三菱 eKクロス 今年3月に三菱が満を持してぶっ放した強烈フェイスの軽SUV。ハイブリッドエンジンも用意。三菱自動車 デザイン・プログラム・マネージャーの大石聖二(左)と小沢コージ(右)

ホンダの軽自動車「N-BOX」が絶好調だ。今年5月に新車販売21ヵ月連続のトップを記録。しかし、その座を狙うライバル車が続々と新型に。小沢コージが軽のナマ情報をご開帳するぜ!

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■日産、三菱、ホンダ、ダイハツからも新型が!

スゲェぜ、N-BOXタイフーン! 政府の脱デフレ戦略とはウラハラにニッポン自動車マーケットはビンボー化。軽自動車が売れに売れている。

その象徴が超バカ売れ中の2代目ホンダN-BOXだ! 昨年、4年連続の軽販売年間ナンバーワンどころか、登録車含むオールジャンルでホンダ初の2年連続年販トップをゲット! 名車フィットですら成し遂げていない偉業だが、それをライバルが手をこまねいて見ていると思ったら大間違い。

実は下克上を狙う軽の猛者が今まさに続出中なのだ! まずオザワが気になっているのが三菱eKクロス。このクルマの顔面が衝撃的。単なるワル顔アルファードの小型版じゃない! まさにマントヒヒかクルミを頬張ったリスのような野獣顔を採用。三菱の大石聖二デザイナーは「テーマはキュートビースト。僕たち三菱は、変化球を投げないと勝てないって自分たちでわかってますから」と語る。

そこには過去の猛省がある。三菱は先代eKシリーズから日産と共同開発。ところがデザインを控えめにした結果、日産デイズのほぼ9分の1程度しか売れなかったのだ。

「三菱と日産じゃ販売店数も違いますし、同じ土俵に乗ると向こうのほうが売れる。だから今回はあえて相手の土俵から外れました」(大石氏)

つまり好き嫌いの分かれるこのキュート野獣顔は確信犯で、大石氏は「10人に1人が気に入れば御の字です」と話す、まさに逆ギレ気味の大胆策なのである。実際、その戦略は功を奏し、初期受注は先代の4倍とか。ヤルのぅ!

日産デイズ ハイウェイスター 6年ぶりに全面改良された「デイズ」を投入。5月の新車販売ランキングでは前年同月比39%増を記録

一方、兄弟車の新型日産デイズはというと、シンプルなVモーション顔を採用しているが、中身がハンパない。今回から日産が開発を主導し、走行性能は格段に良くなってる上、日産自慢の半自動運転技術「プロパイロット」を軽初採用!

オザワも乗ったが、コイツがなかなかで、見た目はeKクロスほどの毒気はないが、本革風シートやツヤのあるインパネなどクオリティは上々だ。自慢のプロパイロットも予想以上に魅力的! 渋滞時に路上で完全自動停止ができる上、高速道路のレーントレース性能はマジでびんびん!

ズバリ、ライバルのホンダN-BOXの「ホンダ センシング」を性能で超えてきている。今後、デイズのスーパーハイト版「デイズ ルークス」の新型も出てくる予定で、絶対王者のN-BOXは油断できないと思うぞ!

ホンダ N-WGN 7月登場予定の新型「N-WGN(エヌワゴン)」の顔が6月7日に公開。これはまだバカ売れ確実!?

そして今月先行予約を開始して話題を集めているのが、7月発売予定の2代目N-WGNだ。まだ全貌は明らかになっていないが、今まで以上にホンダらしさを主張した上質なデザインもさることながら、オザワが気になるのはホンダセンシングの大幅進化だ。

渋滞時の完全停止が可能になっているらしいのだ。コイツがマジなら、オザワの愛車N-BOXもアップデートしてくれ!って感じだ。まぁ、ホンダも今後の軽は自動運転技術が勝負になるってわかっているワケだ。もしも新型N-WGNが市場でハマれば、ホンダの軽自動車は盤石の完全独走になっちゃうかも?

ダイハツ タント 7月の発売が予定されている新型タント。ラインナップは「タント」と「タント カスタム」の2モデルを用意

と思っていたら、最後に大物情報が飛び込んできたぜ! N-WGNと同じく7月にダイハツが投入する4代目「タント」はマジでヤバい。

今のバカ売れ軽スーパーハイトを生み出したパイオニアで、2011年に初代N-BOXが出る前は販売クラストップの前チャンプだ。まだ詳細は不明だが、実はオザワ、テストコースでプロトタイプを走らせている。走りのしっかり感、質感はN-BOXを一部超えたかも?ってレベルだ!

エンジンも日本初の複数回点火技術でパワーアップしている上、ダイハツ独自開発のスプリットモード付きCVTも効いててパワーと同時に燃費もN-BOXを超えそうな勢い。

というのも、トヨタのTNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)ならぬダイハツのDNGA(ダイハツ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)技術でプラットフォームから完全新作なのだ。 

戦国時代に突入したニッポン軽自動車、今後に注目だ!