
酒井優考
さかい・まさたか
酒井優考の記事一覧
週刊少年ジャンプのライター、音楽ナタリーの記者、タワーレコード「bounce」「TOWER PLUS」「Mikiki」の編集者などを経て、現在はフリーのライター・編集者。

吉本興業所属のお笑い芸人で、現在は絵本作家やイラスト作家、バンド「ジュースごくごく倶楽部」のボーカルとしても活躍する山﨑おしるこが、初のグラビアに挑戦し、7月20日(祝)にデジタル写真集『おしるこ日和』をリリース。
自信ゼロ、全身がコンプレックスだと語る「しるネキ」が、なぜグラビアに挑戦したのか? グラビア再挑戦はあるのか? 撮影直後の本人に心境を語ってもらった。
* * *
――早朝からの撮影でしたが、そもそも朝が苦手で前の前のコンビを解散してるんですよね。
山﨑 いつの何の情報を見たんですか(笑)。はい、もう朝は捨てました。でも気合い入れて、数日前から活動する時間をずらして頑張ったので、何とか......。
――そもそも、芸人でバンドマンで絵本作家なおしるこさんが、なぜ今回グラビアに挑戦していただけることになったんですか?
山﨑 バンド(ジュースごくごく倶楽部)の写真も撮ってくれているカメラマンの是永日和さんに言われて、断れなくて、です。日和さんとは上京してからずっとの付き合いで、一緒に仕事をする機会が多くて、バンドメンバーも含めてみんなでファミリー的な感じなんです。家族の一員みたいな人から「グラビア撮ってみませんか?」って言われたんで、最初は「うわあ......マズい」と思いましたけど「これは断れないな」って。
――そこからやる気になったんですか?
山﨑 最初にお話があったのが半年近く前で、その時は「頑張ります」とか言ってたんですけど、撮影が近付くにつれて、もうどんどん「大丈夫かな」って不安になってきて。昨日の夜まで「どうしようどうしよう」って悩んでて、今朝もギリギリのところで飛ぶか迷ってたくらいで(笑)。でもどうにか「頑張ろう」って思いましたね。
――カメラマンは一緒でも、バンド写真の撮影とは違いましたか?
山﨑 全然違いましたけど、でも逆に写真撮る時の日和さんの雰囲気は何度も見てるので、そこはすごく安心感がありましたね。私の着てる服が違うだけで、カメラマンは何にも変わってないんで。なので不安はすぐになくなって、だいぶリラックスしてできました。
山﨑 自信!? ゼロですよ! 本当に何にもないです。ゼロというか、もうマイナスですよ。身体なんて今まで見せないように隠して隠して生きてきたのに、こんな状況になってしまって、もう本当に恥ずかしくて、今すぐ舌噛んで死にたいぐらいですよ(笑)。
――そんなこと言わないでください(笑)。それでもグラビアに挑戦しようと思ったのはなぜですか?
山﨑 そうですね......。私は『キン肉マン』が大好きで、ずっと連載してるのもあるし、それ以外にもプレイボーイって大きな存在じゃないですか。それに「グラビアに挑戦してみないか」なんて言ってもらえることなんて人生でもう二度とないと思ったので、それもあって引き受けさせていただきました。
――グラビアに限らず、被写体になることは好きですか。
山﨑 若い頃は撮られるのが好きで、10代後半から20代はコスプレとか、モデル的なこともやってたんですけど。今はこんなだらしない身体になって、どんどん自信がなくなってきて。しかも芸人になったら撮られる写真の種類も変わってくるじゃないですか。だから本当に慣れてなくて。......ずっとマイナスなことしか言ってないな(笑)。
――『バキ童チャンネル』などでも人気ですけど、よく「相手と目を合わせないところがガチのオタクっぽくて共感できる」みたいなコメントが付きますよね。
山﨑 本当に人と目が合わせられないし、よく挙動不審とか言われたりもします(笑)。情けない話ですけど、私は何言われてもいいんですよ。視聴者の皆さんが私を勝手に面白くしてくれてるのはありがたいことです。
――カメラ目線を向けるのは大丈夫でした?
山﨑 「目線ください」って言われたら見ますけど、基本はあんまり見たくないですね。やっぱり自信のなさが全部出ちゃうんです。

――飼ってるダンゴムシや野良のダンゴムシもグラビアに登場しました。
山﨑 それも本当にありがたい話ですね。これも本当、普段から私に理解のあるカメラマンの日和さんじゃなかったら実現できなかったので。事前に「こういうイメージで行きましょう」っていう打ち合わせがあったんですけど、その時に「ダンゴムシと撮るのはどうですか?」って話をちょっとしたら、「ぜひ撮りましょう」って言ってくださって。本当に感謝です。
――今回のテーマは「執筆作業に行き詰まった女流作家」ということで、おしるこさんは実際に絵本を執筆したりイラストを描いたりもされるので、そうかけ離れてはいないテーマですよね。
山﨑 そうですね。今もいろいろ抱えてて行き詰まってることがたくさんあるので、そう遠くはないです。作詞も含めて書くもの、描くもの、作るものが常にいろいろあるので。
――そんな時に、今回のようにちょっと海辺の街の旅館に来て、ちょっと遠くに思いを馳せてみたりとかはしますか?
山﨑 そこまではしないですけど、ビーチコーミングが趣味なので、リアルにクルマ飛ばして海に行くことは多いですね。あれは精神を落ち着かせるために駆け込みでやってることなんで。あとは大きい公園まで歩いたり、散歩して虫を探したりとか、やっぱりどうしても自然のほうに身体が行きますね。だから今回、海辺で撮影できてめっちゃ嬉しかったです。
――出来上がりを見て、自分の新たな一面とか意外な武器とかは見付かりました?
山﨑 ないです! すごく綺麗に撮ってもらったのは嬉しかったですけど、私、本当に貧乳・ケツでかの全身コンプレックス女なんですよ。本当にどうしようもない、だらしない体形で。だからこれから死ぬほどレタッチしていただいて、別人ぐらいにしてもらえたらありがたいですね(笑)。
――(笑)。グラビアを撮影するにあたって、例えばおしるこさんのお好きなアニメキャラとか、往年のグラビアとかを意識したり見返したりはしました?
山﨑 意識だなんて恐れ多いですけど、プレイボーイさんが創刊50周年の時に出された本があって(『週刊プレイボーイ創刊50周年記念出版「熱狂」』)、あれはたくさん読ませてもらいました。私の世代で言うと、やっぱりすごかったのはMEGUMIさんとか優香さんが本当に素晴らしいグラビアを披露してらして。
――目指せMEGUMI、目指せ優香、ですか。
山﨑 バカ言わないでくださいよ!(笑) 私が目指せるわけないじゃないですか!
――反響次第では再挑戦したり、さらなる露出に期待したりとかもあるのかと思いまして。「え、しるネキのグラビア結構いいじゃん」みたいな。
山﨑 いや、もう本当ご勘弁願いたいですね。
――今回が最初で最後ですか? 結構良いグラビアになったと思うんですけど。
山﨑 もし「良かった」と言ってもらえるのだとしたら、それはすごくありがたいことなんですけど、それよりもこのグラビアきっかけで私の絵本を買っていただいたり、バンド活動を観ていただいたりしてもらえたら嬉しいですね。逆にバンドや絵本で知った方にはグラビアも見てもらいたいですし、相乗効果になればいいなと思っています。逆に私、今いろいろやりすぎて何やってる人だか分かんなくなっちゃってるので。
山﨑 こればっかりは私も読めないんです。ずっとやり続けているのは絵と音楽で、その2本の柱は大きいですけど、急に「これやりたい!」って思ったら、新しいこともやっちゃうんですよね。たぶん絵と音楽に付随する何か創作だとは思いますけど。
――お笑いではない?
山﨑 今、全然舞台には立っていないので、芸人っていう肩書きは外そうと思ってるくらいで。
――ただ、ネタ作りもそうですけど、ストーリーやシチュエーションを考えるのはお得意じゃないですか。だからご自身のグラビアじゃなくてもプロデュース側に回るとか。
山﨑 たしかにそうですね。でも自分が完全に好きにプロデュースしていいとなると、また昆虫×女体みたいな方向になるので(笑)、プレイボーイさんに掲載するのは難しいと思います。
――以前、鈴木バイダンさんのYouTubeで「太ってる人を支配したい欲がある」と言ってましたけど、例えばSっ気のあるグラビアとか。
山﨑 うわ、懐かし! なんですか、それはブタ役を用意するってことですか!? それはそれで面白そうですけど(笑)、それは私じゃない人で見たいですね。
――あとヒーロー戦隊のラバースーツ感がお好きとか。おしるこさんのラバースーツ姿を見たいファンの方や、おしるこさんに踏まれたい方もいらっしゃるかなと思ったんですが。
山﨑 たしかにめっちゃ好きで、そういう衣装のフェチではあるんですけど、自分が着ることとは結びつかないんですよ。いやー、グラビアは今回が最初で最後がいいんじゃないですかね(笑)。今日も撮影中にたくさん「かわいい」とか言っていただいてありがたかったですけど、もういい歳ですよ、本当。
――おしるこさん自身は、過去にアスキーアートとか様々なキャラクターをいやらしい目線で見ていたという話をしていますけど、今度そういう視線がおしるこさんに向けられることについてはいかがですか。
山﨑 それもたしかにしましたね(笑)。でもそれはもうマジで好きに見てもらって大丈夫です。購入ボタンさえ押していただければ、どの角度から楽しんでもらってもいいので。とにかく購入していただく、これが全てです。エッチな目線でも、普通にキレイだなと思っていただくでも、どういう風に思おうが、こちらとしては買っていただくのが一番嬉しいことなので。
もちろん、男性だけでなく女性のファンの方にも見ていただきたいですし。まあ同性から見ても、こんなんでどうなんだ?と思うかもしれないですけど......。結局、まだ撮られたばかりで、いまだに気持ちの整理ができてない状態ではありますね(笑)。いや、こんな機会は確かに一生ないんで、めっちゃ面白くて貴重な体験ができたとは思うんですけど。
――これからも絵でも音楽でも活躍しつつ、またできればグラビアも見たいですし、あとは、ぜひ週プレNEWSでマンガ連載をしてほしいです!
山﨑 それは本当にありがたいです。ぜひやりたいです! ネタ探しをしておきます!
●山﨑おしるこ(OSHIRUKO YAMASAKI)
1994年12月20日生まれ。福岡県出身。
大阪芸術大学卒業。吉本興業所属のお笑い芸人。イラスト制作を得意とし、2024年に『だんごむしまつり』(KADOKAWA)で絵本作家デビュー。2025年に作画を担当した『あのね あのね』(303BOOKS)を発売。バンド「ジュースごくごく倶楽部」のボーカルや、ハンドメイド作家としても活躍している。趣味は、ダンゴムシの飼育、ビーチコーミング。