呂布カルマ「童貞のまま取り残されていた、あのときの感じに似ている」

撮影/田中智久

『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ『週刊プレイボーイ』でコラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」を連載している呂布カルマ
ラッパーとしてはもとより、グラビアディガー、テレビのコメンテーターなど、多岐にわたって異彩を放っている呂布(りょふ)カルマ。『週刊プレイボーイ』の連載コラム「呂布カルマのフリースタイル人生論」では『決済方法』について語った。

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★今週のひと言「ACジャパンのCMに出ていた俺が現金派を貫く理由」

今までもこのコラムで、やれChatGPTに仕事を奪われるかどうかだの、生成AIによる創作物の是非だなんだと語ってきた俺だが、実はその何歩か前のイノベーションに対応できずにいる。キャッシュレス決済だ。

俺はいまだ支払いのほとんどが現金払いだ。とはいえ、現金派/キャッシュレス派的な派閥や思想があるわけでもなく、なんとなく漠然と現金払いを続けてきてしまった結果の今だ。

これは俺が学生の頃、最初は全員当たり前に童貞で、先んじて初体験を済ませた友を内心うらやましく思いながらも、みんなで冷やかしているうちにアッという間に仲間内で俺ひとりだけが童貞のまま取り残されていた、あのときの感じに似ている。

当たり前だけど、昔はみんな現金派だったじゃない? 現金派っていうか、それしかなかったじゃない、長いこと。

クレジットカードを切るなんて大人の仕草だと思っていたら、いつの間にか俺はとっくに大人だし、世の中はどんどんキャッシュレスに対応どころか推奨するようになり、今では支払い時に「現金で」とわざわざ宣言しなければならないような場面も増えた。

古来セックスとは性器と性器の粘膜接触を意味していたはずが、いつの間にかコンドームによる避妊が推奨、浸透したことにより、わざわざ「生セックス」的なことを回りくどく言わないといけない状況と似ている......って、それは違うか。

とにかく現金払い派の肩身は日に日に狭くなっている。

そういえば、俺がまだ『フリースタイルダンジョン』(テレビ朝日)のモンスター上がりで、一部のラップ好きにしか知られていなかった頃、一気に世のシニア世代にまで認知を広めたキッカケでもあるACジャパンのCMの内容も、列のできたコンビニのレジでモタモタしながら現金で支払おうとするご婦人に対して後ろに並ぶ俺がクレームを入れるのかと思いきや、「焦らなくてもいいんだよ」と鼓舞するというものだった。

裏を返せば、すでにコンビニでの現金払いは迷惑行為として認知されているからこその演出だ。

しかし、当の俺がいまだに現金派だ。現実では後ろに並ぶ赤の他人があんたのペースでいいんだと背中を押してくれることも、早くしろとクレームを入れてくることもないのだが、内心はわからない。

では、なぜいまだに現金派なのかと考えてみると、実はわからない。実際クレジットカードも持っているが、駅で新幹線のチケットを買うときにしか使わない。

もっと言うと、新幹線チケットはいちいち券売機に並ばなくても携帯アプリで予約、決済できてしまうのに、なんなら他人に勧められてそのアプリもインストールしてあるのに、一度も使ったことがない。なぜだ?

日頃からよく電車に乗る俺はSuicaを使うのだが、それだって携帯アプリで事足りる。なのに都度カードに現金でチャージして使っている。なぜだ??

自分でもわからない。

たぶん当たり前だった現金払いや、Suicaのシステムで満足してしまっているのかも。より便利になるのは承知の上で、アプリやなんかの最初の登録や設定の面倒くささや、漠然とすべてを携帯に委ねてしまうことへの不安のほうが勝っているのだ。

ガラケーで十分だと思っていた人がいつの間にかスマホ時代に移り変わり、新たなガラケーが手に入らなくなって渋々スマホに持ち替えるように、いつか本格的に現金が使えなくなるまで俺はキャッシュレスの波には乗れずにいるのだろうな。

★『呂布カルマのフリースタイル人生論』は毎週木曜日更新!★

  • 呂布カルマ

    呂布カルマ

    Ryoff Karma

    1983年1月7日生まれ、兵庫県出身。名古屋市在住。JET CITY PEOPLE代表。ラッパーとして活躍する一方、グラビアディガー、コメンテーターとしても異彩を放つ。 
    公式X(旧Twitter)【@Yakamashiwa

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