日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『隣人たち』をレビュー!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。疑念と妄想が渦巻くサイコ・スリラー!
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『隣人たち』
評点:★2.5点(5点満点)© 2023 MINSTINCT INC. ALL RIGHTS RESERVED.© 2023 MINSTINCT INC. ALL RIGHTS RESERVED.

「1960年代アメリカ郊外」の欺瞞

アン・ハサウェイとジェシカ・チャステイン、2人の人気女優が主役を演じ、製作も手掛けたスリラー映画で、2018年のフランス・ベルギー合作映画『母親たち』のリメイクである。

舞台は1960年代のアメリカ郊外。

当時の郊外はそれなりに裕福な白人しか住めない区域で、隣り合う家に住む主人公2人はどちらも幼い子供を持つ主婦。

だが片方の息子が思わぬ事故で命を落としたことをきっかけに2人の関係はぎくしゃくし始め、疑念がつのる中、さらなる悲劇が到来する。

一見して分かるように本作の裏テーマは1960年代、「夢の郊外」に暮らす、経済的に恵まれた白人のカラフルで完璧で欺瞞に満ちたライフスタイルとメンタリティだ。

しかしながら、同じくかつてのアメリカ郊外をはっきりシニカルな「夢」として提示した『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』(1986年)や、類似するテーマを奇想を交えて描いた『ドント・ウォーリー・ダーリン』(2022年)の切れ味と比べると本作の踏み込み方はいかにも物足りない。

また、息子を失ったばかりの母親をサイコティックなキャラクターとして表現することは当然可能だとは思うが、本作はそこにうまく説得力を持たせられていない。

 

STORY:1960年代アメリカ、隣同士の家に住む親友のセリーヌとアリス。同い年のひとり息子を持ち、幸せな生活を送るふたりだが、セリーヌの息子が不幸な事故に遭ったことで関係は一変。やがて狂気と妄想にのみ込まれていく

監督:ブノワ・ドゥローム
出演:アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステインほか
上映時間:94分

全国公開中

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