スズキが放ったコンパクトカーの押し出し感がスゴい! 公道試乗でわかった"走る顔面凶器"ソリオ バンディットの実力

取材・文/週プレ自動車班 撮影/山本佳吾

顔面ばかりに目が向くが、衝突被害軽減ブレーキを全車標準装備。車線維持支援機能など先進の安全装備も充実顔面ばかりに目が向くが、衝突被害軽減ブレーキを全車標準装備。車線維持支援機能など先進の安全装備も充実

スズキのドル箱コンパクトカー、ソリオ。そのイカついカスタム版とも言えるのがソリオ バンディット。2025年の改良で顔面の圧は一段と強まった。バックミラー越しに現れたら二度見は確実! 果たしてその走りの実力はどんなもんか!?

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【全長4m未満なのにこのド迫力!】

現在、スズキの登録車の中で〝ドル箱〟といえばソリオ。コンパクトなボディにスライドドア、そして広い室内空間。使い勝手の良さを絶妙なサイズに凝縮したパッケージングで支持を集め、今やスズキを代表する主力モデルのひとつとなっている。

そんなソリオに、ひときわ〝イカつい〟キャラクターを与えたモデルがソリオ バンディット。しかも、2025年1月の一部仕様変更でさらに表情が変貌!!

スズキ ソリオ バンディット ハイブリッドMV 価格:233万6400円~ 2025年1月16日に発売された改良モデル。今回試乗したソリオ バンディットは顔面の圧がエグいスズキ ソリオ バンディット ハイブリッドMV 価格:233万6400円~ 2025年1月16日に発売された改良モデル。今回試乗したソリオ バンディットは顔面の圧がエグい

ボディサイズは全長3810mm×全幅1645mm×全高1745mm。最小回転半径4.8mの小回り性能も光るボディサイズは全長3810mm×全幅1645mm×全高1745mm。最小回転半径4.8mの小回り性能も光る

実車を目の前にすると、思わずニヤリとしてしまうほどの迫力がある。大型グリルに立体的なバンパー、そして大胆にあしらわれたメッキ加飾。全長4mに満たないコンパクトカーとは思えないほど、強烈な押し出し感を放っている。

販売現場でも、来店客から「この顔は存在感というか圧がヤバい」「エグいオラオラ感だね」といった驚嘆の声が少なくないという。

では、このソリオ バンディットとはどんなクルマなのか。自動車ジャーナリストの桃田健史氏に聞いた。

「90年代後半に登場したスズキ軽の中核モデル、ワゴンRをベースとしたグローバルモデルが、2000年代に入って国内では新設計の登録車、小型ミニバンのソリオへと進化しました。

一方、ミニバン市場では、標準モデルに対して押し出しの強いデザインを採用した派生モデルとの2本立てが主流になっています。ソリオもその流れを受け、派生モデルとしてソリオ バンディットが登場しました」

桃田氏は現行モデルのデザインをこう解説する。

「『これでもか!』というくらいの押し出し感は、軽スーパートールワゴンのスペーシア カスタムよりも強めです。ミニバンではトヨタのアルファードやヴェルファイアのような押し出しの強いデザインを見慣れた人も多い。そうした人にとっては、コンパクトミニバンでもこれくらいの存在感が欲しい。その要望にベストマッチしたデザインだと思います」

ちなみにバンディットという車名は、かつてスズキが展開していた人気バイクシリーズでも知られる名前。英語では〝無頼漢〟や〝山賊〟を意味する。標準車とは異なる、ちょっとワイルドなキャラクター性を与えるという狙いは、そのネーミングからも伝わってくる。

とはいえ、ソリオ バンディットの魅力は見た目だけではない。ベースとなるソリオが長く支持されてきた最大の理由は、やはり使い勝手の良さだ。コンパクトなボディは、狭い住宅街や駐車場でも扱いやすい。スライドドアは子供の乗り降りや買い物で威力を発揮する。室内も十分に広く、日常生活の相棒として不満を感じる場面は少ない。

つまり、ソリオ バンディットの大きなストロングポイントは、「顔」と「実用性」にある。

そこで気になるのは走り。桃田氏は装備と走りについて、こう評価する。

「マイルドハイブリッドでシンプルなシステム構成ながら、燃費性能は向上しています。ADAS(先進運転支援システム)も上級ミニバン並みの性能へと進化しました。

そもそもソリオとソリオ バンディットは、スズキのスイフトをほうふつとさせる走りの良さに定評がある。そこに中級ミニバンからの乗り換え需要なども考慮され、走りがさらに洗練された印象です」

従来の1.2リットル直4エンジン車は姿を消し、パワートレインは1.2リットル直3マイルドハイブリッドへと一本化従来の1.2リットル直4エンジン車は姿を消し、パワートレインは1.2リットル直3マイルドハイブリッドへと一本化

パワートレインには、新型スイフトにも採用される1.2リットル直列3気筒エンジンを搭載。CVTとマイルドハイブリッドを組み合わせ、WLTCモード燃費は22km/リットルを達成している。

週プレ自動車班が街中を走らせてみると、まず際立つのが扱いやすさ。アクセル操作に対する反応は自然で、発進もスムーズ。毎日使うクルマとしての完成度はかなり高い。コーナーでもボディの姿勢変化は穏やかで、コンパクトな車体らしい軽快さも感じられる。

さらに電動パーキングブレーキやブレーキホールドを採用。ADASも強化され、日常での利便性と安全性は着実に進化している。

背高ボディだけあって車内はマジでチョー広々。電動パーキングブレーキも備わり使い勝手は上々背高ボディだけあって車内はマジでチョー広々。電動パーキングブレーキも備わり使い勝手は上々

後席は左右独立で前後スライドに対応。ただ、5人乗車時は左右シートを同じ位置に調整する必要アリ後席は左右独立で前後スライドに対応。ただ、5人乗車時は左右シートを同じ位置に調整する必要アリ

桃田氏は、ソリオ バンディットをこう総括する。

「近年、日本では新車価格が高くなったという印象を持つ人が増えています。そうした中で、このクルマは〝ちょうどいい〟。スズキが掲げるものづくりの行動理念『小、少、軽、短、美』を具現化した代表例だと思います。ファミリー層が日常生活を送る上で、コストも含めて最適化された秀作ソリオを、さらにワクワクさせた意欲作です」

確かに、実際に乗ってみると、その〝ちょうどよさ〟がよくわかる。ボディはコンパクト。スライドドアは便利。運転もしやすい。ソリオが長く支持されてきた理由は、こうしたひとつひとつの美点を積み重ねてきたことにある。

そこへソリオ バンディットは、強烈なフロントマスクという〝劇薬〟をひと振り。実用性だけでは物足りない。毎日乗るクルマだからこそ、限界突破のブチアゲな見た目も欲しい。そんな欲張りなニーズに応えたのが、この〝イカついソリオ〟なのである。

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