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5月1日に復帰した西武・ネビン(中央)。そこから14試合で7本塁打、打率.412と大暴れ
セ・パ共に下馬評を覆す波乱の序盤戦を経て、いよいよ全18試合の短期決戦の幕が上がる。現役投手を指導するピッチングデザイナーで本誌おなじみの野球評論家・お股ニキ氏が、その見どころを徹底的に深掘りする!
両リーグ共に下馬評を覆す展開が続いている。今季も下位に沈むとみられていたヤクルトと西武が、それぞれセ・パで首位に立っているのだ。
「ヤクルトの首位は私自身も予想外でした。村上宗隆(ホワイトソックス)のメジャー流出や主力陣の衰えを、丸山和郁(かずや)、内山壮真、田中陽翔(はると)ら若手が見事にカバーしています。
今季から指揮を執る池山隆寛監督が、若手に均等にチャンスを与える空気感もうまく機能し、外国人を含むリリーフ陣も充実しているので、終盤の競り合いに強い。逆転劇を呼び込む一方、逆転負けを食らいにくいチームです。
西武は今季最も伸びたチーム。タイラー・ネビンの復帰で打線が一気にハマり、2024年オフの現役ドラフトでロッテから加入した平沢大河の覚醒のほか、防御率0点台で白星を量産する髙橋光成(こうな)、先発再転向に成功した平良海馬、堅実な守備でチームを支える源田壮亮や滝澤夏央ら、主力級がそろって好調を維持。今、12球団で一番勢いがあります」
〝ブンブン丸〟池山監督が就任1年目で躍進。若手起用と均等な競争で混沌のセを引っ張る
一方、本命と目されたセ・パの昨年の王者は、共に本来の姿からは程遠い。
「阪神は佐藤輝明、森下翔太、髙橋遥人、才木浩人と主役はそろっていますが、リリーフ陣の防御率は昨季の1.96から4点台へと大きく悪化。
『6回までリードしていれば勝ち切れる』という雰囲気が昨季は漂っていましたが、今季は石井大智の離脱と及川(およかわ)雅貴の出遅れが響き、〝鉄壁感〟が薄れました。若手右腕もやや伸び悩み、ラファエル・ドリスら一部の選手に頼り切りという状況です。
ソフトバンクも有原航平(日本ハム)が抜けた穴は大きく、藤井皓哉の不在も響いています。WBC参加組の松本裕樹も本調子ではなく、リバン・モイネロもまだ1軍登板できていません。柳田悠岐ら野手のベテラン勢にも年齢を感じる場面が増えています」
監督2年目の西口監督率いる西武が躍進。ネビン復帰と平沢大河の覚醒で打線が一気に噛み合った
タレントぞろいの日本ハムにも歯がゆさが残る。
「伊藤大海(ひろみ)が最速154キロの出力を取り戻し、北山亘基、加藤貴之、福島蓮と先発陣はそろってきたものの、打線のもろさと守備の乱れが目立ちます。リリーフも特定の選手に偏った起用で、なかなか打ち取り切れない。大差で勝つものの、僅差で負けることもあり、大型連勝はできていません」
開幕からここまでの状況を踏まえると、交流戦の優勝候補はどの球団になるのか?
「交流戦は3週間の短期決戦であり、優勝するためには勢いに乗る必要があります。最多9度の優勝を誇るソフトバンクも昨季までの威圧感はなく、12球団トップクラスの戦力を持つ日本ハムも打線が読めない。となると、今最も充実している西武が面白い存在になりそうです」
もちろん、5月に入って2年ぶりに6連勝を飾った巨人や、正捕手だった山本祐大をソフトバンクへ電撃トレードで放出したばかりのDeNAにも注目だ。
「井上温大(はると)ら若手投手が状態を上げる巨人、中川虎大がリリーフで覚醒するDeNAも侮れない。短期決戦で一気に走る伏兵が出てくれば、ペナントレースの序列はあっという間に塗り替わる。それが交流戦の恐ろしさです」
*成績はすべて5月18日時点