
山下メロ
やました・めろ
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1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、平成レトロの象徴とされるのがガラケーと呼ばれる携帯電話です。中でも、INFOBARは、ふたつ折りパカパカケータイ全盛期に、あえて大画面よりもデザインを重視したストレート端末で話題になりました。しかし、同様のストレート端末はほかにもありました。それがtalbyです。
talbyは初代INFOBARから始まったau design projectの第3弾で、初期INFOBARと同じく三洋マルチメディア鳥取が製造。後にアップルウォッチのデザインに関わったオーストラリアのプロダクトデザイナーであるマーク・ニューソンがデザインを手がけました。
ボディはもともとアルミを想定していたことから金属的なシルバーに塗装され、凹凸のない無機質なデザインで近未来感があります。
この時代のガラケーは、ふたつ折りに加え、それ以前から続いている曲線を用いた流線形スタイルが中心でした。それらに対しtalbyは、無機質な直線と図形によって構成されています。
四角いボタンが隙間なく密集する従来の携帯電話とは違い、円形のボタンを等間隔に配置。このボタンの色にバリエーションがあり、黄緑・オレンジ・黒の3種類がありました。
本体の上部にストラップやベルトを通せる大きな横長の穴が開いていることも特徴で、これもまた従来の携帯電話の常識を覆す発想でした。
当時はサブ液晶やサイドボタンなど、機能的なインターフェースが増える傾向でしたが、talbyは必要最低限の要素に絞っています。当時主流だったシンプルライフや、レトロフューチャー的なスタイルに合わせやすく、一部の人にとっては待望の機種だったと言えるでしょう。
ガラケーに比べると、より機種ごとの見た目の差がなくなってしまったスマートフォン。そんな現代にこそ、このtalbyのような革新的なプロダクトデザインの端末が誕生してほしいと思います。