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小田原ドラゴン(おだわら・どらごん) 1970年生まれ、兵庫県出身。『僕はスノーボードに行きたいのか?』でヤンマガ月間新人漫画賞奨励賞を受賞。『コギャル寿司』で第47回文藝春秋漫画賞受賞。代表作に『おやすみなさい。』『チェリーナイツ』『ぼくと三本足のちょんぴー』『今夜は車内でおやすみなさい。』など。週プレNEWSオリジナル漫画『堀田エボリューション』のデジタルコミック第1~2巻発売中
2024年9月、集英社「週プレNEWS」で連載が始まった小田原ドラゴンの新作漫画『堀田エボリューション』。フィクション作品としては実に9年ぶりとなる待望の新作です。では、この奇才・小田原ドラゴンは、どのような歩みを経て『堀田エボリューション』にたどり着いたのか――。その創作の舞台裏をじっくり紐解いていきます。
連載第41回は、新宿歌舞伎町のキャバクラについて語ります。
* * *
ライターであり、盟友でもあった石川キンテツが突然この世を去ったのは、2024年7月8日。自宅のドアの前で倒れていたそうです。
司法解剖も行なわれたそうですが、結局、死因はわからないまま。家族葬だったため、僕は最後のお別れをすることができませんでした。それだけが今でも少し心残りです。
今年3月26日放送のTOKYO FM『TOKYO SPEAKEASY』では、安田大サーカスのクロちゃんとキンテツについて語り合いました。
クロちゃんとキンテツはキャバクラ仲間。僕も昔からキンテツを通じてクロちゃんの話はよく聞いていました。
キンテツは生前、クロちゃんに僕の悪口をずいぶん吹き込んでいたらしいんです(笑)。しかも僕だけじゃなく、あちこちでいろんな人の悪口を言っていたことが判明......。
亡くなってもうすぐ2年。それでも新しい僕への悪口証言が出てくるあたり、本当に飽きさせない男です。
彼と出会ったのは2005年。拙作『小田原ドラゴンくえすと!』(小学館)にライターとして携わってもらったのが縁の始まりです。当時のキンテツは『週刊ヤングサンデー』の読者ページでライターをやっていて、一緒にいろんな風俗店へ取材に行きました。
キンテツの行きつけの新宿・歌舞伎町の大衆キャバクラにも一緒に行きましたね。ある日、キンテツが「ここは安い店だから、お触りしても大丈夫です」なんて、とんでもないことを言い出したんです。
もちろん、そんなわけありません。むちゃくちゃな話です。
でも、そういうむちゃくちゃなことを平然と言う男でした。
『堀田エボリューション』デジタルコミック第2巻発売中。第3巻絶賛制作中
以前、この話を週プレNEWSの編集長と担当編集にしたところ、「命日が近くなったら、その歌舞伎町の大衆キャバクラでキンテツさんを偲びましょう」という話になりました。
でも、去年も今年も結局実現できずじまい。今年は僕が北海道で夏を過ごす生活を始めたこともあって、なおさら予定が合いませんでした。
それでも、いつかは実現したいと思っています。歌舞伎町の大衆キャバクラでキンテツのバカ話をして、みんなで笑う。たぶん、それがあの男を偲ぶにはいちばんふさわしい気がするからです。
《つづく》