日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『RYUJI 竜二』をレビュー!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。究極の愛と絆を描く伝説の映画が再び幕を開ける!
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『RYUJI 竜二』

評点:★3点(5点満点)©2026「RYUJI」製作委員会©2026「RYUJI」製作委員会

看板ひとつで崩壊する「時代感」

1983年の映画『竜二』のリメイクである。

つまりオリジナル版と本作の間には43年の開きがある。

世の中はその間に大きく変わった。

ヤクザがらみで最もインパクトが大きかったのは1992年に施行されたいわゆる「暴対法」で、これにより、実態はともかく、歌舞伎町の景色も表面的にはかなり様変わりした。

「男らしさ」にまつわるイメージも同様で、親しい人に対してすら「おう」とか「ああ」のような言葉にならない音を発するだけで、何もかも自分で背負い込んだつもりになっている姿こそが「男らしい」とされていた時代は過去のものとなった。

時代設定も含め本作の主眼がノスタルジーにあることは理解できるが、批評性を欠いたノスタルジーが往々にしてそうであるように、アナクロニズムに陥ってしまったように見える。

小道具や衣装も含め、さまざまな手法で時代感を醸成しようとしているにも関わらず、2022年になってからリニューアルされた新宿ゴールデン街の看板が繰り返し映るのにも驚かされた。

その看板ひとつで時代が全く違うことが分かってしまう以上、なんとかするべきだった思うし、そこをスポイルして良しとする「ノスタルジー」には不信感を覚えざるを得ない。

STORY:昭和末期から平成初期にかけての新宿・歌舞伎町。情に厚いヤクザの竜二は、家族のために裏社会から足を洗うことを決意する。しかし、薬物に溺れた兄弟分や、舎弟たちとの再会が、彼を過去へと引き戻していく.....

監督:水田伸生
出演:柳楽優弥、川栄李奈ほか
上映時間:92分

全国公開中

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