プロ野球選手の「体重」を考える【山本萩子の6−4−3を待ちわびて】第221回

構成/キンマサタカ 撮影/栗山秀作

プロ野球選手の体重について語った山本キャスタープロ野球選手の体重について語った山本キャスター

年齢と共に体重が気になる年頃ではありますが、私たち以上にプロ野球選手は自分の体重を管理しています。

プロ野球選手の肉体改造といえば、「体重を増やして球速アップ」「筋肉をつけてパワーアップ」というイメージがあります。でも、実際に選手たちと話してみると、「筋肉をつけて体重も増やせばいい」という単純な話ではないようです。

ヤクルトの増田珠選手が、シーズン前よりも大幅に体重が増加していたことがニュースになりました。彼のようなパンチ力のあるタイプのバッターにとって、体重増加はとても合理的な選択だと思います。6月3日のロッテ戦ではキャリアハイを更新する4号ホームランを打つなど成果を見せつけているので、今後、相手チームの警戒がさらに強くなることでしょう。

一方で、体重の増加だけが正しい選択とも限らないようです。スピードタイプの選手にお話を伺った際、もともと細身だったものの更に体重を落とし、よりキレが上がったことで結果的に長打も増えたというエピソードを聞いたことがあります。

ヤクルトの内山壮真選手は自主トレで取材した際に、シーズンを通じて長打を出すために体重管理をしっかりしたい、と語っていました。目標に掲げる「OPS .800」を達成するには、ある程度の体重をキープすることが不可欠だという判断のようです。

かつては、「ルーキーはまず体を大きくする」のが鉄則でした。今もその傾向はあるでしょうが、さらに一歩進んで、血液検査で自分の体に合う食材を調べたり、遅延型フードアレルギーの検査を受けたりと、科学的アプローチが一般的になってきました。

ところでみなさんは毎日体重計に乗りますか? 私は乗らない派です。理由は怖いからです。ところでみなさんは毎日体重計に乗りますか? 私は乗らない派です。理由は怖いからです。

まずは「自分の体」を探る必要がありますし、「でかくなること」が正解とは限らない。目指すプレースタイルに合った適正体重を探り続けることが、現代のプロ野球選手の肉体改造なのではないでしょうか。それは、終わりなき"実験"の繰り返しだと思います。

増田選手が体重増加をシーズン中に公表したことは異例でした。本人は「相手の受け取り方も変わると思うので」と冗談交じりに語ったそうですが、ソフトバンク時代の登録体重のまま変えていなかった、というのも驚きです。

ファンが選手の体重を知る機会は、選手名鑑で確認するくらいです。それもシーズンが始まる前の段階の数字。夏場に絞れてきた、逆にひと回り大きくなった、と見た目でわかることはあっても、正確な数字はわかりません。だからこそ、球団にはもっと積極的に体重情報をアップデートしてほしいなと思います。

スタメン発表の時に、背番号と共に体重の増減も発表する演出があったら、個人的には"激アツ"。その選手の体重変化がパフォーマンスにどう影響するのか、一緒に見守ることができるからです。

選手の体重に注目することは、野球観戦をより深く、面白くする要素のひとつになるかもしれません。

それではまた来週。

★山本萩子の「6-4-3を待ちわびて」は、毎週金曜日朝更新!

  • 山本萩子

    山本萩子

    やまもと・しゅうこ

    1996年10月2日生まれ、神奈川県出身。フリーキャスター。野球好き一家に育ち、気がつけば野球フリークに。2019年から5年間、『ワースポ×MLB』(NHK BS)のキャスターを務めた。愛猫の名前はバレンティン。

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