AKB48大盛真歩(おおもり・まほ)「つらいこともあったけど、結局AKB48が大好き。この先もずっとファンです」【連載 なんで令和にAKB48? Season2】

取材・文/関根弘康 撮影/篠田直人


国民的アイドルグループと呼ばれたAKB48が誕生して20年。現役のメンバーたちは何を思い、どんな活動をしているのか? パーソナルヒストリーを掘り下げる連載なんで令和にAKB48? Season2」。第12回は6月末でAKB48を卒業する大盛真歩(おおもり・まほ)。2018年1月21日に『第3回AKB48グループドラフト会議』でチームBより指名されてグループに加入し、AKB48のバラエティ担当として大活躍。前編では学生時代やドラフト会議の話などを聞かせてもらいましたが、後編は卒業の理由、今のAKB48について思うことなど語ってもらいました。

【みんな忘れてると思うけど、初期はすごい推されてました】

――チームBに加入して、活動はどうだったんですか?

大盛 初めはめっちゃ怖かったです。仲の良い先輩もいないし、もう絶対に慣れないって思ってました。キャプテンの高橋朱里さんもすごい怖かったんですよ。卒業する間際には「期待してるからね」って言ってくれて。期待してくださってるがゆえの指導というのはあったんですけど。ダンスもできないし、震えながらやってました。

でもしゃべるようにしてたら仲良くしてくださって、そこからすごい楽しくなって。当時のチームBはしーさん(大家志津香)だったり、(中西)智代梨さんだったり、面白い方もたくさんいて。最終的には「このチームに一生いたい」って思うようになったんですけど。

――劇場デビューは遅かったけど、正規メンバーへの昇格は3か月と早かったですよね。

大盛 自分でもなんでだろうって思ったし、同期からの視線も怖かったですね。

――なんでなんですかね?

大盛 かわいかったからかな(笑)。それしか言いようがないです!

――......わかりました。

大盛 でも何もない私が昇格してしまったので、もっと頑張らなきゃって思いました。

――小栗有以さんや山内瑞葵さんだったり、新世代エースが集まったユニットIxR(アイル)での活動はどうだったんですか?

大盛 ちょうどコロナ禍ではあったんですけど、いろいろ活動させてもらったほうだなと思ってます。無観客でライブをしたり、グッズも作ってもらったり。

――大盛さんはデビューして1年ちょっとで選ばれるという大抜擢でしたよね。

大盛 だから検索すると、まとめサイトみたいなところに、「何で大盛?」みたいのがめっちゃ出てきて。悲しんではいましたけど、ここから見てろよって思ってましたね。

――今はバラエティ担当みたいなイメージありますけど、初期は正統派ですよね。

大盛 正統派でやろうと思ってました。IxRも未来ある正統派として選ばれてますし、みんな忘れてると思うんですけど、すごい推されてたんですよ!

――すみません......。でも、その時期に発売された『根も葉もRumor』で選抜に入れなかった。発表はどんな感じだったんですか?

大盛 確か劇場に全員が集められて。先輩から順に呼ばれていって、最後のあたりに初選抜メンバーで(西川)怜ちゃんや(千葉)恵里が呼ばれて。人数を数えていたら、もうないなと思って、その場で泣きました。帰りはさとちゃん(久保怜音)と一緒だったんですけど、泣いていたら「大丈夫だよ」って背中をさすってくれました。

――そして辞めようと思ったと。でもスタッフさんに「次が決まってないなら、1、2年いてもいいんじゃない」と言われて。なんで残ろうと思ったんですか?

大盛 お母さんから「やりきってから辞めた方がいいんじゃない?」って言われていたし、冷静になって考えたら、後悔が残る状態で辞めるのは良くないなって。次にやること見つかるまで、本当に楽な気持ちで続けようって。 

――意識が変わったんですね。 

大盛 それまでも自由にやらせてもらってた方だと思うんですけど、やっぱアイドルってマイナスなことは言わないとか、正しいアイドル像ってあると思うんです。正統派で頑張ろうと思ってた部分がすごくあって、本当の気持ちだったり、本当の自分を抑えることが多かったんですけど、辞めるなら、もう何でもいいやってなっちゃって。もっと気楽に、どうせやるなら楽しもうって気持ちになったんです。

そしたらあれよあれよと。その次のシングルの『元カレです』で選抜に選んでもらって。雑誌に出させてもらって、舞台をやったり、バラエティとかもすごい出させてもらったり。選抜をきっかけにやったことないお仕事をたくさんやらせてもらうようになったんです。

――無理しなくなった結果がよかったと。でも自由にやってて、周りから言われなかった?
 
大盛 ファンの人とはケンカしましたね(笑)。SHOWROOMとかで、「こうしたほうがいいんじゃない?」とかコメントが来るんですよ。自分がめっちゃ頑張ってやってることに対して「違うよ」とか。今までだったら「ごめんね」って言って終わりにしてたんですけど、そのときは、「自分はこう思ってる」とか、「自分はこうです」って主張をすごいして、めちゃめちゃケンカしました。ずっと応援してくれている人はヒヤヒヤしたって言ってましたし、それで離れちゃったファンの人もいっぱいいますね。

――でもそういうキャラがバラエティにハマったのかなって。『AKB48 サヨナラ毛利さん』(日本テレビ)の企画で番組センターになりましたよね。確かトロッコに乗ったクロちゃんのお尻がどんどん顔に近づいてきて、どこまで我慢できるかって企画。

大盛 昔からバラエティではどうやったら面白くなるんだろうとか考えていて。今までも何か発言しようとなっても、考えているうちにタイミングを逃しちゃって。何回も悔しいって思ってきたので、ここはやるしかないなとクロちゃんのお尻を受け止めました。

――すごいガッツだなと思いました。それこそ選抜はバラエティ枠で勝ち取ったような印象があります。

大盛 7作連続で、アルバムも入れたら8作連続で選抜に入れてもらいましたね。

――王道から入ると思ったら、バラエティ側から選抜に。

大盛 でも入れるなら何でもいいと思っていて。私、活動する上で、選抜に入れるか入れないかって、めちゃめちゃ大事にしてたんです。選抜を目指して入るぞって思ったのが二十歳の成人式ぐらいで、そこからAKB48にいるなら、選抜で絶対活躍するって決めて。

――有言実行でしたよね。周りからはどんなことを求められていたと思いますか?

大盛 でもバラエティに出て、「しゃべれるね」って言われるようになってからは、トーク収録メンバーにも入れてもらえるようになって。それも嬉しいですけど......、やっぱビジュアル? そこは変わらずビジュアルなのかなって思ってました。

――力強く言い切りますね

大盛 だって、みんなが言ってくれるんですよ! メイクさんとかも。いや、ビジュアルでしょう。でも太り始めたときは、みんなマズいぞと(苦笑)。

――ご自身が言ってくれたので触れますけど、グラビアをやりながらも太ってた時期が意外とありますよね。

大盛 今より10キロとか(笑)。でもそれも自分ですから。そのときの自分を愛そうって。

――どういう生活をしてたんですか?

大盛 23歳ぐらいからお酒に目覚めまして。お酒とご飯が生きがいになりました。忙しいのもあって、家に帰ってから寝るまでしか自分の時間がないんですよ。もともと食べるんですけど、それにお酒が入ったことでバグっちゃって。コンビニの大盛りパスタを食べて、ポテチ2袋、ピザも頼んで食べて、もう無限でしたね。そしてアニメを見ながら寝落ちするっていうのが日課でした。

――納得の理由でした。さすがに痩せなきゃとかないの?

大盛 CDのジャケット撮影前とかは頑張ろうって。もともと代謝がいいので、すぐ戻るんですよ。そもそも、そのご飯の量だったら、普通の人ならもっと太るんです。これでおさまってるのがすごいって言われて。でも年を重ねると、落ちなくなってきました......。 

――卒業に向けてダイエットしてると言ってましたもんね。

【変化していくAKB48についていけなくなってるなって】

――今回、卒業を決めた理由は?

大盛 1年半ぐらい前かなと。いろんなお仕事をさせてもらって、やったことのないことがなくなってきたんですよ。AKB48で活動していく中で、やってないことをやりたいっていうのが大きくて。本当にいろんな挑戦をさせてもらって、やりきったってタイミングではあるし。それプラスAKB48も変化していくじゃないですか、その変化に時々ついていけなくなった自分がいることに気づいて、今が辞めどきかなって思ったんです。

――結構前なんですね。

大盛 それでゆきりん(柏木由紀)さんとか先輩に相談したんですけど、「もうすぐ来るAKB48の20周年はやったことないことがたくさんあると思うし、今後の人生の宝物になるような出来事がきっとあると思うよ」って。「すぐ辞めたいとか、つらいとかじゃなければ、そこまでいてもいいんじゃない」って言ってくださって、じゃあ20周年が終わったタイミングで辞めようって。

――延長しての今なんですね。やっぱり選抜落ちしたのも理由としてあるんですか?

大盛 選抜に落ちる前から、20周年が終わったタイミングで辞めようと思っていて。でも、確かに選抜に入り続けていたら、考え方が変わってたかもしれないけど。

――選抜に入らなくてもずっと楽しくやってそうなイメージがありました。

大盛 それは全然違いますね。もう絶対選抜じゃないとダメだって思ってたんで。

――AKB48が変化してきたと言いましたが、今のAKB48って見ていてどうですか? 

大盛 新しいし、外からも、卒業しちゃった同期や地元の友達から、「最近SNSにすごいAKB48が出てくる」みたいなことも聞くし、今はすごくいい風というか、波も来てるんじゃないかなって思います。 

――そこに乗ってもよかったのに。

大盛 それはまた話が違って。入ったのが8年前というのもあって。自分の常識と、今、入ってきているコたちの常識がたぶん違って。ジェネレーションギャップじゃないけど、時代だなって。そこで私はやれないかなと。そこで進化して、時代に合わせてやっていけるのが今いる先輩メンバーたちなんだろうなって。

――時代に合わせて変化していけるか。

大盛 私はもう染みついちゃって変えれないなって。だったら自分が辞めるしかないって思いました。

――今のAKB48の楽しさはなんだと思いますか?

大盛 本当に先輩、後輩の垣根がないから楽しいですよね。縮こまることもないんじゃないかなって。むしろ私のほうが後輩にちょっとビクビクしてるぐらい(笑)。本当にラフな関係だからこそ、公演とかで出てくる絡みとかも先輩、後輩の垣根なく。チームもないですし、それがAKB48としての一体感になっているのかなって。

――大盛さんって昔から先輩後輩の垣根とか気にしなそうなタイプですけど。

大盛 私、めっちゃ気にするんです! 世間からは気にしてないように見られるけど、全部頑張ってたんですよ。バラエティとかも無理してたと思う。自分が楽しもうって始めたことだけど、ここで暴れたら盛り上がるなとか、ちょっとおかしいことを言った方がいいなとか。

でもコンサートに指原(莉乃)さんが来てくださったときに、MCとかでも自分を下げた内容とか、このご時世あまり良くないんじゃないかとおっしゃっていて。それこそ自分は自虐で笑いを取ってきたけど、それが抜けなくて。でも時代は違うんだなって。自分を変えられないなら辞めるしかないなって。 

――なるほど。自分も確かにそう思うことがあって、春のコンサートタイトルが、「私たちだけじゃダメですか?」 だったじゃないですか。昨年の20周年記念コンサートのOG大集合を意識しつつ、大流行した「かわいいだけじゃだめですか?」をもじった見事なタイトル。昔だったら面白いねで終わったと思うんですけど、「そんなこと言わせて、頑張ってる彼女たちがかわいそう」って意見も出てきて。

大盛 そういうのが多いです。今までの感覚とは違ってきたんだろうなって。

――わかる気がしました。この先はどうするんですか?

大盛 マジで今の段階では何も決まってなくて、最後の日も言うかわかんないです。辞めるときは次を決めなきゃいけないんだって学んで。もう1年半前から次を探してはいたんですけど、やりたいことが見つからなくて......。いや、困った。 

――芸能界には残らないと言ってましたね。

大盛 そうですね、芸能は本当に大変な世界なので。  

――どんな方向に進んでいきたいとか。

大盛 働きたくないけど、働きます。どういうお仕事をやりたいとかないけど、プライベートではガチャガチャをしたり、グッズを買ったり、オタ活するとお金がかかるじゃないですか。

――AKB48のグッズが欲しくてバイトしてた高校時代の大盛さんと一緒じゃないですか! 今、AKB48としては東京ドームを目標に掲げています。以前に大盛さんにお話を聞いたときも目標は東京ドームと言ってましたよね。

大盛 確かに東京ドームは立ってみたかったけど、いつか見せてって感じですね。

――立つには何が必要だと思います?

大盛 やっぱり、もうちょっと一般の方への認知度かなと。メンバーひとりひとりの顔と名前を知ってもらう。あとは新しい代表曲なのかな。みんなに聴いてもらえたらいいですよね。

――でも、知名度も以前よりは上がってきましたよね。

大盛 だからこの調子と思います。

――何年後ぐらいにできそう?

大盛 2年? フルーツジッパーさんが3年で行ったから。

――これで最後の質問です。大盛さんにとってAKB48とは?

大盛 えーーー、大好き。ですかね。もともと大好きで入ったグループだし。つらいこともめっちゃ多かったし、本当にAKB48って残酷って思うことも何回もあったし、だけど結局大好きですよね。

――嫌いになったことはない?

大盛 選抜に入れなかったときぐらい。そういうのは根に持つタイプなんですよ(笑)。『名残り桜』も辞めるって決めてたけど、選抜に入ってなかったので、全然聴かなかったんですね。でも活動していると聴くじゃないですか。そうすると、やっぱり好きになっちゃうんですよね......。自分が選抜に選ばれてない曲って、どうしても好きになりづらいですけど、でもやっぱり素敵な曲だし、ついつい口ずさんでしまう。結局AKB48が好きなんだなって。この先もたぶんずっとファンですね。

【連載「なんで令和にAKB48?」は木曜日更新。次回は7月9日、下尾みうが登場!】

●AKB48
2005年(平成17年)12月8日、秋葉原のAKB48劇場で1期生お披露目。
2025年12月4日に21期生がデビュー。
68thシングル『好きish』が8月19日発売!! 秋のコンサート「AKB48 THREE CONCEPTS LIVE」が9月26日、27日(日)Kアリーナ横浜で開催決定!
最新情報は公式ホームページをチェック。

●大盛真歩(おおもり・まほ)
1999年12月5日生まれ、茨城県出身
身長162cm
Nickname=まほぴょん
公式X【@akb48_maho】
公式Instagram【@maho_usagi】

『週プレChannel』にてメイキングムービー公開中!

『週プレ グラジャパ!』で大盛真歩の撮り下ろしグラビア&ロングムービーを公開中!

17期生~20期生までの撮り下ろしグラビア&ロングムービーは『週プレ グラジャパ』をチェック! 

Photo Gallery

この記事の特集

編集部のオススメ

関連ニュース

TOP