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2年連続最多勝も今季は本調子といえない有原(左/日本ハム)
交流戦が終われば、リーグ戦の再開で熱を帯びるプロ野球。各所で巻き起こるさまざまな"異変"を野球評論家・お股ニキ氏が徹底解説する! 【緊急報告! プロ野球「まさかの異変」】
パ・リーグ優勝の大本命と目されていた日本ハムが、開幕から波に乗り切れていない。
とりわけ、ここ数年はパ・リーグ2強の一角だった宿敵ソフトバンクに対して、開幕から8戦全敗。しかも、65失点とカモにされている。
投打に有力選手をそろえるタレント軍団に何が起きているのか? お股ニキ氏がその真相を読み解く。
「最大の原因は、データ上の最適解を求めすぎている点にあります。ソフトバンクもデータ活用を徹底し、日本ハムの配球や傾向を完璧に分析しているようです。
日本ハムはデータ上の最適解を求めすぎるあまり、徹底的に分析してくるソフトバンクにほとんど見透かされてしまっています。交流戦前までの対ソフトバンク戦はそのような状態でした」
問題は投手陣だけではない。
「打者も打球速度や一発を求めるあまり、全員が似たようなスイングになり、ここぞという場面での対応力を欠いています。データ最優先は一見合理的に見えますが、相手もデータを見ていると、いとも簡単に攻略されてしまいます」
さらに、近年のソフトバンクは、日本ハムへの対抗心がすさまじいという。
「球団を挙げて徹底的に対策している印象です。日本ハムが合理的に配球すればするほど、待ち球を絞られてしまう悪循環に陥っています。捕手が若く、投手の球筋や軌道、癖まで分析されている状況では、最適解と思っていても、相手に読まれやすくなってしまうのです」
その弊害は、正捕手・田宮裕涼(ゆあ)のリードにも表れているという。固定された正捕手は、それだけ相手の研究対象になりやすい。
「昨年オフに阪神へトレードで移籍した伏見寅威(とらい)に代わってレギュラーとなり、開幕から現在までの対ソフトバンク8試合のうち、実に7試合でマスクをかぶった田宮が徹底研究されています。定着1年目でまだ難しい面もあります」
今季はソフトバンクを相手に7試合でマスクをかぶっている田宮(日本ハム)
期待されていた投手陣にも誤算が生じている。
「エースの伊藤大海(ひろみ)やソフトバンクから引き抜いた有原航平、若手の達孝太らをソフトバンク戦にぶつけ続けましたが、本調子ではなく対策もされている。結果、試合をつくれず、先発適性のある古林睿煬(グーリン・ルェヤン)や山﨑福也(やまさき・さちや)を中継ぎに回して炎上。戦力をうまく配分できない悪循環に陥ってしまっています」
だが、悲観材料ばかりではない。普段対戦しない相手と戦う交流戦では、日本ハムのチーム防御率は12球団トップクラスへと一変した。
「交流戦を経て、調子は確実に上向いています。伊藤も最速154キロの出力を取り戻しつつあるのは好材料です。打線は12球団トップクラスの破壊力を保ち、フランミル・レイエスら長距離砲も健在。
守備の粗さや競った場面でのもろさは課題ですが、地力は間違いなくあります。あとは勝てない相手に対して、どのように対抗していくか。新庄剛志監督の采配なら、データの一歩先をいく野球も可能なので、今後に期待したいです」
リーグ戦再開後、宿敵への借りをどう返すか。タレント軍団の逆襲はここからが本番だ。
*成績はすべて6月8日時点