映画『アンダードッグ』で主演を務める俳優の森山未來さん 映画『アンダードッグ』で主演を務める俳優の森山未來さん

『さんまのスーパーからくりTV』『中居正広の金曜日のスマたちへ』など、数多くの人気番組を手がけてきたバラエティプロデューサー角田陽一郎氏が聞き手となり、著名人の映画体験をひもとく『週刊プレイボーイ』の連載『角田陽一郎のMoving Movies~その映画が人生を動かす~』。

今回は公開中の映画『アンダードッグ』で主演を務める俳優の森山未來(もりやま・みらい)さんにお話を伺いました。

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――幼少期の映画体験は?

森山 母親がテレビをつけたままじゃないと眠れない人で、昔のクラシック映画をよく流していたんです。『ナイル殺人事件』(1978年)とか『ダイヤルMを廻せ!』(1954年)とか、ビリー・ワイルダー監督の作品が流れていたこともあって、高校生のときにあらためて見た『情婦』(1958年)で脚本の妙に驚いて、そこから自覚的にいっぱい見ました。

あとはジーン・ケリーやフレッド・アステアが出ているハリウッドのミュージカル映画もよく流していて、再生が終わった後の砂嵐の音まで覚えています。

――森山さんといえば、俳優業のほかにダンサーとしても活躍されていますが、そこにつながってます?

森山 そうですね。あとはやっぱりマイケル・ジャクソン。まず姉がダンスを始めて、それに僕が乗っかったんですけど、当時からマイケルが大好きでしたね。今はもうなくなっちゃったんですけど、ディズニーランドの......。

――「キャプテンEO」ですか?

森山 そうです! あれがもう大好きすぎて、あれを見るためだけにディズニーランドに行ってたんです。毎回3回は乗ってましたね。ほかのアトラクションには一切興味がなかったんですけど(笑)。

――では、マイケルのMVがMovingMoviesという可能性も?

森山 大いにあります。

――ちなみに何が好きでした?

森山 難しいですけど......アルバムで言うと、『デンジャラス』ですかね。もちろん、『スリラー』『BAD』のMVもカッコいいですけど、楽曲の強さと映像表現があんまり相まっていない感じがして。

その点、『デンジャラス』はものすごく融合している気がするんです。映像ありきの音楽であり、音楽ありきの映像みたいな。映画という意味だと『ムーンウォーカー』(1988年)も印象的でしたね。今思えば、とんでもマイケル・ムービーなんですけど。

――よくわかんないやつですよね。

森山 そうそう(笑)。作中には『スムーズ・クリミナル』のPVも全部入っていて、その映像のイメージはすごく強いかもしれませんけど、僕は『リーブ・ミー・アローン』が好きなんですよ。

マイケルが飛行船みたいなものに乗って自分の口の中に入っていって......みたいな。あのカオス感というのがマイケルの頭の中の風景なんだろうなと。

――この業界に入ってから見て、印象に残っている作品は?

森山 2013年にNHKで『夫婦善哉(めおとぜんざい)』というドラマをやったんですが、それがきっかけで昔の映画を見あさった時期がありました。

もちろん、森繁久彌(もりしげ・ひさや)さん主演の映画版『夫婦善哉』(1955年)も見ましたし、その中でも小津安二郎監督の『麦秋』(1951年)には特に感銘を受けました。映画としてどうというよりも、原節子さんの足の裏!みたいな。

――真っ黒なんですよね(笑)。

森山 でも、それがあるからこそ、登場人物たちがちゃんとそこで生活していると思えました。内容もすごく良くて、人間同士の関わり合いの美しさ、大変さに「なんだ、これは」と思いました。すごく印象に残っている映画ですね。

★後編⇒角田陽一郎×森山未來(俳優)「実際に誰かを殴る感覚、誰かに殴られる感覚を知りたかった」

●森山未來(もりやま・みらい)
1984年生まれ、兵庫県出身。1999年に舞台デビュー。幼少時よりジャズダンス、タップダンス、クラシカルバレエ、ストリートダンスなどを学ぶ。2013年秋より文化庁文化交流使として1年間イスラエルなどに滞在

■映画『アンダードッグ』前・後編公開中
 ©2020「アンダードッグ」製作委員会 ©2020「アンダードッグ」製作委員会

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