高木 豊氏が注目したセ・パの若手は!? 将来が楽しみな5選手の能力を徹底分析!

取材・文/浜田哲男 写真/アフロ

ルーキーで開幕投手を務め、勝利したことが話題を集めた巨人の竹丸。シーズンを通しても11勝9敗と結果を残したルーキーで開幕投手を務め、勝利したことが話題を集めた巨人の竹丸。シーズンを通しても11勝9敗と結果を残した

2026年のプロ野球も日本シリーズを残すのみ。新人王の受賞者が気になるファンも少なくないだろうが、その候補選手も含めて今季に飛躍した若手は多い。そこで、かつて大洋(現DeNA)などで主力選手として活躍し、現在は野球解説者やYouTuberとしても活動する高木 豊氏に、「成長した」「今後が楽しみ」と感じた選手を挙げてもらった。

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――まず、セ・リーグで活躍が目についた選手は?

高木 豊(以下、高木) ルーキーで2桁勝利(22試合登板、11勝9敗、防御率3.27)を挙げた巨人の竹丸和幸(24歳)です。開幕投手を任されただけあり、肝が据わっていますね。

優勝を争った阪神戦で村上頌樹(しょうき)に投げ勝ちましたし、何よりも投げている姿がいい。野手はピッチャーの背中を見ながら守りますから、あのような必死な姿を見ると、「点を取ってあげなければ」と思うんです。

夏場にDeNA相手に投げていたとき、「体力的に限界では?」と思ったことがありました。その試合、私は解説者として球場で見ていたのですが、あの姿を見せられたら野手も奮起しますよ。

実際に、マスクをかぶっていた大城卓三がいい場面で打って勝ちました。気合いをむき出しにするタイプではないですが、全身を使って投げるので、一生懸命さが伝わってくるピッチャーですね。

――野手はいかがですか?

高木 広島の佐々木 泰(23歳)は120試合以上に出場し、100安打近く打って一定の活躍(121試合出場、打率.254、6本塁打、26打点)を見せましたね。開幕戦から11試合連続で4番を任されたこともいい経験になったんじゃないですか。

ただ、彼は内野や外野の複数ポジションを守らせるのではなく、サードに固定してあげたほうがバッティングにも安定感が出てくると思うんです。ホームランを量産するというより、打率を残すタイプですね。広角に打つこともできますし、自分の形はできつつある。今季、すごく成長した部分だと思います。

――将来的にクリーンナップを任せられる選手ですか?

高木 そう考えないといけないでしょう。サードの選手は、だいたいクリーンナップに入ることを想定します。広島では坂倉将吾もファーストやサードを守りながら4番を打っていますし、阪神は佐藤輝明、DeNAは宮﨑敏郎、中日は石川昂弥(たかや)など、三塁手がクリーンナップを担っています。

その意味で佐々木に物足りないのは打点。中軸を担うのであれば打率3割を打つより、2割8分くらいでも打点を稼げるバッターが理想ですから、勝負どころで打つ意識を強く持ってほしいです。今のままだと、「長打があまりない選手」と見られてしまいます。

広角に打とうとするあまり、ミートすることを優先しているように感じますね。成長は感じますが、今後どんなバッターになっていくのかが、まだ見えません。そこまで足が速いわけでもないので、二塁打を多く打てるとか、何か特長をつくっていくべきです。

――一方、パ・リーグで成長を感じた選手はいますか?

高木 オリックスの来田涼斗(きた・りょうと、24歳/103試合出場、打率.260、9本塁打、43打点、OPS.710)は面白いです。振る力がありますし、すごく魅力的な選手ですね。

ただ、あのようなフルスイングを徹底していくのであれば、打順は3番か6番あたりが妥当でしょう。1、2番を打つタイプのバッティングではないですから、中軸をしっかり担えるだけの打率、本塁打、打点を残せるかどうかですね。

太田 椋が負傷で途中交代した試合で、急遽4番に入った来田がホームランを2本打ってサヨナラ勝利に貢献した試合があったんですが、「4番を目指してほしいな」と思いました。そのくらいのポテンシャルを感じさせる選手です。

ホームランを追求しているでしょうし、それに見合ったスイングの強さもある。思い切りの良さを失わずに育っていってほしいですね。

――投手はいかがですか?

高木 楽天の荘司康誠(しょうじ・こうせい、26歳)です。今季は奪三振王を獲得しましたが(25試合登板、9勝9敗、防御率3.45、171奪三振)、タイトルが射程圏内に入った段階で、ピッチングの組み立てをかなり変えたと思うんです。三振を狙って取りにいく試合が何試合か続き、その中で勝ち星も拾っていきました。

それまでの荘司は被本塁打が多く、大事な場面でホームランを打たれることがありました。力で押し込もうとしていたんでしょうね。それが、三振を取るためにバッターを誘うことを覚えた。「ストライクからボールになる誘い球でも三振が取れる」という、バッター心理を利用する投球ができるようになったんです。

使う球種も増えましたね。困ったら真っすぐだったのが、スライダーやスイーパーも使うようになった。球種が増えれば打者は的を絞りにくくなりますし、ピッチングの幅を広げたことは大きな成長です。今季は貯金をつくれませんでしたが、来季につながる投球を見せてくれました。

楽天には前田健太というお手本もいますが、若い荘司らがチームの柱になってもらわなければいけない。ひとりで2桁近い貯金をつくれるようなピッチャーになってほしいですね。

――ほかに今後が楽しみな選手を挙げるとすれば?

高木 西武の篠原 響(20歳/46試合登板、3勝3敗、31ホールド、1セーブ)です。まだ20歳であれだけ速い真っすぐ(今季最速158キロ、平均152.8キロ)を投げられるのは魅力ですし、体はきゃしゃですがバネを感じます。

平良海馬が先発した試合で、平良にまだ余力があるのに篠原に交代したことがあったんです。「なぜ代えてしまうのか」と思っていたら、篠原のほうが球が速かった。「これは継投したくなるよな」と納得させられましたよ。

心配なのは故障です。リリーフは登板しない日も含めて体をつくっていかなければいけませんし、若いピッチャーにとっては過酷です。158キロを投げるだけの筋力もあるのでしょうが、あまりに速いので不安もあります。故障に気をつけながら経験を積み、さらに成長していくのを楽しみにしています。

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