現役での競演もある!? プロ野球の「親子鷹」【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第236回

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作

野球の親子鷹について語った山本キャスター野球の親子鷹について語った山本キャスター

野球好きとして生きていると、たまに「え、これって実はまだ誰も成し遂げていないの?」と驚かされることがあります。今回はその中で「親子鷹」の話をさせてください。

親子でプロになった方はたくさんいます。"ミスター"こと長嶋茂雄さんと長嶋一茂さん、野村克也さんと野村克則さん、最近だと元ヤクルトの渡会博文さんとDeNAの度会隆輝選手など、枚挙にいとまがありません。

ただ、同時期にプロ選手としてプレーした、というケースはかなりレアです。調べてみると、日本球界では例がなく、メジャーリーグでもケン・グリフィーとケン・グリフィーJr.、ティム・レインズとティム・レインズJr.の二組だけ。それほど「親子同時プロ」というのは狭き門なんでしょう。

父親が現役を続ける間に、息子がプロ入りする。そのためには父親が長く活躍する必要がありますし、息子も早いうちから結果を出さないといけない。とんでもなく確率の低い話ですが、日本でもいつか見てみたいですね。

オリックスの太田 椋(りょう)選手は、また違った形の親子鷹です。お父さんの太田 暁(さとる)さんは、1989年から1996年まで近鉄バファローズでプレー。引退後はチームスタッフとして球団に残り、今はオリックスで打撃投手を務めています。

太田選手が指名され、同じユニフォームを着ることになった時、お互いにきっと特別な感慨を覚えたんだろうなと思います。今でも、太田選手の打撃練習にも付き合うそうですが、そんなプロでの競演もあるんですね。

山本家の親子競演は、お酒の席です。山本家の親子競演は、お酒の席です。

現役引退を発表したヤクルトの石川雅規投手の息子さん、石川大耀投手は東海大の準硬式野球部で活躍しています。お父さんとはまた違う、身長182cmの長身右腕。東海大高輪台高校時代には神宮球場で、100球以内で完封勝利を挙げる「マダックス」を達成しました。石川投手も2007年に達成しているので、親子で成し遂げた快挙です。

現在、夢の競演に近いと言われているのが、西武の中村剛也選手です。43歳になった今も本塁打を積み重ねて現役通算500本塁打に近づいていますが、その息子さんは大阪桐蔭高校の2年生。すでに甲子園でもプレーしており、今年のセンバツでは決勝でタイムリーを放っています。

もし彼がプロ入りすることになって、その時にお父さんが現役を続けていたら、日本球界史上初の「親子同時現役」が誕生することになります。西武が獲得するとなったら、同じユニフォームでプレーする姿を私たちはスタンドから見られるかもしれません。もちろん違うチームで対戦するのだって、考えただけでワクワクします。

実績があるプロ野球選手の子供が学生野球で活躍していると、ファンにとっては特別な意味を持ちます。親子で現役のプロ野球選手、そんな歴史的な場面に立ち会うことは夢です。

歴史のあるプロ野球にはこうした「物語」がたくさんあります。背景にある物語が、プロスポーツの醍醐味だとあらためて感じます。親子の鷹がともに羽ばたく日を、気長に、心から楽しみに待ちたいと思います。

★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週金曜日朝更新!

  • 山本萩子

    山本萩子

    やまもと・しゅうこ

    1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン。

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