
山下メロ
やました・めろ
山下メロの記事一覧
1981年生まれ、広島県出身、埼玉県加須市育ち。平成が終わる前に「平成レトロ」を提唱し、『マツコの知らない世界』ほかメディア出演多数。著書に『平成レトロの世界』『ファンシー絵みやげ大百科』がある。
記憶の扉のドアボーイ・山下メロです。記憶の底に埋没しがちな平成時代の遺産を今週も掘り返していきましょう。
さて、デザインが似たり寄ったりのスマホに対し、平成の象徴であるガラケーには個性的な機種が多くあります。しかもガラケーは、自分らしさを演出できるいろいろな商品も販売されました。マスコット付き携帯ストラップや、光って着信を知らせたり、警棒のように伸縮する交換アンテナもありました。
交換アンテナの場合、特殊な工具で標準アンテナを外す必要があって、作業は簡単なものの自己責任の改造といった雰囲気で、気軽ではありません。
そんな改造がためらわれる人にうってつけなのがアンテナマスコット。標準アンテナのトップにはめる穴が開いた樹脂製の人形で、携帯電話に好きなキャラクターを取りつけて個性を演出できるアイテムでした。
交換アンテナの固定方法はネジ式ですが、先のすぼまった形状が多い標準アンテナの先端にはめるだけのマスコットは、外れやすいという欠点があります。そこで、両面シールが付属する、穴部分がラバーになっているなど、脱落しないよう物理的に対処していました。
また、交換アンテナはパッケージに対象機種の型番が印刷されていましたが、マスコットには独自の確認方法があります。パッケージの台紙に陳列用のフック穴と兼用の穴が開いており、そこに自分の携帯電話のアンテナを挿して、ぴったりはまるなら対象機種。まるで、ガラスの靴でシンデレラを探すがごとく......。
バイクのカスタムパーツ「旗棒」の先端や「じゃんけんミラー」に似たアンテナマスコット。通話ノイズや途切れの減少効果あり(!?)
ヤンキーが原チャリのミラーに装着する「旗棒」の先っぽ風の商品、大流行の「たまごっち」とその類似キャラ、『ときメモ』など、自分らしさをさりげなく演出できる商品がいろいろと発売されました。
この後、ガラケーのアンテナが固定され、外せない時代になります。アンテナ交換はできなくなり、はめるだけのマスコットこそが輝く時代でした。
今あえてガラケーを持っている方、ぜひアンテナマスコットを装着しましょう。