日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが『ゴースト・オブ・ウエノ』をレビュー!

日本有数の映画ガイド・高橋ヨシキが新作映画をレビューする『高橋ヨシキのニュー・シネマ・インフェルノ』。日本・中国・韓国の合作によるヒューマンミステリー。
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『ゴースト・オブ・ウエノ』

評点:★3.5点(5点満点)©2026「ゴースト·オブ·ウエノ」製作委員会©2026「ゴースト·オブ·ウエノ」製作委員会

日本のぼんやりとした生温かい死生観

突然行方をくらませたホームレスの男性が住まいとしていた青テントで見つけた日記を片手に、ソーシャルワーカーの女性がその足取りを追う、というストーリーだが、会ったことのない人物にまつわる物語という点や、そのホームレス男性のあだ名が「ゴージョー」というところも含め、一種のユーモラスな不条理劇といった味わいがある。

ここでは人々の失踪、生活保護問題、ホームレス問題、多種多様なハラスメントといったさまざまな問題が提示されているが、現代日本においてはそういうあれこれが既に完全に「日常」と化してしまっている、ということの持つグロテスクさが本作を通じて浮かび上がってくるからだ。

単純な構図に落とし込むことを良しとしない姿勢はこうした社会問題だけでなく、死生観にまで及んでいる。

筆者は必ずしも本作で語られる死生観に同意するものではないが、死者に対する生者の責務をどこまでもぼんやりと、一種の生温かさのうちに思い描く態度は、それこそ現代日本に暮らす人の多くの共感を呼ぶものでもあるのだろう。

大ヒットゲーム『ゴースト・オブ・ツシマ』やホラー映画『ゴースト・イン・京都』を想起させる題名には疑問が残るが......。

STORY:ソーシャルワーカーとして働くサツキは、都内の公園の青テントで、身元不明のホームレスの男性が残した日記を見つける。サツキは自身も公園で暮らすトシと共に、男の正体を求め探すことになる

監督:ワン・チイ
出演:門脇麦、竹中直人ほか
上映時間:92分

全国公開中

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