
濱田祐太郎
はまだ・ゆうたろう
濱田祐太郎の記事一覧
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】
盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎さん
『R-1ぐらんぷり』第16代王者にして、盲目のピン芸人・濱田祐太郎のコラムが週刊プレイボーイで好評連載中! その名も「盲目のお笑い芸人・濱田祐太郎の『死角からの一撃』」。
第26回は、お酒にまつわる話。
* * *
春の歓送迎会シーズンや花見、5月のゴールデンウイークが終わって、お酒好きの人たちは飲み会の予定が少し落ち着いた時期でしょうか。
僕もたまにお酒を飲むんですけど、目が見えないと難しいのが、周りの人とペースを合わせながら飲むこと。何人かでお酒を飲んでいても、僕は周りがどんなペースでグラスを空けているのか見えないんです。
20代の頃、先輩に飲みに誘ってもらったときに自分の飲みたいペースで飲んでいたら、先輩に「おまえ、見えてないからって飲むの早すぎるやろ」とツッコまれました。怒る感じではなく、「おまえ、ペースすごいな!」って喜んでくれている感じでしたけどね。
でも実際、20代前半の頃は、飲む量が多いほうがカッコいいと思っていました。女のコと飲んでいるときも、カッコつけようとして、「ビールなら20杯くらい飲んでも平気」とか言っていたんです。本当は5杯飲んだら十分で、10杯なんて飲んだ日には家で吐き散らかしていましたよ。
20代後半になると、今度はお酒の種類でカッコつけるようになりました。「最近ワインにハマってて」とか「スコッチがおいしい」とか周りに言ってましたね。実際にはスコッチなんて飲んだことないのに、なんか名前がカッコいいから言ってました。
そうしたら知人の女性から誕生日プレゼントに本当にスコッチをもらっちゃって。ウイスキーなんてどう飲んだらいいかわからないから、取りあえずコップについで、そのまま飲んでみたんです。
気づいたら2時間気絶してました。「スコッチのアルコール度数はヤバいんだな......」とそのとき初めて知りました。ラベルが見えないから、どのくらいの度数なのかわからなかったんです。
そして30代になり、むやみにカッコつけることがなくなりました。むしろ、お酒を飲み始めた20歳の頃からずっと思っていたけど、恥ずかしくて言えなかった本音が正直に言えるようになりました。
それは「カルピスサワーが一番うまい」ってことです。甘いお酒がおいしいって言うのはカッコ悪いんじゃないかと思ってましたけど、やっぱり好きなものを飲みたいですもん。
カルピスサワーをよく飲むようになったことで、あの味がすると「お酒を飲んでいる」と体にインプットされたのか、最近は普通にカルピスソーダを飲んでも、少し酔っぱらった気分になります。
そして今、30代後半になって、日本酒が好きになってきました。これはカッコつけではなく、本当です。特に高知県の「司牡丹」とか静岡県の「初亀」とかが好きですね。
そんな話を時々していたら、ライブの差し入れで日本酒をいただくようになりました。ただ、僕の家にはおちょこなんて風情のあるものはないので、ポケモンやサンリオのマグカップに入れて飲んでます。
せっかくだからと、日本酒をマグカップに入れて飲む動画をYouTubeに投稿したら、視聴者から「アンバランスすぎる」とツッコまれました。後日、その動画を見た方がおちょこをプレゼントしてくださいました。
そんなふうに、昔はお酒でカッコつけていた僕ですが、今ではゆっくり飲むのが好きになりました。ただ、周りのペースがわからないのは今も変わりません。
今度はちびちび飲みすぎて、一緒に飲んでいた後輩から「濱田さん、お酒苦手ですか?」と勘違いされてしまいましたよ。
●濱田祐太郎(はまだ・ゆうたろう)
1989年生まれ、兵庫県神戸市出身。2013年より芸人として活動を開始し、『R-1ぐらんぷり2018』(フジテレビ)で優勝。関西の劇場を中心に舞台に立つほか、テレビやラジオなどでも活躍。公式X【@7LnFxg25Wdnv8K5】