独創的な料理を続々と開発している野島慎一郎氏
『週刊プレイボーイ』で「激ウマ！！ バカレシピ研究所」を連載中のＢ級フード研究家・野島慎一郎（のじま・しんいちろう）さん。
今回の"バカレシピ"は、カレーヌードルを麺がなくなるまで煮詰めて、カレーライスにした「カレーヌードル 煮込みカレー」！
＊ ＊ ＊
【今回の食材】
・カップヌードル カレー ・ご飯
野島 今日はどうしてもやってみたいことがあるんだ。まず大前提として僕はカレーヌードルが世界最高峰のカレーのひとつだと思っているんだけど。
助手 世界最高峰は言いすぎな気もするけど、異議なしッス。
野島 カレーヌードルと同じ味のカレーライスがあったら絶対にウマいと思うんです。だから今回はカレーヌードルを麺がなくなるまで煮詰めて、カレーライスに転生させてみようかと。
助手 さすがにバカすぎる！
野島 おそらく麺を一緒に煮込むことで塩味などがプラスされると思うんです。もしかしたらこれが奇跡的な化学反応を起こすかもしれない。それなら実際に試すのがわれわれの役目でしょ？
助手 それは確かに......！
野島 そして試作したカレーを食べるのが助手くんの役目！
助手 アンタが作りたがってるんだから、アンタも食えよ！
野島 それではカレーヌードルに熱湯を注ぎ、麺がのびるまでスマホでもいじって待ちます。
助手 調理手順１が「待機」になるレシピって前代未聞ッス！
（１）待機！ カレーヌードルに熱湯を注ぎ、３分を超えて麺が完全にのびるまで待機する。スマホを片手に持ち、ゲームに課金したりＹｏｕＴｕｂｅを眺めたりしながらのんびり気長に待とう
野島 麺がのびたら鍋に移してひたすら煮込み続けましょう。
助手 あっ！ 漂ってくる香りは最高にスパイシー！ これは食欲がかき立てられるッス。においをオカズにメシが食える！
（２）煮込む！ 麺がのびきったら鍋に移して煮込み開始。この際、麺を細かくしておくのがポイント。お湯を注ぐ前にカップを押して麺を砕いてもいいし、のびた麺をハサミなどで刻んでもよい
野島 ここにカレー粉を入れたりして味を調整すれば確実に勝利を手にすることができますが、今回はカレーヌードルのポテンシャルを確かめたい。あえてこのまま煮込み続けます！
助手 おおおっ、根気よく煮詰めていたら見た目がだいぶドライカレー状になってきたッス。
（３）煮詰める！ 鍋の底に麺が焦げつかないように気をつけつつ、弱火～中火でコトコトとかき混ぜながら煮込み続けよう。全体的に水分が飛び、ドライカレー状になってきたら完成だ
野島 最後はカレーヌードルの容器に戻してからご飯の上に盛りつけます。ソイヤッ！
助手 見た目はオシャレなカフェのカレーみたいッス！ でも味は？ ......うわあっ、離乳食みたいな味の薄さッス！
（４）盛りつけ！ 盛りつけの際には空き容器にカレーヌードルをいったん戻し、皿に盛りつけたライスの上にひっくり返すとオシャレに仕上げられる。カレーの新境地を堪能せよ！
（５）完成！「カレーヌードル 煮込みカレー」
野島 バカモノ！ そんな恐る恐る食べてたら潜在的なウマさに気づけないぞ。もっと本気になって豪快にかっ食らえ！
助手 あっ、ガッツリ口に入れたらスパイス感特濃になってるじゃん！ ほのかな塩味も悪くないな。一般的なカレーとは全然違うけど、とりあえずご飯が進む味には仕上がってるッス！
野島 なるほど悪くないですね！ これはカレーに味を足すのではなく、ご飯に味を足したら完全体になるかもしれない！
助手 おおっ、いったいどんな味が合いそうッスか！？
野島 このご飯にレトルトカレーを混ぜたら絶対にウマい！
助手 それなら最初からレトルトカレーを食っとけよ！！
●野島慎一郎（のじま・しんいちろう）
ライター、マンガ家、Ｂ級フード研究家。独創的な料理を続々と開発している。著書『世界一美味しい「どん二郎」の作り方』（宝島社）。ＹｏｕＴｕｂｅ『のじまちゃんねる』
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