テレビは「窮屈で夢のない世界」? 呂布カルマが期待すること

撮影/田中智久

『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『テレビ業界』について語った。

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★今週のひと言「斜陽のテレビ業界、どんな終焉(しゅうえん)を迎えるのか」

読者の皆さんはテレビを見ていますか?

それはまあ、年代によるか。老人は今もテレビを見ているっぽいし、赤ちゃんとか幼児を育てている期間はやはりなんだかんだいってNHKのEテレにはお世話になった。

逆に言うと、それ以外は俺自身もほとんど見なくなった。チャンネルを合わせるのはニュース番組ぐらいか。

テレビ業界の斜陽はここ10年に始まったことではない。業界の内外からその声は上がり続け、それでも有効な打開策はなく、ジリ貧で少しずつその規模と影響力を失い続けている。

俺自身はテレビにも呼ばれる珍しいラッパーのポジションではあるが、実際どこの事務所にも所属せず、なんの後ろ盾もない俺みたいなのに仕事が途切れず来ているということが、すでにテレビ業界が憧れのキラキラした世界でなくなったひとつの証拠ではないだろうか。

俺ら40代は青春時代をテレビで育った最後の世代だと思う。それだけに今の状況に寂しさもあるが、同時に納得もできる。

YouTubeを筆頭にさまざまなプラットフォームから誰でもいつでも発信ができるようになり、若者たちから先に、テレビの向こうの芸能界より身近な、自分たちと変わらない素人の表現に引かれていった。

同時に人権意識やコンプライアンスは極端な成熟を迎え、芸能人たちの浮世離れした生活を許さず、過激な表現を次々と禁じ手とした。

出ては消える流れ星のような素人たちは、その垣根を簡単に越える。当然それは許されないのだが、いわゆる炎上込みでエンターテインメントとして消費されている。最近ではユーチューバーどころか配信者たちがその流れに拍車をかけている。

そのシステムはスポンサーによって成り立つテレビ業界にはマネができない。

俺はもともとそれらよりさらに小さなアンダーグラウンドヒップホップの世界にいたため、現代のテレビ業界であってもそれなりのスケールアップを感じるし、十分に恩恵を受けられるが、キラキラした芸能界を味わってきたタレントや、そこに憧れてきた現代の芸能人たちにとっては窮屈で夢のない世界になったのではないだろうか。

そもそもがテレビの恩恵などを大して受けられなかった若手のお笑い芸人などは身軽にユーチューバーに転身したり、二足のわらじを履いている者も多い。

テレビで茶の間に顔を売って、自分たちのチャンネルに誘導し、本当にやりたいことはそっちで、という考え方だろう。

俺も同じだ。現状なかなかその導線はつくれていないが、知名度を獲得した上でアーティストとしての現場に誘導できればと思ってやってきた。それが意外と音楽そのものよりは俺のタレント性のほうが評価を受けて、一切ラップをしない仕事も増えたが、それはうれしい誤算で、どちらにせよありがたい。

携帯電話が今や電話としての機能を大きく超えて必需品となり、かつてのテレビのポジションを奪った。一方、テレビ本体は、テレビ放送を受信するだけのものから、YouTubeや配信プラットフォームを映すテレビモニターとしてはまだ当分需要があるはずだ。

テレビ業界はあと何年、今の形をキープできるのかわからないが、テレビ業界の終焉を俺はその内側から体験できそうで、それ自体は楽しみというか、何かがなくなれば当然そこに新たな何かが生まれるもので、そっちへの期待が膨らんでいる。

★『呂布カルマのフリースタイル人生論』は毎週木曜日更新!★

  • 呂布カルマ

    呂布カルマ

    Ryoff Karma

    1983年1月7日生まれ、兵庫県出身。名古屋市在住。JET CITY PEOPLE代表。ラッパーとして活躍する一方、グラビアディガー、コメンテーターとしても異彩を放つ。 
    公式X(旧Twitter)【@Yakamashiwa】

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