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元Jリーガーで、現在は秋元康プロデュースの昭和歌謡グループ・SHOW-WAのメンバーとして活躍する青山隼の連載「果てしない延長戦」。現役時代の先輩や戦友をはじめ、各界で活躍する方をゲストに招き、「人生の転機」や「次への挑戦」をテーマに熱く語り合う。
引き続きゲストは、『ぽかぽか』(フジテレビ系)でSHOW-WAとMATSURIのアドバイザーを務めていた芸人・音楽プロデューサーの古坂大魔王さん。番組での裏話や最近の悩みを相談した前編に続き、後編では人生の転機や指針となった言葉について語ってもらった。
――この連載では人生の転機について伺っているのですが、やはり2016年からプロデュースされているピコ太郎さんの世界的ヒットでしょうか?
古坂大魔王(以下、古坂) 原点となる転機を挙げるなら幼少期、テレビでとんねるずさんを見たことです。歌番組でキョンキョン(小泉今日子)とかがいる中で暴れまくって、「プロレスみたいなことをテレビでやっている人がいる!」ってもう死ぬほど笑った(笑)。元々プロレスが好きだったのもあって、衝撃が走ったんだよ。それで小学校4年生からコント始めて、5年生はクラスでコントを披露して、6年生で地元のラジオにカセットテープ送って優勝。青森のラジオ番組に毎週呼ばれて、その頃から「俺は絶対芸人を一生やり続ける。とんねるずみたいになるんだ」と決めました。中学2年生で、東京で山田邦子さんがやっていた素人参加型の番組に出て優勝して、18歳で上京して。
古坂 最初は音楽をやる気なんて全くなかったです。とんねるずさんのことはお笑いとか歌手じゃなくて、スターだと思ってた。ただ、お笑い1本でやるのは嫌だったので、21歳からクラブを借りて朝までイベントをやったり、シンセサイザー買って自分で曲を作ったりして。当時は芸人が音楽やるのは流行ってなかったし、音楽をやればやるほどファンは離れていった。でも僕は流行りと逆にいくことが好きなので、「音楽をやろう」って。しかもテクノで周りと違うって意地と、やっぱり好きだったんだよね。それに、月10万で生活してるヤツが、音楽を作るために700万かけてパソコンとかDTMのシステムを揃えたから、もうやめられなくなっちゃって(笑)。
――ピコ太郎さんの楽曲もそうですけど、面白い音へのこだわりが強いですよね。
古坂 そうですね。昔、芸人仲間から「楽屋で日本一おもしろい男」と言われてたけど、何を喋ったかはみんな覚えてない。でも、それが俺の中では誇りで。言葉なんてたいしたことなくて、どう喋ったかがおもしろいと思っていたから。喋りにもメロディやキーがあるんですよ。それでいうと、青山くんってキーが低いのよ。
青山 あ......、低いかもしれないです。
古坂 キーが低いと、受け手は感情的に「落ち込んでいる」「怒っている」ように感じちゃうのね。だから、喋りのキーとメロディを変えることが大事で。「この水はうまい。つまり、言いたいことは水がうまいという↑話であ~る」とか言うと、「なんだよ、それ!」ってなる(笑)。言葉としてはたいしておもしろいことを言ってないのにウケる。これが喋りのメロディなんだよね。「なんでやねん!」って素直に言えなくて、「なんでやねん、ねん、ねんねんねんねん!」って言いたくなっちゃうの。
青山 あはは(笑)。なんか笑っちゃいますね。

古坂 何がおもしろいの?って、とんねるずさんのラジオもそうだったの。ぴよよよ~ん!とか意味わかんない。だから、青山くんもキーの高さは大事だと思う。
青山 考えたことなかったですね。キーですか......。
古坂 キーをちょっと上げたら機嫌がよく感じるし、ここぞってときは言葉の最後に句読点をドンって打つの。そうすると話がウケやすい。青山くんは言葉尻がモゴモゴって終わるところも魅力でもあるけど、語尾にきっちり句読点を打って、キーをちょい上げする。そうすると可愛くなる気がするんだけどね。
青山 確かに、「怒ってるの?」って思われるんですよ。そんなことないんだけど......って。
古坂 やっぱり、声のキーを少し、上げてみてもいいのかもしれないね。俺も原因を必死に取り除いてきたんだ。衣装もメガネも髪型も出順も変えた。自分なりに解釈してローカライズしてきたの。青山くんはせっかくいい顔をしているんだから、ニコニコ笑って声のキーをちょい上げする。緊張したときって少しキーが上がるでしょ? その方が絶対にウケるし、可愛げが出ると思うよ。
青山 あと連載で皆さんに伺っているんですけど、古坂さんが大切にしている"人生の指針"や座右の銘はありますか?
古坂 昔はね、「負けなきゃ勝つ」って言ってたのよ。負け続けても自分が「負けました」と認めなかったらいつかは勝てると思っていたから。だけど、8年前に子供が生まれたこと含めていろんな経験から、今は「愛こそ最強」に変わった。子供が生まれて、仲間とか人の死を経験して気づいたのは、この世に不変なものなんて存在しないってこと。映画『インターステラー』じゃないけど、愛は時間も空間も超えてしまう。実は接触回数と積み重ねた時間なんだよね。経験や歴史も自己愛だし、応援してくれるファンの人たちの存在もまさに愛。こちらがありがとうって感謝を伝えると、あっちも大好きって返してくれる。そうすると、世界から敵がいなくなるんだよ。無敵って強いってことじゃなくて、敵を味方にしちゃえばいいってこと。つまり、人を蹴落としているうちは修羅の道だけど、愛を持って褒めた瞬間からウケ始める。これは文庫本1冊くらい時間がかかる話なんだけど、愛を持って敵を無力化すれば、無敵になれるんだよ。
青山 いやぁ......、深いですね。
古坂 深いんだけど、何も核心ついてないのよ。全部、本で読んだ深そうな話(笑)。愛って難しいよね。
古坂 あとは「現状維持は退化なり」って言葉も好きです。進化していってやっとトントンで、現状を守ろうと思った瞬間から実は退化が始まっている。自分は少しずつ上がっているつもりでも、周りから見たら「あいつは横ばいだな」って思われちゃう。SHOW-WAも武道館公演が終わって、その先を目指していくじゃない。
青山 ちょうど最近、SHOW-WAの今後やみんなの思いをすり合わせしたところです。
古坂 今の感じだったら、アリーナも行けるんじゃない?
青山 頑張ります! 元ブラジル代表のエジミウソンが主宰する社会貢献の財団があるんですけど、彼も「現状維持は退化」だと言っていました。ワールドカップ優勝という過去の栄光に囚(とら)われず、サッカーを通じて今の自分が未来の子供たちのために何ができるかが大事なんだと。
古坂 まさにそうだよね。球を蹴ったり言葉にメロディをつけて歌ったりすることで、世界中の人に勇気や喜びを与えられるってとんでもないことじゃない。退化しないで挑戦し続けることで、どれだけ熱狂させられるか。やっぱり応援してくれる人たちのおかげだよね。熱狂してくれる人たちがいるから、スターが生まれる。はぁ......なんかたくさん喋って酒でも飲みに行った感じがするね(笑)。
青山 そうですね(笑)。ぜひ今度、本当に飲みに行かせてください!
★果て戦だけの激レアSHOW-WAオフショット★

先日開催されたイベント「絶対に負けられない大討論会」出演前のじゅんじゅん
●古坂大魔王(こさかだいまおう)
1973年7月17日生まれ 青森県出身
◯1992年にお笑い芸人「底ぬけAIR-LINE」でデビュー。現在は芸人、ピコ太郎のプロデューサーも務める。今年はピコ太郎の『PPAP』10周年を迎え、配信限定アルバム『Tottemo Release 80.8』配信中。「第1回クラシック音楽アワード2026」を受賞するなど、ジャンルを超えて幅広く活動中。
公式X【@kosaka_daimaou】
●青山隼(あおやま じゅん)
1988年1月3日生まれ 宮城県出身
◯2006年にプロデビュー。U-20日本代表経験を持ち、Jリーガーとして名古屋グランパス、セレッソ大阪、徳島ヴォルティス、浦和レッズでプレーし、2015年に現役引退。その後は舞台やドラマ等に出演。現在は、秋元康プロデュースの昭和歌謡グループ・SHOW-WAのメンバーとして活動中。ラジオ『SHOW-WA寺田&青山の青春時代を取り戻せ!』(CBCラジオ/毎週日曜22:00~、tbcラジオ/毎週月曜22:00~)レギュラー出演中。1stアルバム『タイムマシンはいらない』発売中!
公式X【@jun_aoyama1988】
公式Instagram【@jun_aoyama_show-wa】