呂布カルマが今でも家事をまったくしない理由

撮影/田中智久

『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『家事分担』について語った。

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★今週のひと言「こんな時代にもかかわらず、家事をまったくしない理由」

男女で平等に家事分担するのが当たり前の時代になった。しかし俺はというと、家事のすべてを妻に一任している。要は頼り切っているのだ。

俺のおやじもそうだった。それは時代かもしれないが、うちも子供の頃は共働きだったので、当時両親同士でどのように話をつけ、母親だけが家事をやっていたのかわからないが、おやじが家事をしているところを見たことがない。

いや、思い返すとそんなおやじを指して、俺たち兄弟は「お父さんみたいになってはいけないよ」と母から言われていたのを思い出した。

ということは、30年前の当時から家事に一切触れない父親というのが良しとされていたわけではないのだな。

うちのおやじは家事うんぬん以前にもいろいろと問題があったので、「お父さんみたいになっちゃいけない」は家事以外の部分で参考にしつつ、仕事以外何もしない態度というのは残念ながら俺にも色濃く引き継がれてしまった。

俺がやることは金を稼ぐ、お母さんの言うことを聞かない子供たちに、もう一段上の父プレッシャーをかける、車の運転、ペット周りの世話ぐらいだ。それ以外は、文句を言われながらもすべて妻の世話になっている。

今となっては俺ひとりで何不自由ない暮らしができる稼ぎがあるが、20代の頃はというと売れないラッパーでフリーターの俺よりも、天下の集英社で連載を持つ漫画家である妻のほうが稼ぎもあったし、忙しかったはずだが、その頃から俺は家事をしていた記憶がないので、いったいどのような理屈で妻に甘えていたのかもう思い出せない。

子供の頃から男のやる家事というのを見たことがない上、大学を卒業し実家を出たタイミングで彼女(妻)のひとり暮らしの部屋に転がり込み、そこから現在に至るので、俺にはひとり暮らしの経験もない。

経験がなければ当然スキルもない。加えてもともと彼女の部屋から引っ越したとはいえ、家財道具や配置などもすべて妻に任せているので、俺にはなんの勝手もわからない。自宅なのにだ。

去年、いろいろあって何十年かぶりにひとり暮らしになった。Zeebra大先輩の自宅で飲ませてもらったとき、ハードリカー片手にテキパキと洗濯物を畳みながら、先輩は「俺も家事とかできないと思ってたけど、ひとりで暮らしてると全部俺が選んだ俺の物だから、なんとなくできるようになるよ」と。なるほど。

俺は自宅とはいいつつ、いまだに妻の部屋に転がり込んでいる気分のままなのだ。どこか人ごとというか、よくわからないままの領域が多すぎる。

それならば家財道具選びから積極参加し、間取りから何から夫婦で相談しながら選び、共有関係になればいいではないか、と言うのは簡単だが、現実的ではない。そんなことをすれば何をするにもひと悶着(もんちゃく)、どちらかが折れる形でストレスをためるだけになるのは目に見えている。

男は何もできないんだから妻の決めることに口を出さず、文句も言わず、お世話になる。その代わり部屋に昆虫が飛び込んできたときはそっと捕獲して外へ逃してやる。それだけでいいのだ。

男がとか妻がとか、性別を限定してしまったが、それはわが家がそうなだけで、もちろん逆でもいい。できるほうができることをする。できないヤツが無理をしても、ろくな結果にならないのだ。

と、高をくくっている俺が熟年で妻に愛想を尽かされ、レベル1から独居老人をやるハメになったとしたら悲惨だ。その頃までに家事全般をAIに任せられるような進歩に期待をするしかない。

★『呂布カルマのフリースタイル人生論』は毎週木曜日更新!★

  • 呂布カルマ

    呂布カルマ

    Ryoff Karma

    1983年1月7日生まれ、兵庫県出身。名古屋市在住。JET CITY PEOPLE代表。ラッパーとして活躍する一方、グラビアディガー、コメンテーターとしても異彩を放つ。 
    公式X(旧Twitter)【@Yakamashiwa

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