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もともとカラオケ業界は、地域密着型の中小チェーンがひしめき合っていた。ところが業界再編が進み、大手による寡占化が加速中。まねきねこ、ビッグエコー、BanBanの三強を軸に、今後の未来を予測した!【ニッポン経済 令和の業界再編 三国志 Part4.カラオケ】
*社名、店名表記はホームページに準拠。データは5月7日時点で、店舗数は国内のみで、海外店は含まない。売上高、営業利益、時価総額は運営会社のものを、店舗数はグループ全体ではなく、当該ブランド単体のものを記した。売上高を公表していない企業もあるため、店舗数で順位をつけた。価格はすべて税込みで、店舗によって価格が異なる場合もある。店舗数は唯野奈津実氏のホームページを参照。第一興商はカラオケ以外の事業でも一定程度の売り上げを立てているため、店舗数で順位をつけた
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「カラオケ離れ」が叫ばれる昨今だが、従来の"歌う場所"という枠を超え、新たな利用シーンが広がりつつあるという。「カラオケまねきねこ」の広報担当、勝山大輝氏はこう語る。
「コロナ禍を経て、平日の日中はビジネス利用が増えました。リモートワークが普及してからは集中して仕事をしたい方、外出中で会議や急な対応をしたい方にとって"周囲を気にせず話せる空間"として評価されています」
【店舗数1位】カラオケ まねきねこ(運営会社:コシダカHD) 《売上高》693億8700万円《営業利益》113億9200万円《時価総額》843億1000万円《店舗数》712店 「持ち込みOK」と低価格を武器に、業界最大の店舗数を誇る。現在も出店意欲は旺盛。三強の中でも頭ひとつ抜けた存在となっている
このほか、夜や週末になると若年層を中心に、複数人での動画鑑賞など、推し活での利用が増えるという。
「当社ではWi-Fi環境の整備に加え、長時間利用を見据えた電源の確保やスマホ充電器の有料貸し出し、充電ケーブルの販売なども行なっているんです。
また、スマホやPCの画面をモニターに映せるサービスも導入しており、ライブ配信の鑑賞会などにも活用されています。全店で飲食の持ち込みが自由な点も、長時間利用のお客さまから好評を博しています」
このように大きな変化を迎えつつあるカラオケ業界。カラオケ評論家・唯野奈津実氏に、現在の三強の戦略を分析してもらった。
「カラオケまねきねこは"持ち込みOK"と低価格路線を武器に店舗数を一気に伸ばしてきました。
ルーム料金を抑えて利用のハードルを下げる戦略で、特に若年層や長時間利用者との相性がいい。コロナ禍以降、この安さと柔軟さが支持を集め、業界首位の店舗数を誇ります」
【店舗数2位】カラオケ ビッグエコー(運営会社:第一興商) 《売上高》1530億2000万円《営業利益》179億4500万円《時価総額》1676億4900万円《店舗数》444店 カラオケ機器「DAM」を自社開発する強みを持ち、「音や機種にこだわる層」をがっちり取り込む。安売り競争には乗らず、現在のブランドイメージをより高める戦略が際立つ
他方、ビッグエコーを展開する第一興商は対照的な立ち位置だそう。
「第一興商は『DAM』というカラオケ機器を自社で開発しているメーカーでもあり、音や機種にこだわる層を取り込んできました。基本的に飲食の持ち込みは禁止していて、サービス品質やブランドを重視するスタイルです」
3番手のカラオケBanBanは、独自路線で存在感を示す。
「シン・コーポレーションが展開するカラオケBanBanは、とにかくリーズナブル。さらに特徴的なのが出店戦略で、"急行が止まらない私鉄の駅"のような、他社と競合しない立地を狙う戦略を取ってます。
同社は2024年にGENDAグループの傘下に入り、カラオケ事業の"ロールアップ型M&A"(同業の買収による規模拡大)を推進。カラオケ時遊館など複数のチェーン店を取り込み、グループ全体で約460店舗規模へと拡大しています」
【店舗数3位】カラオケ BanBan(運営会社:シン・コーポレーション) 《売上高》237億8600万円《営業利益》ー《時価総額》非上場《店舗数》399店 リーズナブルな価格設定に加え、急行が止まらない駅などスキマ立地を狙う独自戦略で拡大。一方でカラオケ専業ではないため、将来的に別事業へシフトする可能性も
昨年、カラオケまねきねこを展開するコシダカHDが、カラオケ機器「JOYSOUND」を手がけるエクシングから、子会社スタンダードの店舗事業を約35億円で買収すると発表した。
この動きは一見大きな業界再編にも見えるが、実際のインパクトはどうだったのだろうか。
「カラオケまねきねこはここ10年近くにわたってカラオケ店舗数で業界第1位を独走していて、今回の買収も積極的な店舗拡大の姿勢がより明確になったという印象です。
カラオケ業界では、こうした店舗単位の売買やブランドそのものの吸収合併は珍しくありません。実際、全国展開の大手チェーンが地方チェーンを取り込む動きは以前からありますし、2018年にはシダックスがカラオケ事業から事実上撤退し、カラオケ館を展開するB&Vへ運営子会社を売却。多くの店舗が看板をかけ替える形でブランド転換が行なわれました。
この業界は、有力企業が中小プレイヤーを取り込みながら拡大していく、まさに買収が常態化した弱肉強食の世界なのです」
では今後、三強はどのような展開を見せるのか。
「やはりカラオケまねきねこは今後も店舗拡大を続けるでしょう。体力もあり、出店意欲も強いですからね。一方でビッグエコーは無理に追いかける戦略ではなく、ブランドイメージをより高めていくスタンス。カラオケBanBanは親会社がアミューズメント企業で、カラオケ専業ではないため、採算が取れなければ別の事業にシフトする可能性もあります」
そんな中で、意外な第四極が存在するという。
「複合カフェ最大手の快活CLUBでは300店舗以上でカラオケルームを設置しています。今後はこうした複合施設への併設という形で、カラオケ業界に新風が流れる可能性も想定できます」
新たな潮流がカラオケ業界の勢力図をガラリと変えるか、注目だ。