復活で大注目のホンダ CB400スーパーフォアほか、専門家が徹底取材で勝手に決めた! 輝く! 週プレ『やりすぎバイク・オブ・ザ・イヤー』2026上半期

撮影/関野 温 山内潤也 増井貴光 写真/ホンダモーターサイクルジャパン

【第1位】BMW R1300シリーズ 左からR1300RS(価格220万円~)、R1300RT(価格369万1000円~)、R1300R(価格211万9000円~)【第1位】BMW R1300シリーズ 左からR1300RS(価格220万円~)、R1300RT(価格369万1000円~)、R1300R(価格211万9000円~)

今年上半期に取材した話題のマシンの中から、誰がどう見ても「やりすぎ」なバイクを厳選し、独断のみで勝手に表彰!! 選考委員長はモーターサイクルジャーナリストの青木タカオ氏。選び抜かれたやりすぎバイクを、ここに一挙大放出!!

* * *

【最新技術ギガ盛りのやりすぎBMW!】

アドベンチャー界の横綱に君臨し続ける、BMW・R1300GS(価格292万4000円~)アドベンチャー界の横綱に君臨し続ける、BMW・R1300GS(価格292万4000円~)

青木 今年の上半期に試乗したバイクは50台以上! 新型モデルはもちろん、すでに絶版となった車両やカスタムマシンまで、とにかく幅広く乗り込みました。その中で、「これはさすがにやりすぎだろ」と本気で思わされたのが、第1位に輝いたBMWの新型R1300シリーズです。

――どこがやりすぎ?

青木 アドベンチャー界の横綱と呼ばれるGS、長距離移動を極限まで快適に仕上げたグランドツアラーRT、幅広いシーンに対応するオールラウンドスポーツRS、そしてコーナリング性能を研ぎ澄ませたR。この4兄弟はいずれもBMW伝統の水平対向2気筒エンジン「ボクサーツイン」を心臓部に据えながら、時代を一気に推し進めるやりすぎ装備を投入しました。

――具体的には?

青木 クラッチ操作を不要にするASA(オートメイテッド・シフト・アシスタント)、さらに前走車との距離を自動で保つACC(アクティブ・クルーズ・コントロール)。

まずASAから説明しましょう。簡単に言うと、クラッチ操作とシフトチェンジを車体側が自動でやる仕組みです。

――それだと走りの面白さが減りそうですが?

青木 そう思いますよね。でも、実際は逆です。面白さが削られるのではなく、よけいな苦労だけが消える。例えば渋滞時のストップ&ゴー。あれはクラッチ操作の繰り返しで左手が疲れるだけで、正直バイクの楽しさとは別の負担です。

――低速はただの我慢だと。

青木 ええ。しかも負担が減るだけじゃない。発進時の半クラッチ制御がとにかくうまい。半クラッチというのは、クラッチを完全につなぐ手前で滑らせながら発進する操作で、これが神経を使う。ところがASAはごく低回転からクラッチをつなぎ、実に滑らかに発進するんです。

――マジか!?

青木 開発の技術担当者に話を聞いたところ、「上手なベテランライダーより精度は確実に上」とはっきり言っていました。実際、報道試乗会でも私だけでなく、レーサー出身の腕に覚えのあるジャーナリストらが、「これはかなわない」と脱帽していましたね。

――ヤバっ!

青木 さらに面白いのが操作系です。チェンジペダルは残されていて、Mモードなら自分の意思で変速できますし、Dモードにすれば完全自動。その自動変速が本当に絶妙で、まるで熟練ライダーが手本を見せているかのようなタイミングなんです。

――スゲェー!

青木 ACCもかなりの出来です。これは前走車をレーダーで検知し、設定した車間距離を保ちながら自動で加減速する仕組みです。

四輪では一般的ですが、二輪は事情が違う。完全停止まで任せてしまうとバランスを崩して転倒のリスクがあるため、減速制御までにとどめ、停止直前はライダーに操作を引き継ぐ設計になっています。

――エンジンは?

青木 抜かりがありません。可変バルブ機構「シフトカム」を採用することで、低回転では扱いやすく粘り強く、それでいて中高回転では一気に伸びる。しかもR1300ではASAと連動して、速度だけでなくシフトまで自動で最適化してくる。

――人間よりうまく、しかも楽にしてくれ、走りが楽しい。この矛盾を成立させた時点でやりすぎです。

青木 正直、「そこまでやる必要あるか?」と思うほど最新技術を詰め込んでいるのに、乗ればきちんと面白い。むしろ面白さが増している。文句ナシで第1位です。

【スズキ、BENDA、ハーレーがランクイン】

【第2位】スズキ GSX-8T クラシカルな見た目だが、問答無用の実力派。力強いトルクと現代性能がキラリと光る。価格129万8000円【第2位】スズキ GSX-8T クラシカルな見た目だが、問答無用の実力派。力強いトルクと現代性能がキラリと光る。価格129万8000円

――続いて第2位を!

青木 スズキGSX-8Tです。スタイリングは1968年の名車T500をモチーフにしていますが、これは単なるネオレトロではありません。クラシカルな見た目に対して、中身は完全に現代のスポーツネイキッドです。

――どこがやりすぎ?

青木 776cc並列2気筒エンジンは270度クランクを採用しています。これは爆発タイミングをずらすことで、独特の鼓動感とトラクションを生む仕組みです。均等に回転するのではなく、わずかに間を空けて力を伝えるため、「路面をしっかり蹴って前に出る」感覚が強くなる。

――ふむふむ。

青木 低回転からトルクが厚く、街中でも扱いやすいし、ワインディングではしっかり楽しめる。足まわりも秀逸で、KYB製サスペンションは剛性感と路面追従性を高いレベルで両立し、ペースを上げても不安がない。

電子制御も自然で完成度が高く、ライダーを選ばない懐の深さがある。クラシカルなデザインと現代的な走行性能を高次元で融合した、非常に完成度の高いやりすぎマシンです。

【第3位】BENDA ナポレオンボブ250 独自思想で令和をぶっちぎる。常識を逸脱したロマン仕様が強烈な個性を放つ問題作。価格84万7000円【第3位】BENDA ナポレオンボブ250 独自思想で令和をぶっちぎる。常識を逸脱したロマン仕様が強烈な個性を放つ問題作。価格84万7000円

――第3位はなんだ?

青木 BENDAのナポレオンボブ250ですね。

――聞いたことがないス。

青木 2016年に誕生した中国発の新興ブランドですが、完全に思想が違います。実用性ではなく「ロマン」に振り切っている。

――ロ、ロマン?

青木 ナポレオンボブ250の最大のやりすぎはフロントサスペンション。往年のガーターフォークを現代的に再解釈したアルミ合金のマルチリンク構造で、見た目のインパクトがとにかく強い。

――さらに、クルーザーなのにセパレートハンドルという異次元の組み合わせです。

青木 常識ではまずやらない構成ですね。加えて、ショートテール&シングルシートでひとり乗りに割り切った設計もやりすぎ。250ccのVツインエンジンは低音が利いていて、クラスを超えた存在感を放っています。まさに、やりすぎにも程がある個性の塊マシンなんです。

【第4位】ハーレーダビッドソン ロードグライドリミテッド 防風も収納力も快適性も限界突破。長距離を支配する走る高級ラウンジがここにある。価格435万3800円【第4位】ハーレーダビッドソン ロードグライドリミテッド 防風も収納力も快適性も限界突破。長距離を支配する走る高級ラウンジがここにある。価格435万3800円

――第4位はどれ?

青木 ハーレーダビッドソンの新型ロードグライドリミテッドです。これはもう〝移動する高級ラウンジ〟。開発担当者も「長距離での快適性を徹底的に追求した」と話していました。

――どこがやりすぎ?

青木 シャークノーズフェアリングは圧倒的な防風性能を持ち、ロワーフェアリングと合わせて風や雨を遮断。背もたれ付きトップケースはフルフェース2個が入るほどの容量で、タンデムも快適です。

――ゴージャス!

青木 走りも1923ccのVツインエンジンが低回転からゆったりと鼓動を打ち、どこからでも力強く加速し、長距離移動そのものを楽しめます。

【販売絶好調のホンダの旗艦は何位!?】

【第5位】ハスクバーナ ヴィットピレン801 低速域の扱いやすさから高回転の伸びまで隙なし。日常性と刺激を両立した完成度の高さが光る。価格145万9000円【第5位】ハスクバーナ ヴィットピレン801 低速域の扱いやすさから高回転の伸びまで隙なし。日常性と刺激を両立した完成度の高さが光る。価格145万9000円

――それでは第5位は?

青木 スウェーデン発祥のバイクメーカー、ハスクバーナのヴィットピレン801。まず見た目のインパクトが強烈ですが、走りも一級品です。

エンジンは799ccで105馬力、WP製サスペンションに電子制御も充実。ストリートモードでは扱いやすく、スポーツモードに切り替えた瞬間、一気に鋭い反応に変わる。この二面性が最高にやりすぎで素晴らしい。デザインと性能が完全に両立しています!

【第6位】トライアンフ スクランブラー900 クラシックな見た目で中身は最新鋭。日常からワインディングまで自在に走り切る。価格145万9000円【第6位】トライアンフ スクランブラー900 クラシックな見た目で中身は最新鋭。日常からワインディングまで自在に走り切る。価格145万9000円

――お次は第6位です。

青木 イギリスのトライアンフの新型スクランブラー900。シリーズの中でも進化の幅が大きいやりすぎモデル。実際に走らせると、900cc並列2気筒が心地よい鼓動感を響かせながら、どこまでも自然に加速していく。街中では穏やかで扱いやすく、ワインディングでは想像以上にスポーティ。上品にまとめています。

【第7位】ホンダ CB1000F 過度にとがらせず性能を引き出す調律。扱いやすさと力強さが高次元で釣り合う仕上がり。価格139万7000円【第7位】ホンダ CB1000F 過度にとがらせず性能を引き出す調律。扱いやすさと力強さが高次元で釣り合う仕上がり。価格139万7000円

――見た目はクラシック、やっていることは完全に現代。確かにやりすぎです。そして、第7位は?

青木 ホンダCB1000F。CBR由来のエンジンを扱いやすく再設計し、誰でも楽しめるやりすぎぶり。販売店によっては年内納車も難しいほどセールス好調のようです。

【次点】ホンダ CB400スーパーフォアEクラッチコンセプト 王道の直列4気筒に新機構を搭載。扱いやすさの限界を押し広げる次世代モデル。価格は未発表【次点】ホンダ CB400スーパーフォアEクラッチコンセプト 王道の直列4気筒に新機構を搭載。扱いやすさの限界を押し広げる次世代モデル。価格は未発表

――次点もホンダです。

青木 大阪&東京モーターサイクルショーで初公開されたCB400スーパーフォアEクラッチコンセプトですね。担当者も「公開以降、大きな反響をいただいている」と話していて、鈴鹿8耐でも展示予定と聞きました。発売は「近々」とのことでしたよ!

★『インプレ!』は毎週水曜日更新!★

Photo Gallery

編集部のオススメ

関連ニュース

TOP