興奮の2026年ドラフトを振り返り!【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第241回

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作

ドラフトを振り返った山本キャスタードラフトを振り返った山本キャスター

昨日は、年に一度のプロ野球ドラフト会議でした。13年ぶりに1位指名の公表がなく、各メディア、野球ファンは予想談義に花を咲かせていましたね。その高揚感は格別でした。

私は例年、ドラフト候補の情報を事前にはあまり入れずに楽しむ派でしたが、今年は生中継の仕事があり、ひと通り調べたことでいつもと違ったワクワク感を味わえました。

それでは、今年のドラフトを振り返っていきましょう。

事前公表がないだけに指名が集中する可能性ももちろんあったと思うのですが、いざドラフトが始まると、各チームの来年以降の方針を顕著に感じる選択が続きました。狙いや評価がはっきりと分かれていた印象でしたね。

今年最も沸かせたのは間違いなく巨人でしょう。メジャー挑戦を表明している、横浜高の織田翔希投手の強行指名に踏み切りました。本人がこれからどんな未来を描くのか見守りたいと思います。

ただ、その指名以上に、巨人が高校生を中心に指名したことに興味を持ちました。今シーズンに見事な活躍を見せた去年のドラフト1位・竹丸和幸投手(鷺宮製作所から入団)をはじめ、近年は即戦力中心といった印象で、育成型の指名が少なかったですが、生えぬきで長く活躍できるスターを育てたいという強い意思を感じました。つい先ほど松井秀喜新監督の就任が発表されましたが、すでにオフの主役となっています。

投手、野手の両方で期待される山梨学院高の菰田陽生選手は競合も予想される中、"二刀流"の育成に定評ある日本ハムが単独指名しました。1位と2位に大きな可能性を秘めた選手、3位には甲子園優勝投手と、こちらも色がはっきりと表れた、日本ハムらしい指名でしたね。トッププロスペクトの選手たちをどう育てるのか、注目して追っていきたいです。

ソフトバンクは、8位で深見一騎投手(国立台湾体育運動大)、9位で佐藤幻瑛投手(ペンシルベニア州立大)を指名。海外進学からのNPB入りの可能性も含め、選手の進路の多様化を感じるドラフトでもありました。

そして、我がヤクルトの指名についてですが、ひと言で表すなら「覚悟」。どんなチームにしていきたいのか、方向性がはっきり見えた指名だったと思います。

野手を指名することは予想していましたが、まさかここまでとは。青木宣親GMは「野手に振り切っていい年だと思っていた」と語りましたが、今年注目のドラフト候補は投手が多かっただけに、「2位あたりで投手を指名するかな」と予想していたんですが......。いい意味で裏切られました。

こちらのメンバーで、1位から支配下指名までの中継をお届けしました!こちらのメンバーで、1位から支配下指名までの中継をお届けしました!

テーマは「右の外野手」と「打てる選手」。1位指名した東京ガスの藤澤涼介選手は、187cmの体格を誇り、昨年の都市対抗予選での3試合連発もあった強打者。高校時代に1日10時間以上の勉強をして、一般入試で横浜国立大の理工学部に進んだ異色の経歴を持っています。ヤクルト好みのクレバーな選手という印象で、ヤクルトが渇望していた長打力のある右の外野手です。バットのヘッドをピッチャー寄りに倒す独特なフォームが特徴ですが、それについては「気持ちいいから」と、こだわりはないそうです。

2位で指名されたのも、右の外野手の佐藤悠太選手(東北福祉大)。自慢の長打力に加えて、守備でも評価が高い選手です。2025年の全日本大学選手権では優勝に貢献し、最高殊勲選手賞を受賞。その大会の準決勝では、ソフトバンクから1位で指名された鈴木泰成投手(青山学院大)からホームランを放っています。

3位指名は、明治大の捕手・福原聖矢選手。身長167cmながら、各世代の代表として活躍してきた実績の持ち主です。周りをしっかり見ている選手ということで、リーダーシップやインサイドワークも期待できます。

4位で指名された都城高の内野手、"都城の牛若丸"こと高田瑛大選手は、ヤクルト本社の株主総会で獲得を熱望する声が上がったというエピソードが話題になりました。都城高校からの4位指名といえば、ドジャースの山本由伸投手と同じ。山本投手のように大きく羽ばたいてほしいです。ちなみに、名前の読みは「えいだい」です。

5位以降の選手も、将来が楽しみな選手ばかり。独立リーグから即戦力として期待できる選手も指名しています。まずは、来季から茨城県の守谷市に移転するファーム施設でどんな成長をするのか。

今回のドラフトの中継では、今シーズン限りで現役を引退した石川雅規さんともご一緒しました。石川さんは引退会見の時に、「これまで一番うれしかったのは、ヤクルトに入団できたこと」と話されていました。

阪神が4位で指名した相羽寛太選手は、社会人6年目で悲願のプロ入り。プロの門を叩けるのはわずかひと握りで、活躍するのはもっとひと握りです。たくさんの選手たちの夢が叶う瞬間に立ち会えたのは、とても尊いこと。これほどまで心動かされるのかと、あらためてプロ野球の力を感じた1日でした。

指名された選手たちの活躍を、心から応援しています!

★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週金曜日朝更新!

  • 山本萩子

    山本萩子

    やまもと・しゅうこ

    1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン。

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