
渡辺雅史
わたなべ・まさし
渡辺雅史の記事一覧
フリーライターとして雑誌や書籍への執筆をするほか、ラジオ番組やテレビの番組の構成作家としても活躍。趣味は鉄道に乗ること。国内の全鉄道路線に乗車したほか、世界20の国・地域の鉄道に乗車。
フードデリバリー各社の配達員規約を比較。けっこう違いがあるようで......
連載【ギグワーカーライター兼ウーバーイーツ組合委員長のチャリンコ爆走配達日誌】第153回
ウーバーイーツの日本上陸直後から配達員としても活動するライター・渡辺雅史が、チャリンコを漕ぎまくって足で稼いだ、配達にまつわるリアルな体験談を綴ります!
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フードデリバリー各社には配達員、利用者、店に対する「規約」が定められていています。それらに違反するとアカウント停止などのペナルティが発生します。
ウーバーイーツ、出前館、menu、ロケットナウでは配達員に対する規約がネットで公開されていて、誰でも自由に見ることができます。この規約を読み込んでいくと、会社によっては配達員に対して重い責任を追わせるルールを定めるところもあったりします。
そこで、各社の配達員規約を比較。稼げるかどうかはさておき、配達員にとって安心して働くことができるのはどこか、調べてみました。
まず、配達中に使用するリュックについては以下の通りです。
●ウーバーイーツ......断熱性・防水性が優れた配達用バッグの使用を推奨
●出前館......保温性が保てるもの、他社のバッグの場合はロゴを隠す
●menu......保冷保温バッグの使用を義務付け
●ロケットナウ......他社のロゴが記載されたものは使用禁止
一番厳しいのはロケットナウです。他社のロゴが記載されたリュックの使用が禁止されているため、ロゴ部分を隠して使ってもアウトです。次が出前館、続いてmenu。最もゆるいのはウーバーイーツでしょう。
また、ウーバーはバッグの使用を「推奨」なので、極端な話、リュックを持たずに配達してもルール的には問題ありません。断熱性のあるリアボックスをバイクの後部に取り付けて配達する、自動車に保温効果のあるボックスを持ち込んで配達するなどのケースを想定して、リュックの使用を義務化していないのでしょう。
続いては、事故やトラブルが起きた際の配達員の責任の範囲。
●ウーバーイーツ......カスタマーサポートがチャット対応。事故に対する保険制度あり
●出前館......90日以内にトラブル4回でアカウント1週間停止。5回でアカウント停止。事故に対する保険制度あり
●menu......メールや電話でサポートが対応。事故に対する保険制度あり
●ロケットナウ......配達員自らの責任と費用で解決。会社は責任を負わない
こちらも一番厳しいのはロケットナウでした。規約を見る限り、置き配に関するトラブルや、配達中に商品を破損してしまった際の商品の弁済などを自分で行なわなければならないようです。また、事故に関しても自力で解決しなければならないようです。
ウーバーイーツ、出前館、menuは似たような感じですが、menuは電話での対応窓口があり、これは配達員にとってはありがたいです。ウーバーイーツは保険を使うと一旦アカウントが止まるので、規約的に厳しい順はウーバーイーツ→出前館→menuになると思います。
配達依頼の拒否に関するルールは以下の感じです。
●ウーバーイーツ......自由に拒否可能。ただし拒否回数が多いと特別報酬が得られないケースも
●出前館......自由に拒否可能
●menu......自由に拒否可能
●ロケットナウ......基本、届いた依頼は遂行する
ウーバーイーツが今年から導入した、拒否回数に制限のあるクエストによって、ルールの締め付けが強化。厳しい順に並べると、ロケットナウ→ウーバーイーツ→出前館→menuです。
最後に、この連載のような「配達ネタ」を発信することに関するルールを比べてみました。
●ウーバーイーツ......プライバシーに抵触するものはダメ
●出前館......配達員用アプリの画面などを投稿するとアカウント停止
●menu......配達員用アプリで知り得た情報をネットに公表することは禁止
●ロケットナウ......個人情報や営業秘密の発信は禁止
menuの配達員は禁止、出前館の配達員にいたってはアカウント停止(=クビ)となるとは......。ウーバーイーツ配達員がXやYouTubeでいろいろと発信しているのは見かけますが、他社の配達員のものを見かけないのは、規約に抵触するからなのですね。今回、規約を調べて初めて知りました。
規約が厳しい順に並べると、ロケットナウ、出前館、menu、ウーバーイーツといった感じになると思います。
こうやって各社を比較すると、ウーバーイーツの規約が一番ゆるくて、空いた時間に稼ぐのには適しているなと。そして、この連載が150回以上も続いているのは規約のゆるさのおかげなのだと実感しました。