明知真理子
あけち・まりこ
明知真理子の記事一覧
洋楽ロック雑誌出身のエディトリアルライター。ビジネスからカルチャーまで幅広く取材・執筆に携わる。旅と本とルチャリブレ好き。バイクのスタントもこなす。
X(旧Twitter)【@marippejapan】

ますます盛り上がる女子プロレス界で、グラビア出身の美しき"グラレスラー"たちが増えている。2010年頃に活躍した愛川ゆず季はその元祖で、女子プロレス大賞も受賞したレジェンドだ。その愛川が今年1月、13年ぶりの復帰を期間限定ながら果たし、その相手に、デビュー1年の新人を指名し、にわかに注目を集めた。
その新人とは、大人っぽいまなざしとムチムチ健康ボディが魅力の姫ゆりあ。グラビアアイドルから転身し、人気女子プロレス団体「スターダム」で25年1月にデビューした新進気鋭の選手だ。彼女は試合では負けたものの、大先輩を相手にビンタを堂々と見舞い、次世代グラレスラーの台頭を印象付けた。輝き始めた彼女に、これからの夢を語ってもらった!
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姫ゆりあの入場時のポーズは自身がグラビアを意識して、考えたとか(写真提供/スターダム)
――今年1月、期間限定で復帰した愛川ゆず季選手から指名され、グラビアアイドル出身の"グラレスラー"による新旧対決が実現(2026年1月21日後楽園ホール・愛川ゆず季&なつぽい&スターライトキッドvsさくらあや&玖麗さやか&姫の6人タッグマッチ)。女同士の熱い戦いが話題になりました。姫さんはあの"伝説のグラレスラー"との一騎打ちで一歩も引かなかったですね。
姫 いやもう必死というか、いつも以上に気合いが入りました。そのせいか愛川さんにめちゃめちゃビンタしちゃって。自分でもびっくりしました。でもその分、ビンタの倍返しを食らっちゃいましたけど(笑)。
――会場中、盛り上がっていましたね。姫さんは最終的に試合には負けたものの何度もバチバチにやり返し、愛川さんに首4の字固めを仕掛け、あわや勝利を掴みそうな場面もありました。
姫 でも勝ちたかったな。愛川さんが一時代を築かれたのは尊敬してるけど、いまリングで頑張ってるのは自分。現役が負けるべきじゃないと思うし。
今年中にやりかえして、次こそ時代が変わったことを証明します。そして「グラレスラーといえば姫ゆりあ」と言われたいですね!

2026年1月21日・後楽園ホール大会で、「スターダム15周年記念 ゆずポン限定復帰戦」が行われ、さくらあや・玖麗さやか・姫が愛川ゆず季・なつぽい・スターライトキッドの6人タッグマッチで激突。姫は善戦するも、最後は愛川のタイガースープレックスホールドに沈んだ。(2枚とも写真提供/スターダム)
――現役グラレスラーとして時代を変えると。志が高いですね!
姫 めっちゃビッグマウスですよね、自分(笑)。でもスターダムのオーディションの時から「自分はエースになる」って言い続けてるので、気持ちだけは一人前なんです。
――そもそも、なぜプロレスの道へ?
姫 18歳の時、初めて生観戦して一瞬でハマっちゃって。もともと「何でもやってみたい精神」が強いので、プロレスもすぐにやりたいって思ったんです。でも親から「好奇心で始めていい仕事じゃない」って猛反対されて。
――猛反対?
姫 人生で初めて反対されました。両親ともプロレスが好き。だからかもしれないけど、「プロレスは自分だけでなく、相手の命も預かる仕事。中途半端な気持ちならやめるべきだ」って。納得して一度あきらめたんです。
それで25歳までは好きに生きようと、グラビアのお仕事をやっていたんですけど、24歳の時にスターダムの募集を見て「これを逃したら一生後悔する」と思って。今度は相談せずに勝手にオーディションを受けて、寮に入ることが決まってから事後報告しました。
――実際に足を踏み入れたプロレス界は、想像通りでした?
姫 正直、軍隊みたいな世界だろうと覚悟していたんです。でも入ってみたら、先輩が優しくて! できない動きもイチから丁寧に、できるまで根気強く付き合ってくださる。意外というか、びっくりしました。
――ギャップがあったと。新人が露出多めのコスチュームだと「10年早い!」みたいに怒られそうですが......。
姫 まったく言われないですね。自分たちが伸び伸び自分を表現できる環境で、すごくありがたいです。

――プロレスといえば理不尽なシゴキに耐えるイメージがありましたが、そんな時代ではないんですね。とはいえ、デビューまでは1年以上の厳しい修行期間があったとか。やめようとは思わなかった?
姫 後から入ってきた子が、先にデビューしていくのを目の当たりにするのは正直しんどかったです。でも「ここでやめるわけにはいかない、絶対に一番になる!」と常に自分に言い聞かせました。デビュー後に地元・宇都宮に凱旋した時は(2025年2月24日/栃木・ライトキューブ宇都宮)、家族や友達が応援しにきてくれて「やっとプロレスラーになれたんだ」って感極まりましたね。
――反対していた家族もいまは応援してくれる?
姫 はい。パパは気持ちが少年なので、実家に帰ると一緒にプロレスごっこしています。「体大丈夫?」「あの試合よかったね」とかうるさいくらい毎日、LINEを送ってきます。
――パパは心配なんです(笑)。ちなみに"グラレスラー"と呼ばれるのは、ご自身の中でどう感じますか?
姫 光栄に思っています。「どうせグラビアで売れなかったから来たんだろう」なんて声もありますけど、私はグラビアもプロレスと同じくらい大好きだし大切なもの。どちらも本気で取り組む、唯一無二のグラレスラーになりたいです。
――スターダムのグラレスラーといえば、愛川ゆず季さんのほかに、白川未奈選手というレジェンドもいました(2025年退団。現在は米・AWEを主戦場としている)。姫さんは白川には特別な思いがあり、退団される際には、新人ながら「コスチュームを売って欲しい」と頼んだそうですね(笑)。
姫 こんなかわいい人が女子プロレスにいるんだってまずは驚いたし、グラビア出身という同じバックボーンを持っていて、プロレスでもグラビアでも結果を残されているし、すごい憧れです。その憧れの人がいなくなっちゃうから、何か形に残るものが欲しいなって。結局プレゼントしていただいて、ベルトに挑戦する時とか大事な試合で着ています。
姫 高校3年生の時、モデルになりたいと思ったんです。で、モデルとグラビアの違いも分からないまま『ヤングジャンプ』さんの「制コレ」に応募したんです。そこで水着を着てみたら楽しくて。もともと"露出"するのが好きだったみたい(笑)。それにめっちゃ自分が大好きなんで、洋服を見せるモデルより、自分を輝かせるグラビアの方が向いてるなと思ったんですよね。
――なるほど。では自分の体の好きなパーツはどこですか?
姫 お尻! リングに上がった時のポーズは、お尻がきれいに見えるようにグラビアで研究しました(笑)。あとはムチムチの全身。今、プロレスやりながらグラビアやってる方は、スラっとしたアスリート系が多いので、私はあえて、健康的でムチムチした肉付きの良さを武器にしていきたいなと。
――なるほど。自分を魅せる術は、グラビア界でのライバルとの戦いの中で磨かれた?
姫 それはあるかも。人とかぶりたくないし、自分がどうすれば輝けるか、上に行けるかは常に考えます。グラビアでは「第8回ミスヤングチャンピオン」や「ミスプレミア2020」など出ていて、ライバルがいる中で毎日何時間も配信したりとか、リアルタイムで順位が変わっていくので、メンタルはそこで強くなった気がします。あの時の経験があったからこそ今があるなって思います。
グラビア活動も精力的にやっていきいきたいと意気込む。特に気に入っているパーツは「お尻」だとか
――キックボクシングのキャリアがあるのに、あえて蹴り技は封印し、首4の字固めにこだわるのも、独自の戦略?
姫 そうですね。何ごとも人とかぶりたくないんです。キックを使う人は多いけど、首4の字をフィニッシュで使う人は今は少ないので。もっと言えば、露出の多いコスチュームもそう。今はそういうのを着ている人は少ないですからね。新人だけど、遠慮せず自分の色をどんどん出していきたいです。
――今年、デビューして2年目ですが、どんな意識で日々を送っていますか?
姫 プロレスって面白いんですよね。1試合として同じものはないし、正解がないから楽しい。また生モノで、同じ動きをしてもお客さんの反応はまったく違うし、自分の感情の乗り方も違う。自分の試合の動画を毎日チェックして、「次はこうしよう!」と考えるのが楽しいですね。
――では最後に、今後の夢を教えてください!
姫 まずはフューチャー・オブ・スターダムのベルトを獲って、ベルトグラビアをやること。自分はグランドスラムを目指しているので、最終的には全部のベルトを獲ってグラビアをやりたいです。
スターダムという団体で1年間頑張れたことは自分にとって大きな自信。今年は大好きなグラビア活動もどんどんやって、グラレスラー・姫ゆりあの存在を広く知らしめたい。そして、日本だけでなく世界にもその名を轟かせるような存在になるのが最終目標ですね!

●姫ゆりあ(ひめ ゆりあ)
1999年2月6日生まれ 栃木県宇都宮市出身
身長/162cm 体重/57キロ
2025年1月26日『STARDOM AWARD 2024 in TAKADANOBABA~Day2』高田馬場大会で舞華選手を相手にデビュー戦を行う(9分7秒、片羽絞めで敗戦)。
スターダム内のユニットではスターズに所属。グラビア活動も行う"グラレスラー"として注目を集めている。