AKB48大盛真歩(おおもり・まほ)「ファン時代にAKB48の握手会に行くとかわいいメンバーばかり。どんどん釣られちゃいました」【連載 なんで令和にAKB48? Season2】

取材・文/関根弘康 撮影/篠田直人

国民的アイドルグループと呼ばれたAKB48が誕生して20年。現役のメンバーたちは何を思い、どんな活動をしているのか? パーソナルヒストリーを掘り下げる連載なんで令和にAKB48? Season2」。第12回は6月末でAKB48を卒業する大盛真歩(おおもり・まほ)。2018年1月21日に『第3回AKB48グループドラフト会議』でチームBより指名されてグループに加入し、AKB48のバラエティ担当として大活躍。前編では学生時代や、ドラフト会議の話などを聞かせてもらった。

【メンバーと握手するためにバイトを頑張ってました】

――まずはAKB48人生におけるターニングポイントを聞かせてください。

大盛 やっぱり『根も葉もRumor』(2021年9月29日発売)で選抜メンバーに入れなかったことかなって。あの頃は選抜のアンダーとして歌番組に出させていただく機会が多くて。あとは若手の超新星が集まったユニットIxR(アイル)にも選んでいただいて。

このタイミングで選抜だなって。ひとつ前の『失恋ありがとう』までは、全国の48グループから選ばれたメンバーで選抜が組まれていて、コロナ禍になったタイミングでAKB48だけの選抜が組まれるってなったんですよ。そこに向けてすごい頑張ってきて、たぶん選抜に入れるだろうなと。自分のAKB48での活躍はここから始まるんだって思っていたら、入れなくて......。

一緒にIxRをやっていたさとちゃん(久保怜音)や(西川)怜ちゃんが選抜に選ばれたのに、自分だけダメで。もう自分はAKB48にいらないのかなと思って、辞めようって。

お母さんにも本気で辞めるって伝えて。それまでも辞めたいって言ったことが何回もあって、お母さんは「頑張りな」って励ましてくれたんですけど、そのときは私の本気が伝わって、「後悔ないならいいんじゃない?」って言ってくれて。スタッフさんに電話したんです。

そしたら「辞めたら何するの?」って聞かれて。「やりたいことはないです。でもとにかく辞めたいです!」って話したら、「だったら、軽い気持ちじゃないけど、次にやりたいことが見つかるまで、1、2年いてもいいんじゃない」って言ってくださって。確かにやることないし、そうだなと。そこがターニングポイントです。

――そこで辞めずに踏みとどまった結果、次のシングルで選抜入りするわけですもんね。それでは子供時代からふり返っていただきましょう。

大盛 ちっちゃい頃は毎日ドレスを着てました。プリンセスとかキラキラな女のコが好きで、妹と弟が生まれる5歳まではひとりっ子だったので、本当に愛されて、甘やかされて、何不自由なく育ちました。

――学校ではどんな感じでした?

大盛 小学生は同級生が女子7人、男子7人とか少なかったので、女のコとはお絵かきやおままごとだったり、男のコとはサッカーをしたり、どっちとも遊んでましたね。

――その頃に憧れていたものは?

大盛 AKB48が好きだったので、そういうかわいい女のコになりたいと思ったけど、田舎に住んでるのもあって、AKB48になれる未来があるって思考はなくて。だからこそプリンセスになりたいと思っていて、中学校の卒業文集に「お姫様になって、お城を建てて」みたいなことを書いたら、先生から「もうちょっと現実味のあることを書いてください」って、書き直しに。

――それはそれで見たかったです(笑)。部活は?

大盛 バスケットボール部に入りました。何をやりたいとか特になくて、仲良しの友達といろんな部活を見に行ったんですけど、バスケ部の先生から半ば強引に......。3年の先輩が卒業しちゃうと、2年が2人しかいなくて、先生も必死だったんだと思います。

――バスケ部は強かったの。

大盛 めっちゃ弱かったです。部員がいないから、初心者の私もいきなり大会に出なきゃなんですよ。トラウマになるぐらい嫌で、ルールも知らないから、めっちゃファウルしちゃってボロ負けでした。弱いのに決まりは強豪校なみに厳しくて、髪は短ければ短いほうがいいって、バリカンで剃り上げていたし、毎朝10キロ走らなきゃいけなかったり。

――プリンセスとは真逆の生活を送ってましたね。

大盛 化粧もしたことないし、でもかわいい洋服は好きだったから、刈り上げて男のコみたいな髪型でそういう洋服を着たり。

勧誘してくれた先生は1年で別の学校に行っちゃうんですけど、その時代があったから、AKB48でくじけそうなときも耐えることができたのかなって思うので、そこはすごく感謝しています。 

――高校はどうだったんですか?

大盛 中学でめっちゃ走ってたので、足が速くなって。陸上の大会に出たときに成績を残して、推薦入学で高校に入ったんですけど、部の雰囲気と合わなくて1年で辞めました。

それと、部活よりバイトがしたくなっちゃったんです。高校になるとケータイを持つようになって、世界をいろいろ知るんですよ。AKB48と握手ができるんだって。CDの買い方も知って、そうなるとお金が必要だなと。

そのタイミングでこみはる(込山榛香)さんのドキュメンタリーを見て。あれよあれよとバイト代が握手会に(笑)。

――バイトは何をしてたんですか? 

大盛 コンビニと、あとはスーパーの品出しや床の清掃もしたり。家から近くて友達と一緒に働ける場所を探してましたね。

――先ほどAKB48は小学生の頃から好きと言ってましたが。

大盛 最初は歌番組で「小嶋(陽菜)さんがかわいすぎる!」って。そこからぷっちょとか、駄菓子屋さんで売ってたカードを買ったり。同級生でも好きなコがいっぱいいたので、そのコたちと交換したり。

――そんなことをしてるうちに高校生になって。

大盛 「会いに行けるんだ、そのためにはバイトをしよう」って。劇場公演の申し込みだけは機械にうとい私には難しすぎてできなかったんですけど、握手会は行けるなと。もう数え切れないぐらい行きましたね。

最初はこみはるさんだけだったんですよ。でも並んでると隣のレーンが見える。あれってずるいですよね。メンバーが手を振ってくれるんですよ。「はい、もう次行く!」って、チョロいオタクでした(笑)。全員かわいいんだもん。どんどん釣られて行っちゃいましたね。

――小嶋さんとの握手はどうだったんですか? 

大盛 行けなかったんですよ......。握手券の買い方を覚えたときが、こじはるさんの最後のシングルで、抽選で外れちゃいました。なので、最近のコンサートでお会いできたときは夢かなと。あの頃の私に伝えたい......。

【ファンが決めるオーディションじゃなかったら入れなかった】

――オタクだったのにAKB48のオーディションを受けようって思ったのは?

大盛 高校3年生のタイミングで進路をちゃんと考え出したときに、自分のやりたいことがなかったっていうのもあって。あとは幼少期からドレスとかふわふわキラキラな洋服を着るのが好きだったんですけど、田舎だと目立つんですよ。お母さんと唯一ケンカしてたのが、「そういう格好で出かけるのはやめなさい」って。東京なら自由に着れるし、あとAKB48の衣装が大好きだったから着てみたいなって。アイドルになりたいというより、かわいい衣装を着て、キラキラしてる女のコになりたいっていうのが大きかったです。

――大盛さんが受けたのはドラフト3期生オーディションでした。最終審査では各チームのファンがどのコを欲しいか決めるという。

大盛 特殊だったなと思います。ファンの方が決めるっていう最初で最後の試みで、でもドラ3じゃなかったら入れなかったろうなと。

――最終選考までは順調だったんですか?

大盛 オーディションは初めてだったんですけど、なんとか乗り切れました。ダンス審査はみんな踊れる格好をしてくるじゃないですか。私だけわからずに普通にスカートで行っちゃったんですよ。待ってるときに審査員の方が、「スカートで来たのは馬嘉伶(まちゃりん)以来だよ」って言われて。落とされるの? って思ったけど、大丈夫でした。踊れなかったけど、審査員の人にウインクをしたりして。

――ハートが強いですね。

大盛 ドラフト会議の前にはSHOWROOM配信があったので、ファンの人に投票してもらえるように、「AKB48オタクです」ってアピールしてましたね。握手会で一緒のレーンに並んでた人も応援コメントをくれたり。

そのときはNGT48に入りたかったんです。リクアワで『Maxとき315号』が1位になったり、すごい勢いがあって。グループもわちゃわちゃして楽しそうだなって。新潟で暮らしたいなって思ってました。

――当日の会場はどうでした?

大盛 地獄みたいな空気でした。各チーム第1次指名からどんどん呼ばれていくんですよ。第2、第3と呼ばれていって、これ以上選びたいメンバーがいなかったら選択終了。どんどん終わっていって、もうないかな思っていたら、まさかの5順でチームBに指名されたんです。しかもそのときファン投票は「大盛真歩が欲しい」が0.1%だけ上回って、本当にギリギリ。そこで人生が変わりました。

――加入する直前までAKB48のファンだったじゃないですか。

大盛 なので、握手券をたくさん買ってたんですよ。でもメンバーになったから握手会に行けなくなっちゃって。マネージャーさんに「これ死に券になっちゃいますか?」って言ったら、裏で先輩と写真を撮ってもらえたりして。払い戻しはできなかったですけど、今もその券は大事に取ってあります。

――記念ですもんね。推しメンの込山さんからは何か言われました?

大盛 こみさんは全然覚えてなくて(笑)。握手会でも話したことを忘れちゃうんですけど、そういうところが良いんです。でも、長久玲奈さんは覚えてくれてましたね。

――AKB48に入って驚いたことは?

大盛 アイドルってこんなにダンスを踊るんだって思いました。そういう知識はあまりなくて。それと自分がこんなにダンスできないんだって。そこにつまずくとは思わなくて。運動神経はいいんですけど、ダンスを覚えられないんですよ。そこで初めて壁にぶち当たりましたね。

――同期とは会ってどうでした?

大盛 みんな個性がすごいと思いました。同い年ぐらいが多かったんですけど、年が離れているコも大人だからケンカとかもなかったです。

――ライバル関係とかは?

大盛 それこそ自分が同期のなかで一番劇場デビューが遅くて。同期のふたりと一緒に握手会に出たんですけど、他のふたりは公演に出ていて。そこで好きになりましたって方が来るんですけど、私だけ話すことが何もないみたいな。ダメかもってなりましたね。一番先に辞めるんじゃないかと思ってたぐらい。みんなこんなに長くいるとは思ってなかったんじゃないかなと。(後編に続く)

【連載「なんで令和にAKB48?」は木曜日更新。卒業の理由や今のAKB48について思うことなどを語る後編は6月25日公開!】


●AKB48
2005年(平成17年)12月8日、秋葉原のAKB48劇場で1期生お披露目。
2025年12月4日に21期生がデビュー。
68thシングル『好きish』が8月19日発売!! 秋のコンサート「AKB48 THREE CONCEPTS LIVE」が9月26日、27日(日)Kアリーナ横浜で開催決定!
最新情報は公式ホームページをチェック。

●大盛真歩(おおもり・まほ)
1999年12月5日生まれ、茨城県出身
身長162cm
Nickname=まほぴょん
公式X【@akb48_maho】
公式Instagram【@maho_usagi】

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