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社名は、大地の意の「GEO」をラテン語読みしたもの
音楽も映画もサブスクの配信サービス。昔は散々お世話になったけど、レンタルCD・DVD店ってそういえば見なくなったよな~。そんな中、ゲオは黒字経営が続いている。いったい何が起きている!?【オワコンの逆襲 Part3 レンタルCDショップ】
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音楽も映画もサブスクの配信サービスが主流となり、いつの間にか街中から姿を消したレンタルCD・DVDショップ。市場自体が消えつつある中、ここにきて「ゲオ」だけが業績を伸ばし続け、独り勝ち状態を見せている。
現在、ゲオグループは国内外で2274店舗を展開。うち、われわれがゲオと聞いて思い浮かべる、黄色地に青いロゴの「ゲオ」は半分以下の1027店舗にとどまっている。
では、残りはどんな業態になっているのか。ファッションビジネス・コンサルタントの磯部孝氏が解説する。
「ゲオはかつてのレンタル事業を縮小し、リユース事業へ軸足を移しました。中でも、ゲオが08年に買収した古着ショップ『セカンドストリート』(以下、セカスト)がすさまじい勢いで店舗数を拡大しています。
セカストは現在、国内に931店舗、米国や台湾など国外に148店舗、計1079店舗を出店し、ゲオの店舗数を超えました。この中には、閉店したゲオの跡地に立った店舗も数多くあります。
前期はゲオHD(ホールディングス)全体で4812億円の売り上げがあり、うちセカストの売り上げは1223億円。つまり、全体における25%を占めています。加えて、リユース市場全体で見ると、1000億円台を突破しているのはセカストのみ。断トツの売上高を誇っています」
ゲオが傘下に持つ、古着屋チェーンの「セカンドストリート」
実際、ゲオHDは10月から、社名を「セカンドリテイリング」に変更すると発表している。この決断には、リユースをビジネスの中核に据える意図がにじむ。しかし、セカストがそれほどまでに人気を集める理由はなんなのか。
「昨今、元A.B.C―Zの河合郁人(ふみと)さんやお笑いコンビ『さらば青春の光』の森田哲矢さんら古着好き芸能人のYouTube発信をはじめ、古着屋さんの積極的なSNS戦略なども影響し、若者の間で古着がブームになっています。ただ、古着屋は小さな個人店が多く、店舗も東京だと下北沢や高円寺などの狭いエリアに集中している。
その点、セカストは古着業界に珍しいナショナルチェーンとして全国に店舗を展開しています。独自の仕入れルートを確保しており質の良い品物を安定的に供給できるほか、家具や家電なども扱う大型店舗を構えるなど、古着マニアだけでなく、ファミリーや学生など一般層にも広く受け入れられているんです」
そのあたりは、大手レンタルチェーンだったゲオの経営ノウハウが生きている?
「当然あると思います。セカストは、株式会社フォー・ユーが1996年に香川県で1号店をオープンしたのが始まりでした。ゲオは09年3月期にセカストを連結子会社化。当時、国内の店舗数は236店舗でしたが、10年間で630店舗に拡大させました。
さらに10年後の29年には、国内だけで1000店舗超えを目指しているといいます。大企業の資本力に加え、幅広い客層を取り込む店舗づくり、積極的な出店戦略など、ゲオが長年培ってきた知見と実績が成長を後押ししていると考えられます」
ゲオおよびセカストが盛り上がる一方で、かつてはレンタルCDショップ最大手だったツタヤが閉店ラッシュに追い込まれている。明暗を分けた要因は何か。
ゲオと同じくレンタルCD・DVDショップの「ツタヤ」。書店やトレカ店、ジム、シェアラウンジなどへの転換が進んでいる
「ツタヤという名称は、運営元のカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の創業者が開業した『蔦屋書店』に由来します。そこで原点に立ち返り、現在は本を中心とした複合施設の経営に力を入れています。良くとらえれば、ブランドを伸ばすほうにかじを切ったように見えますが、ブランドのしがらみから抜け出せていないという見方もできてしまう。
ゲオはセカストのほかに、中古スマホ販売・買い取りサービスの『ゲオモバイル』も売上高を伸ばしており、400億円規模に達しています。
原点回帰のツタヤと、あっさり過去を捨てて新業態に乗り換えたゲオ。どちらが正しいとは言えませんが、現時点では、ゲオに先見の明があったように思われます」
華麗なる転身を遂げたゲオだが、レンタル店としての面影が薄れていくことに寂しさを覚える人も少なくないだろう。そこで、実際にセカストへ赴き、ゲオのDNAが感じられるポイントを探ってみた。
足を運んだのは「セカンドストリート 新宿店」。店舗は3階建てで、1階はハイブランド、2階はストリート&デザイナー、3階はカジュアル&ビンテージとフロアごとにコンセプトが分かれている。
3階建ての「セカンドストリート 新宿店」。こちらは洋服やバッグのみの取り扱いだが、家電や家具を扱う店舗もある
内装はシンプルだが洗練されており、ゲオの雑多な雰囲気とはだいぶ異なる。平日の昼間に訪れたが、店内はにぎわっており、新宿という土地柄もあってかインバウンド客が多く見られた。日本の中古品は「ユーズド・イン・ジャパン」などと呼ばれ、全体的に質がいいと評判のため、海外から買いつけに来る人も多いのだとか。
ちらほらといる日本人客もオシャレ上級者の風格を漂わせており、地味な服装の記者はやや肩身が狭かった。古着初心者は郊外の大型店に行ったほうが買い物しやすいかも。
店内にはファッションアイテムが所狭しと並べられており、眺めているだけで楽しい。アルマーニやバレンシアガのようなハイブランドから、ノーブランドだがハイセンスな服、古着マニアが好むバンドTやアニメTなど、普通のアパレル店ではお目にかかれない商品がめじろ押しだ。
「セカンドストリート」の売り場。従来の古着屋とは異なり、カジュアルな陳列が特徴で、ファッション上級者でなくても入りやすい
この"宝探し感"は、あの頃のゲオを彷彿(ほうふつ)とさせる。ただし、セカストにはTシャツ一枚で数万円する商品も多数存在する。ゲオと違い、価格の振れ幅が大きいので注意が必要だ。
総合的には、セカストにゲオの面影はほとんど感じられなかったというのが本音だ。それでも、青春の一部だったゲオが形を変えながら成長を続けているというのはちょっぴりうれしい。業態は変わってしまったが、これからもレンタルCDショップ業界の星として、しぶとく生き残ってもらいたい。