回りはどういう印象ですか?

本多 青山さんは一番めざといというか、男性スタッフに好かれますよね。僕ら裏方はアーティストさんの邪魔になったらいけないと思って一歩引いているんですけど、彼はどんな場所や場面でもスタッフたちを見つけて挨拶しに来てくれる。目の前にいる人だけでなく、10メートル先にいる人にまで(笑)。僕らからしたら、こんな嬉しいことはないですよ。

青山 ライブ前とかも「今日はよろしくお願いします!」って挨拶に行きますけど、これって普通じゃないですか? だって、みんな同じチームでやっているから。僕らだけではステージを作れないですし、ライブもできないですから。

本多 当たり前に思っているかもしれないけど、実際はできない人もいるし、やらない人もいる。そういう些細なコミュニケーションで現場の空気は変わるし、どれだけ大事なことだってわかっている人のほうが少ないかもしれないね。こういう立ち回りはサッカー時代からやっていたんですか?

青山 やっていましたし、叔父(伊集院静)と叔母(篠ひろ子)を含む青山家は挨拶に厳しかったので。芸能人だからではなく、ひとりの人間として大事なことだと教えられて育ちました。

【ピッチ外でもめざといボランチ】

本多 ちなみに、青山さんの現役時代のポジションはボランチ?

青山 ボランチとセンターバックです。

本多 やっぱり、そうですよね。ボランチは、ピッチの真ん中からチームを動かす司令塔ポジション。だから、視野が広くてポジション取りがすごくうまいんです。「自分が今ここで何をすべきか」がわかるので、イベントのMCとかでもみんなが言いづらいことを率先して発言してくれる。キャラクター的にふざけている印象が強いと思うんですけど、実は誰よりも周りをよく見ているなと。求められていることに気づくのが上手ですよね。

青山 そうですか(笑)。特典会の前になると、本多さんが僕にマイクを渡してくるんですよ。「CDの宣伝を青山さん、お願いします!」って。だから、「皆さんとハイタッチしたいのでCD買ってください!」って大声で言うしかないじゃないですか。

本多 だって、盛り上げ上手だから(笑)。アーティストが「自分のCD買ってください」と直接アピールするのは少しカッコ悪いと感じたり恥ずかしがったりするメンバーもいると思うんです。でも彼は芯が強いので、ファンの人たちに楽しんでもらえる言葉として言えちゃう。それはグループにとっても大きな強みだなと思います。

青山 「買ってくれないと10万枚いかないんです!」とか言っちゃいますね(笑)。買ってくれたらもちろんうれしいですしありがたいですけど、一番の目的はその特典会自体が盛り上がることなんです。一緒に乗っかってくれるメンバーもいるし、「じゅんじゅん(青山)が言うから買っちゃったじゃん」って笑ってくれるRuby(SHOW-WAファン)たちもいる。とにかく楽しかった、今日ここに来てよかったって思ってもらいたいんですよね。

本多 「"イベントが楽しかった"という思い出を作ってほしい」というのは、僕ら運営としても一番にあります。SHOW-WAは6人それぞれ個性があって純粋で、人間味があって面白いグループ。芸能人ぶっていないというか、等身大の彼らがすごくいいと思うので、イベントを通してそんな魅力を伝えていきたいです。

【自分の価値は人が決める】

青山 本多さんにとって人生とは? お仕事をするうえで、自分の中で大事にしている信念はありますか?

本多 僕は、「自分の価値は人が決める」と思って仕事に向き合っています。だから、自分がどれだけ頑張ったかなんて関係ないし、なんの評価にもならない。寝ずに頑張ったからって、そんなの誰も知らないし知る必要もないですし。頑張った結果、誰かのためになったとかいいイベントになったという事実があって、誰かに評価されて初めて自分の価値が生まれると思います。そういう意識を大事にしているからこそ、仕事が大変だとかキツいとかは口にしないですね。

青山 確かに、本多さんから泣き言とか愚痴って聞いたことがないですね。うちのリーダー(寺田真二郎)はよく言っていますけど(笑)。

本多 寺田さん(笑)。イベントの当日は、僕ら運営チームは早朝から会場に入って準備して、イベントが終わったあとも最後まで残って片付けをしてから帰るのが役割です。それが僕らの仕事ですし、それが人生だと思いながら日々取り組んでいます。こんな裏方の話で大丈夫ですか?

青山 いや、裏方側の話を聞きたい人もいると思いますよ。サッカー選手だろうが歌手だろうが関係なくて、僕はこの連載でプロとして第一線で生きてきた人の価値観を聞きたいんです。強い信念を持っている本多さんのお話を聞けて学びになりましたし、「こんなプロ意識を持って支えてくれているんだ」ということが少しでも伝われば嬉しいです。だから、僕らも本多さんを信頼して背中を預けられるんですよね。

本多 ありがたいですね。僕ら運営も含めて、周りのスタッフみんなが「メンバーたちにいい舞台に立ってほしい」と思っているんです。最初は「どうしたらいいんですか?」と迷ってばかりだった彼らが、今やこれだけ多くの人から応援される存在になっている。それってすごいことですし、みんなを巻き込む不思議な力を持っているグループだなと改めて感じています。

【裏方としてファンへの想い】

本多 イベント運営の仕事は、会場を押さえて日程や内容を決めて、必要なスタッフをそろえてお客さんを安全に誘導する。現場でやることはほんの一部で、それ以外にやることがいくつもあるような仕事なんです。日の目を浴びることはないけど、いいところは"人がいないとできない"。ファンの方々に「あれもダメこれもダメ」と制限やルールを伝えるのが役割でもあるので、皆さんにとっては嫌われ者になりがちだと思うんです。だけど、SHOW-WAとMATSURIの現場では協力してくれる方が多くなってきて、ちゃんと向き合えばわかってもらえるんだなと気づかされました。この仕事は対話が大事だと思うってやり方を変えるようになったのは、SHOW-WAとMATSURIがきっかけなんです。

青山 初めての推しだっていう人も多いので、最初はイベントのルールがわからないこともありますよね。だからこそ、本多さんたちが伝えることでファンの方との信頼関係もできてきて、「これがSHOW-WAとMATSURIのリリイベなんだ」と理解してくれるようになって。

本多 本当にそうですよね。最近は現場であたたかい声をかけてもらえることも多くなって。ファンの皆さんと同じ目線で向き合って、思いを汲んであげないと心から応援してもらえないよなと思いました。

青山 イベントの現場で僕らは「そこ押さないで!」とか「寺田さん通ります!」ってスタッフさんみたいな動きをするんですよ。それも含めてエンタメというか、楽しませるために何ができるかを僕らも考えていきたいです。

本多 こんなに物販や誘導を率先してやってくれるグループは、なかなかいないですよ(笑)。運営に対する厳しい意見があっても、それが僕の評価だと思うので受け止めます。ただ、その批判がグループに向くことだけは絶対に避けたい。メンバーの邪魔をしないように、ファンの皆さんとメンバーが一体となって、心から応援できる場を増やしていきたいです!

★果て戦だけの激レアSHOW-WAオフショット★


1st写真集『最後の恋人』撮影中オフショット。クロちゃんとゴロゴロタイムなじゅんじゅん。顔がとろけすぎです!(笑)

本多祐輝(ほんだ ゆうき) 
1985年生まれ 東京都出身 
◯國學院久我山高校のサッカー部で主将を務め、学生時代はプロを目指し活躍。競技引退後は、飲食店ビジネスを経てイベント業界へ。2018年に株式会社edge設立。代表取締役として数多くのイベント運営を手掛けるほか、飲食店経営や動画制作など幅広く事業を展開している。

青山隼(あおやま じゅん) 
1988年1月3日生まれ 宮城県出身 
◯2006年にプロデビュー。U-20日本代表経験を持ち、Jリーガーとして名古屋グランパス、セレッソ大阪、徳島ヴォルティス、浦和レッズでプレーし、2015年に現役引退。その後は、俳優として舞台やドラマ等に出演。現在は、秋元康プロデュースの昭和歌謡グループ・SHOW-WAのメンバーとして活動中。ラジオ『SHOW-WA寺田&青山の青春時代を取り戻せ!』(CBC、毎週日曜22:00~)レギュラー出演中。2026年10月1日(木)にはSHOW-WAとして初となる日本武道館での公演が決定!
公式X【@jun_aoyama1988】
公式Instagram【@jun_aoyama_show-wa】

Photo Gallery

編集部のオススメ

関連ニュース

TOP